さまざまな製品やサービスが導入された際の「導入事例」は、プレスリリースを配信するよい機会です。導入対象となった製品やサービスの良さを伝えられるとともに、さまざまな事例を紹介することで活用の幅広さや、新たな顧客層を獲得する可能性が生まれます。
本記事では、「導入事例」のプレスリリース作成時に、必ず盛り込みたい内容や注意点などを、PR TIMES社員の監修のもと細かく解説。参考になるプレスリリース事例を含めてご紹介します。
導入事例のプレスリリースを配信する3つのメリット
導入事例の公開は、プレスリリースを配信する絶好のチャンスです。ここでは、配信で得られる3つのメリットをまとめました。
メリット1.製品やサービスの導入につながる可能性がある
プレスリリースに製品やサービスの導入事例を紹介することで、製品の特長や活用シーンなどを具体的にイメージさせることができます。また、さまざまな活用パターンの紹介を通じて多様性があることを伝えられると、読み手が自分(自社)でも活用できるかもしれないと感じ、導入の検討につながることもあります。
また、導入実績を持つということは、有効で信頼できる製品・サービスであることの裏付けにもなります。導入事例を積極的に発信し、実用性を訴求しましょう。
メリット2.製品・サービスの今後の展開を伝えることができる
導入事例を紹介する際には、対象となる製品やサービスについても言及します。プレスリリースの後半に製品・サービスの概要として現状提供している機能などについて記載しましょう。
機能の追加やバージョンアップ、サービスの範囲が広がる予定など公開可能な情報がある場合はプレスリリースに記載します。今後の予定があることは長期的に使用できる印象を与え、機能の改良などにも期待感を持ってもらえるでしょう。
メリット3.ベースにある自分たちの想いを訴求できる
製品やサービスの提供を通じて、どんなことを実現しようとしているのか、社会に何を提供したいかなど、企業としての想いをプレスリリースに載せて伝えることができます。そうした想いや事業推進するベースとなっている理念が反映した熱意ある製品開発が伝わり、さらなる製品やサービスへの信頼につながります。
導入事例のプレスリリースに必ず盛り込みたい4つのポイント
では、導入事例のプレスリリースを作成する際に、必ず載せたい内容とはなんでしょう。伝えたい内容を網羅するために、必ず盛り込みたいポイントについてご紹介します。
ポイント1.「どこが」「何を導入」し「何を解決」したかを明確に書く
事業活動において、自社の開発した製品やサービスが企業に導入されることは基本の動きであり、日々発生している事象です。そのため、導入事例のプレスリリースは、その「異例性」がポイントとなります。その導入が与える社会的な影響がわかるように記載します。
【対象例】
- 官公庁や自治体などがこれまでに取り扱いがない新たなツールとして導入した
- 社会インフラを担う上場企業が全国拠点で一括導入した
- 自社製品・サービスがその業界に初めて導入された など
さらに、その導入においてどのような課題が解決されたのか、導入前後の差がわかるように記載すると効果的です。
ポイント2.導入後のイメージを画像などを用いて伝える
導入前後の違いを明確に示すのに効果的なのがイメージ画像の活用です。特にシステム導入などにおいては、導入前後のシステム構成の違いなどが見えるとわかりやすいでしょう。
システム以外でも、サービスを導入してオフィスが変わった、業務の効率化ができたなど、導入効果がわかるようなビジュアルは積極的に使用していきましょう。
ポイント3.導入先企業の担当者などのコメントを掲載する
導入先企業のコメントを掲載するのも効果的です。
実際に導入した立場からのコメントは、読み手にとっても納得感があります。導入したことでどのような変化・影響があったのか、社内での評価や今後の活用予定などについてコメントしてもらうとよいでしょう。
ポイント4.導入された製品やサービスを紹介する
導入事例のプレスリリースは、対象となった製品・サービスを改めて紹介する機会です。製品の機能やサービスの内容、価格、これまでの導入実績数などを概要にまとめましょう。また、製品・サービスのイメージ画像も忘れず掲載します。
興味、関心を持った人がスムーズに詳細情報がわかるよう、WebサイトのURLや問い合わせフォーム・メールアドレスなどもきちんと記載しておきます。
導入事例のプレスリリース作成にあたり注意すること
どのようなことに注意して作成するとよいのでしょうか。導入事例のプレスリリース作成時に、特に注意したいことを紹介します。
1.導入によってもたらされた効果を明確に書く
