PR TIMES MAGAZINE|広報PRのナレッジを発信するWebメディア
記事検索
title

企業アカウントでSNSの運用をするメリットは?SNSの選び方・始め方・注意点までを徹底解説

「企業公式アカウント」など、企業が運営するSNSアカウントを頻繁に目にするようになりました。企業のSNS活用が注目されるようになって久しいですが、「まだ導入に踏み切れない」「どんなメリットがあるのかよくわからない」という方も少なくないのではないでしょうか。この記事では、企業のSNS活用で期待できるメリットや運用の始め方、注意点などをご紹介します。

企業がSNS運用を始めるメリットは?

企業のSNS運用には、どのようなメリットがあるのでしょうか。企業がSNSを運用することで期待できるメリットは以下の3つです。

メリット1.生活者の目に留まり、自社のファンを増やせる

企業のSNS活用の最大のメリットは、SNSを通じて生活者の目に留まり、自社のファンを増やしやすくなることです。スマートフォンの普及によって、SNSを利用する生活者は増加。総務省の令和4年版情報通信白書によると、SNSの利用率は68.5%となっており、定着が進んでいます。

SNSで発信された情報は、シェアなどで拡散されることで認知拡大につながりやすくなります。リツイートなどで拡散されると、生活者の率直な意見とともに商品を知ってもらえる機会になり、新たな顧客獲得も期待できます。商品やサービスの情報収集のためにSNSを利用する人もおり、SNS上での情報は購買行動を左右する重要な役割を担っているのです。

メリット2.生活者と直接コミュニケーションを取れる

SNSを通じて生活者と直接コミュニケーションを取ることで、自社のファン育成や情報収集がしやすくなるのもメリットです。企業側がコメントやいいね!などの反応を分析したり、生活者から直接意見を募ったり。直接的なアプローチによって、ライブ感のあるコミュニケーションを重ねることができます。特に、企業がアカウントの「中の人」の人格を公開して、共感されるコミュニケーションを継続しているケースにおいては、生活者のロイヤリティも向上し、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)の高い顧客になる場合もあります。

メリット3.他社とコラボレーションするきっかけになる

さまざまな企業アカウントとコラボレーションするきっかけとなるのもメリットです。イベントや新商品、トレンドを作り出す局面において、他社とリアルタイムに情報共有することで仲間を募ることができます。SNSで行われるコミュニケーションでは、リツイートなどで生活者からリアルな反応が返ってくるため、コラボ・企画そのものについても生の意見を吸い上げやすいのです。SNSで吸い上げた意見を商品に反映した事例も少なくありません。

同業他社のみならず、業界や業種を超えて他社のアカウントとコミュニケーションを取ることも可能。認知拡大のためのコラボレーション企画に異業種の風を吹き込んだり、インフルエンサーと協働したりするのもよいでしょう。

企業のSNSアカウント

企業のSNS運用を始める前に検討したいこと

実際に企業のSNSアカウントを開設して運用するためには、どのような準備を行えばいいのでしょうか。運用開始までに検討するべきことを3ステップでまとめました。

STEP1.SNSを運用する目的を明確にする

まずは、SNSを運用する目的を明確にしましょう。商品の認知向上やブランディング、CRM、ユーザーサポートなど、さまざまな場面でSNSの活用は有効です。しかし、近年の時流では生活者のライフスタイルを無視した一方的な広告は好まれない傾向にあります。直接的な集客や売り上げを目的とするのではなく、生活者とのコミュニケーションの場として捉えましょう。SNSは直接のコミュニケーションによって、生活者と関係を築くことを得意とするツールです。関係を築いた先にどのような関係でありたいのか、イメージしつつ目的を洗い出しましょう。

STEP2.社内で運用方針の理解を得る

運用を始めるにあたって重要なのが、SNS運用の目的や運用方針について社内で理解を得ることです。広告のように直接的な宣伝効果を求められたり、コミュニケーションツールであることを理解されなかったり、実情と社内での期待値がずれてしまうことは少なくありません。SNSの特徴を理解してもらうことはもちろん、運用目的からKGI・KPIを決めるなど何のために運用しているのかを明らかにして、社内でポリシーを理解してもらえるようにしましょう。

STEP3.SNSの運用ルールを決める

運用を始める前に必ずSNSの運用ルールを決めておきます。ルールを決めておけば、運用者が複数人でも一貫した人格での運用が可能です。投稿内容のクオリティも担保できるので炎上を防ぐことにもつながるでしょう。

具体的に決めておきたい運用ルールの一例をご紹介します。

  • メインターゲット
  • トーン&マナー
  • 投稿頻度
  • 投稿内容
  • キャンペーンなどを行う予算
  • 画像などの制作物依頼方法

ただ、細かすぎるルールはコミュニケーションの足枷となってしまう場合も。企業として絶対に譲ることができない部分や、やってはいけないことを決めておくほうが実際の運用はしやすいでしょう。

自社企業にとって、どのSNSが合っているの?各SNSの特徴

SNSにもさまざまなプラットフォームがあり、それぞれ機能やコミュニケーションの強みが異なります。各SNSの特徴を理解して目的に合ったものを見つけてください。

Instagram

Instagramは、写真や動画などのビジュアルを利用した発信が得意です。24時間で消える「ストーリー機能」や、「Instagram動画」など、タイムライン以外でも多様なコミュニケーションが可能です。ビジュアルによって世界観を統一すればブランディングにもつながります。またInstagramではハッシュタグを利用した検索行動も多く、ビジュアルのクオリティ次第で、認知を拡大できる可能性があります。

