広報PR担当者がイベントを企画するとき、最初の一歩は「企画書づくり」から始まります。
イベント企画に必要な検討要素を網羅した企画書をつくれるよう、企画書の書き方、7つのポイントやテンプレートをご紹介します。
イベントの企画書を作成する目的
企画書を作成する目的は、イベントの内容や意義を誰にとってもわかりやすいようにまとめ、関係者全員で認識を合わせることです。社内外から承諾を得たりディスカッションしたりするうえでも役立ちます。企画書は、イベントを成功させるために重要なアイテムなのです。
よいイベント内容を思いついても、企画書に落とし込めていなければ関係者との意思疎通に時間や労力がかかります。イベントを効果的・効率的に実施するためには、クオリティの高い企画書をつくるスキルが欠かせません。
イベントの企画書の基本構成とテンプレート
記者発表会や生活者向けの企画など、広報PR担当者がイベントを考える機会はしばしばあるものです。企画書作成に過剰なリソースを割かなくて済むよう、イベント企画書の基本構成を押さえておくとよいでしょう。企画書の作成頻度が高い場合は、テンプレートを用意しておくと便利です。
イベントの企画書の基本構成
イベントの企画書の基本構成と、必ず記載しておきたい項目を一例としてご紹介します。
企業・団体によって必要項目が異なる場合もありますが、基本的にはプレスリリースと同様、5W2H(+展望)を押さえることを意識しましょう。
①書類情報
「作成日」や「作成者」など、ドキュメントを管理するために必要な情報
②企画の概要・目的
「タイトル」「目的」「概要」「ターゲット」など、企画の全体像がわかる情報(Why・What・Who)
③企画の詳細
「内容」「日時」「場所」「予算」など、企画の詳細(When・Where・How・How much)
具体的に記入するほど、読み手が実際の様子をイメージしやすくなる
④補足情報
「宣伝方法」「スケジュール」「添付資料」など、企画を補足する情報
イベントの企画書テンプレート
上記の項目を網羅したテンプレート(Wordファイル)をこちらからダウンロードできます。
プレゼンなどを行う場合はスライドのほうが適していますが、スライドを作成する前にまずはドキュメント1~2枚でまとめるのがおすすめです。できる限り簡潔にまとめることで情報が整理され、内容や重要な点を誰でも一目で確認できます。
通る企画書の書き方7つのポイント
企画書の基本構成を押さえたら、いよいよ内容を詰めていきましょう。関係者の認識をすり合わせ、円滑なイベント実施の手助けとなる企画書の書き方について、7つのポイントをご紹介します。
ポイント1.目的・テーマとゴールを明確にする
企画書を作成する段階で、目的とゴール(イベントを通して実現したい状態)は必ず明確にしておきましょう。目的とゴールが不明瞭なままだと、社内外の関係者にイベントの価値を伝えられません。また、イベントに関わるメンバーの認識がずれてしまいます。
目的とゴールが明確になれば、おのずとイベントのターゲット(参加者)やコンテンツも決まってきます。イベントを企画しているとつい、「こんなことをやってみたい」とアイデアが先走りがちですが、必ず目的とゴールを先に言語化し、固めておきましょう。
ポイント2.自社ならではのコンテンツにする
メディア関係者向けの記者発表会から生活者向けのイベントまで、各地で日々さまざまなイベントが開催されています。そこで重要なのが、「自社ならでは」のコンテンツを用意することです。
たとえ同じ時期に競合他社がイベントを企画したとしても、自社のイベントに行きたいと思ってもらえるような企画を目指したいところ。他社や他業界のイベントの事例を研究し、「新規性」「ストーリー性」など魅力的なポイントを自社の場合にどう生かせるか考えていきましょう。
ポイント3.余裕を持ったスケジュールを組む
イベント開催までの大まかなスケジュールを設定しましょう。企画書作成の時点で綿密に決まっている必要はありません。大切なのは、余裕を持ったスケジュールにすること。
イベントには多くの人が関わり、モノやお金も動きます。どうしてもトラブルやイレギュラーな事態が発生しやすいため、予定通りにならなくとも焦る必要のない計画を立ててください。