導入のきっかけとなった課題とともに、どのように解決されたのかを明確に記載しましょう。改善された事実を箇条書きなどでまとめます。わかりやすい表現として、改善率を数値化して出すことが望ましいでしょう。
「工数〇時間減少」「成約率 〇 %アップ」など、ひと目で改善されたことがわかるような実績は、タイトルやサブタイトルにも入れられます。導入先から開示してもらえるようであれば、積極的に活用しましょう。
2.記載内容を項目化して、発表内容を統一化する
導入事例のプレスリリースは、導入先企業ごとに発表内容が変わらないように、ある程度テンプレート化することをおすすめします。
プレスリリースの項目を含んだヒアリングシートを作成し、それに基づいて導入先企業へのヒアリング、または記載をお願いするとスムーズです。以下要素例の1~3は導入先企業へのヒアリング項目のベースとなります。ほかにも、自社が発信したい要素を項目化して作成しましょう。
【プレスリリースに記載したい要素例】
- 導入に至った背景・課題
- 導入後の成果
- 今後の活用について
- 製品・サービス概要
3.「異例性」を明確に記載する
配信したい導入事例の「異例性」を明確にしましょう。先で説明したように、この導入事例がこれまでにない事例であることが大切です。自社製品・サービスがその業界に初めて導入された場合や、導入先が業界を代表する企業群である場合など、今回の導入事例に社会的・業界的な影響を伝える要素を見いだします。
以下はPR TIMESが設けている導入事例に関する配信基準です。配信にあたり判断が難しい場合はご相談ください。
▷ サービスや商品の導入事例の公開に関する内容
担当者推薦!プレスリリース配信事例3選
ここでは、実際に配信された新商品に関わるプレスリリースの中から、参考になるものをご紹介します。整理された簡潔な説明文や写真の効果的な活用など、各社とも工夫を凝らしたプレスリリースを作成しています。
事例1.株式会社網屋
- 「どこ」が「何」を導入したかが一目でわかるタイトル
- 導入後のイメージシステムを図で紹介
- 「課題」と「効果」をわかりやすく図で掲載
- 導入事例記事へのリンク掲載で自社サイトへの導線確保
参考:【事例公開】大型高級ホテル「リーガロイヤルホテル」がクラウドWi-Fi「Ubiquiti UniFiシリーズ」を導入~メッシュ機能で工事レス!エリアの隅々まで行き届くWi-Fi環境へ~
事例2.株式会社リチカ
- 「どこ」が「何のために」「何を依頼した」がひと目でわかるタイトル
- 導入後のイメージがわかるビジュアル掲載
- 「リブランディングの主な展開」を記載することで提供できるサービスが伝わる
- 導入先・サービス提供元双方のコメント掲載で「協働感」を訴求
参考:「グラニフ」がリブランディング。リチカがコミュニケーション戦略立案やビジュアル制作を支援。
事例3.株式会社Beat Fit
- 導入先、サービス名、提供サービス内容すべてをタイトルで訴求
- 「導入の背景」と「このサービスでできること」を項目化して分かりやすく記載
- 導入先担当者からのコメントに導入後の効果・社員からの声が含まれている
参考:BeatFit、NTTドコモグループに健康経営支援サービスBeatFit for Bizを提供。短期間で3.5万人対象のオンラインイベントを実現し、テレワーク中の運動不足解消・コミュニケーションを促進
プレスリリース作成の基礎知識
プレスリリース作成にあたり大切なことは、行動した人の想いを込めることです。しかし、見せ方にも工夫は必要です。
どのようなプレスリリースにもあてはまる、プレスリリース作成の基礎知識をご紹介します。
POINT解説付き!テンプレートダウンロードはこちら
さいごに
届けたい相手に、想いを届ける。そのための必須スキルのひとつとしてプレスリリース作成のスキルが挙げられます。
数え切れないほどのプレスリリースが日々配信され、インターネット上には多くの新しい情報が増えています。受け取る側にとっても正しい情報、自身が本当に知りたい情報と出会い、見極めることが必要になっているといえるでしょう。
届けたい相手である、メディアや生活者一人ひとりに自社の想いを届けることは、決して容易ではありません。情報を詳細かつ届けたい相手にとって分かりやすく、そして魅力が伝わるプレスリリースにすることが求められます。
ひとつでも多くの企業の想いをのせたプレスリリースが配信され、届けたい相手に想いを届けるためにお役立てしていただけると嬉しいです。
【関連リンク】
導入事例のプレスリリースに関するQ&A
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