Twitter

リプライ機能やRT(リツイート)など、リアルタイムに生活者とのコミュニケーションを取るなら、Twitterを利用しましょう。通常アカウントの投稿は全角140文字以内と、短いメッセージを気軽に投稿できるのが特徴です。Twitterの企業アカウント最大の強みは、5000万人を超えるとされる国内のユーザーの多さ。生活者とのコミュニケーションを通じて企業アカウントとしての人格に好意を抱いてもらい、企業の存在を身近に感じてもらいやすくなることです。

Twitterは企業公式アカウント同士の横のつながりも多く、共同キャンペーンや共同イベントの開催も頻繁に行われています。

Facebook

Facebookビジネスアカウントは、企業のFacebookページを作成できます。ページ内にイベント、求人、クーポンを作成でき、Facebook上でシームレスに情報を公開することが可能です。文字数制限がTwitterと比べて緩やかなため、より多くの情報を届けられるのも特徴です。

コミュニティ機能を利用するとフォロワー同士がグループ内で交流できるようになるので、属性ごとに交流して意見を吸い上げられます。

YouTube

動画コンテンツをアップロードし、コンテンツごとのコメント欄でコミュニケーションできる動画プラットフォームです。チャンネル内にはコミュニティ機能もついており、画像やアンケートなどを利用して、コミュニケーションを取ることができます。

その他のSNS

上記に紹介したSNS以外にもさまざまなSNSがあり、それぞれに強みや特徴があります。例えば、世界最大の利用者数を誇るメッセージアプリLINEは「LINE公式アカウント」を運営しています。フォロワーに直接メッセージを送る、1対1でコミュニケーションする、タイムラインを利用して情報を発信するなど、LINEの機能を企業として利用できます。

若者の間で人気のショートムービーアプリ「TikTok」もライブコマースやマーケティングの現場で存在感を増しています。最初からバズを狙うよりは、ファンを育成するためのコミュニケーションツールとして利用を始めるとよいでしょう。

企業がSNS運用をするときの3つの注意点

企業の顔としてSNSを運用するときに、注意したいポイントを3つご紹介します。

注意点1.ソーシャルメディアガイドラインで炎上回避

SNSを利用した情報発信には、炎上リスクが伴います。炎上を未然に防ぎ、リスクの顕在化を防ぐために、ぜひ策定してほしいのがソーシャルメディアガイドラインです。企業がSNSを使用する際に全従業員に周知徹底したい取り決めを作成しましょう。SNSは全世界に対して発信しているという自覚や心構えを明確にすることで、不用意な投稿の防止につながります。

また、万が一SNSで問題が発生した場合にどのような対応をするかも明らかにしておきます。SNSはリアルタイム性が強いため、問題発生後の対応を迅速に行えるかどうかが影響を最小限に抑えるためのポイントです。問題発生時に即対応できる体制を整えておきましょう。

注意点2.生活者が「シェアしたい」投稿を目指す

SNSは宣伝ツールではなく、コミュニケーションによって生活者と関係を築いていくためのツールであると心得ましょう。広告配信や宣伝をしてはいけないというわけではありませんが、ユーザーやコミュニティに受け入れてもらうことがSNS運用成功の第一歩です。そのため、生活者目線で魅力的で「シェアしたい」と思ってもらえる投稿をしなければなりません。SNS上のトレンドをキャッチアップして、生活者とともに楽しみながら自社の魅力を発信しましょう。

注意点3.継続更新しやすい体制づくりが大切

生活者との関係構築のためには、継続的な更新が必要です。更新頻度が落ちたり、停止してしまったりするとコミュニティの中で接触する頻度が減ってしまいます。生活者との関係は、更新を続けているからこそつながり続けるもの。更新はまめに、継続したものを心がけるようにしましょう。

とはいえ、SNSだけにつきっきりになってしまってほかの業務ができない、ネタを考えるのに時間がかかりすぎるなど、運用のハードルが高いと挫折してしまう原因になります。長期的に継続可能な更新体制を作るようにしましょう。

SNS運用の注意点

運用ルールを設定して魅力的な発信を

企業がSNSを活用すると、生活者とのコミュニケーションが増え、ファンの育成につながるだけでなく、ユーザーの反応や生の声を事業に反映させる機会にもできます。必要なのは「魅力的な発信」を続けてファンを増やし続けること。また、おもしろくためになる情報を発信することが大事ですが、炎上リスクは回避しなければなりません。自社のSNS運用ルールを策定して、投稿者・ユーザー誰もが楽しめるSNS運用を目指してください。

企業がSNSの運用をするメリットに関するQ&A

PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法料金プランをあわせてご確認ください。

PR TIMESの企業登録申請をするPR TIMESをご利用希望の方はこちら企業登録申請をする

この記事のライター

長瀬 みなみ

長瀬 みなみ

ITベンチャーにて広報PRを担当したのち、ヘルスケアベンチャーにて広報PR部門の立ち上げ、ブランド責任者として取締役就任。YouTubeチャンネル運営など、さまざまなメディアを活用した分ランディングや広報活動を行う。独立後は、広報PR・ブランディング・コミュニティ運営など幅広く活動している。これまでの経験から広報・ブランディングに関する戦略立案からプレスリリース執筆まで幅広くカバーしたコンテンツを作っています。

このライターの記事一覧へ