特にイベントに著名人を招く場合などでは、連絡に想定より時間がかかることもあります。早め早めに動くことを想定したスケジュールにしましょう。
スケジュールを検討する際は、「備品発注」「集客開始」「会場設営」など、重要度の高い締め切りをマイルストーンとして、細かいスケジュールを詰めていきます。
抜け漏れを防ぐため、かんばん方式やガントチャートなどを使ってスケジュール・タスクを管理できるサービスの使用も検討してみてください。
タスク管理ツールの使用例(サンプル)
ポイント4.予算と使途の内訳を明記する
イベントを企画する際は、使用可能な予算を考慮しましょう。何にいくら費用がかかるのか、企画段階で必要な金額と内訳を把握しておくのは、イベント実施の承認を得るうえで重要です。
「最小限のコストでも最大のクオリティを実現すること」を意識し、ポイント1で設定した目的とゴールに立ち返りながら優先度を整理する必要があります。限られた予算の中でも満足のいく結果を出せるよう、検討を重ねましょう。
ポイント5.社内外の関係者と役割を洗い出し、運営体制を明記
イベントのオペレーションの混乱を防ぐためには、人の動きを明確にすることが重要です。関係者の組織図を整理し、メンバーの役割をできる限り明確にしておきましょう。社内だけでなく、社外のパートナーに業務をアウトソースする場合には、それも運営組織図に含めます。また、著名人など外部から登壇者を招く場合、登壇者にも関係者の全体像を大まかに共有しておけるとベターです。
関係者が多いときは、全体統括者のほか、備品・コンテンツ・予算・参加者対応など各領域のリーダーを定めておくことが有効。混乱を防ぐため各人の管掌範囲を事前にすり合わせておきましょう。
ポイント6.効果測定方法を盛り込む
企画の段階であらかじめ効果測定方法を定めておきましょう。イベントの効果を数値で可視化し、イベント関係者への報告を行うとともに、次回以降の改善につなげます。
効果測定の指標の例
定量的
- メディア掲載の数
- 製品の売上金額
- 来場者数
- 来場者の満足度
- NPS®
定性的
- メディアの掲載内容(好意的、中立的など)
- ブランドイメージ調査
- ソーシャルメディア上の意見
ポイント7.想定されるリスクを洗い出し、対応策をまとめる
多くの人やモノが動くイベントでは、思いがけない事故や事件などが起きる可能性があります。会場設営スタッフや参加者がけがをしてしまったり、不審者が紛れ込んだりと、イベントの内容によってリスクの内容もさまざまです。
また、時期によっては悪天候や熱中症なども考慮しておくべきでしょう。外部要因(天候など)と内部要因(会場設営など)に分けてできる限りリスクを洗い出し、それぞれの対応策についてまとめておくことで、もしものときの被害を最小限に留められます。
ポイントを押さえた企画書を作成してイベントを成功させよう
企画書を作成することで、イベントの内容や意義を誰にとってもわかりやすいようにまとめ、関係者全員で認識を合わせられます。
企画書は、基本の構成内容を網羅していることを前提に、「目的とゴールを明確にする」「自社ならではのコンテンツにする」「余裕を持ったスケジュールを組む」「予算と使途の内訳を明記する」「社内外の関係者と役割を洗い出す」「効果測定方法を盛り込む」「想定されるリスクを洗い出し、対応策をまとめる」という7つのポイントを意識して作成してみてください。
必要に応じてテンプレートも活用し、イベントの成功につながる企画書をつくりましょう。イベントの開催が決まったらプレスリリースで発表し、開催後もレポートの作成・配信を行うなどの施策も合わせて行ってみてください。
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<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
イベントを企画するときの企画書の書き方・テンプレートに関するQ&A
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