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【トレンド徹底活用術 vol.30】福袋2026編:画像の工夫や配信のタイミングを見極めてプレスリリースを作成しよう

自社プロダクトの一次情報となるプレスリリース。時節やトレンド情報をかけ合わせることで話題性が高まり、メディア関係者と生活者の目に届きやすくなります。プロダクトに関する情報以外にどんなポイントを挙げるかによって、付加価値を高めることも可能です。

本記事では「福袋」をピックアップ。プレスリリース作成において重要なステップを解説します。福袋を販売する小売業や、テイクアウトを中心とした飲食事業を展開する企業の方は特に活用しやすいトレンドのため、ぜひ参考にしてみてください。

福袋をプレスリリースに活用するSTEP

新年を迎えると同時に販売される福袋。「数ある中から自社の福袋を選んでもらうにはどうしたらいいだろう」「中身が明かせないのにどうやってプレスリリースにしたらいいんだろう」など、福袋の販売を計画するなかでさまざまな悩みを抱えているのではないでしょうか。

そのような悩みにお答えすべく、福袋を活用したプレスリリースの作成について解説します。

基本の8ステップは以下です。

トレンド活用術8ステップ

基本となるステップについては、こちらの記事で解説しています。参考にしてみてください。

プレスリリースを配信するまでの特に重要なSTEP

ここからは、実際に福袋を活かしたプレスリリースの作成・配信までに必要なポイントを、基本の8つSTEPの中でも特に重要な5つをご紹介していきます

画像素材にこだわる

プレスリリースは内容が重要なのはもちろんですが、使用する画像は購買意欲をかき立てるのにも役立ちます。公開するプレスリリースの内容と相違なければお正月らしくなくても問題はありません。自社の販売目的・販売方法に合わせて、プレスリリースの画像素材を用意し、読み手の目を惹くプレスリリースを作成しましょう。

福袋の目的や販売方法別に画像を用意

自社で福袋を販売する場合、販売目的や方法によって用意する画像も異なります。福袋をどのように販売したいのかを考えながら、それに沿った画像を用意しましょう。

【より多くの人に「福袋」の購入機会を提供することが目的】

福袋は1つで複数の自社商品を提供できるチャンスです。そのため、「できるだけ多くの人に購入機会を提供したい」というケースであれば、お得感がわかる画像を用意するとよいでしょう。

<プレスリリース画像掲載例>

福袋に同梱されるお食事券の金額を明記した画像で、グッズと食事チケットをお得に入手できることを伝えました。
参考:【ココス】ココロはずむ!ココス自慢の紅茶を楽しめるオリジナルグッズが登場!「ココス 冬の福袋 2026」11月18日(火)10:00より予約販売開始!

3パターンの福袋の中身がわかるよう、それぞれ並べて撮影しています。バリエーションの豊富さが伝わるのはもちろん、コーヒー豆やドリップなど商品特長がわかりやすい画像が魅力的です。
参考:今年も数量限定にて発売!UCC公式オンラインストアの『コーヒー福袋2026』11月10日10時より予約スタート

【数よりも質の高い「福袋」を売ることが目的】

福袋を数多く販売することよりも、「福袋の中身にこだわりたい」というケースでは、プレミア感を持たせた画像を用意するとよいでしょう。

<プレスリリースの例>

「新年の運試しに」という文言とともに、プレミアムなウイスキーのボトルキープ権を得られる福袋を紹介。ラインナップのイメージ画像で、新年ならではの楽しみ方を提案しています。
参考:【リーガロイヤルホテル東京】新年の運試しに!人気のウイスキーボトルキープ権を獲得できる「福ボトル」

限定100セットの福袋に関するプレスリリースで、果茶やフルーツティー、オリジナルグッズといった内容を豊富な写真でひとつずつ紹介しました。
参考:【福袋2026】五感で楽しむ花と果実のお茶「fuacha HAPPY BAG 2026」100個限定・受付中!

【インターネット(予約販売)で「福袋」を売ることが目的】

インターネットから予約販売を実施する場合は、予約開始日や送料、受付終了日時などを記載した画像を用意しましょう。

<プレスリリースの例>

福袋の価格や内容を紹介した画像に予約開始日も大きく記載し、商品への関心度が高い人が早めの行動を取れるように喚起しています。
参考:【スガキヤ】カラフルなラーメン丼やお年玉クーポン入り!「スガキヤ福袋2026」を11月27日(木)より予約販売開始!

福袋の予約受付期間を「23:59迄」と丁寧に記載し、「Web予約限定」も明記して読み手が行動しやすい画像を掲載したのが魅力的です。
参考:幸楽苑のお得な2026年「福袋」!予約販売と店頭販売決定!!2025年11月24日(月)~Web予約開始!!

イメージが膨らむ画像を用意

福袋には中身を見せられないものもあるはずです。そのようなケースでも、以下のように外装の写真から中身を想起させる工夫によって読み手のイメージを膨らませることができます。

|開封するまで何が入っているかわからない福袋を展開するケース
福袋に含まれる豊富なオリジナルグッズのうち、目玉となるキャラクターアイテムをシルエットで表現。イメージしやすい形で紹介することで、ファンを中心に関心を高めています。
参考:鳥貴族初の福袋「トリキの福袋」発売決定 オリジナルグッズとギフト券入り、11月1日より限定3万セットを販売

|中身の異なる数パターンの福袋を展開するケース
福袋に入っている3点のセットアップを想起させられるよう、20以上のイメージ画像を掲載。中身を完全に隠すのではなく、「この中から3点」と伝えることで購買意欲につなげています。
参考:【KISS ON THE GREEN】最大6万円相当!豪華8点入り「福袋」を9/25(木)より、公式オンラインストアで数量限定発売

|素材を用いて福袋の内容を展開するケース
「試合観戦」や「プライベートレッスン」といった体験は画像で伝えづらいですが、人物写真を用いた素材を掲載することで、福袋ならではの体験価値を明示できています。
参考:【新宿高島屋】2026年新春 新宿高島屋 企画福袋のご紹介<抽選販売>

画像を通して「商品を通してどのような体験ができるのか」「どのようなメリットを得られるのか」を視覚的に伝えることで、読み手に具体的な福袋の活用シーンをイメージしてもらうことができます。

ニュース性が伝わる画像を用意

一方で、生活者向けの画像が必ずしもメディアにとって有用とは限りません。メディアによってマッチする画像が異なっていたり、掲載できる画像の基準が決まっていたりします。独自性やニュース性がある画像のように、メディアが記事として取り上げやすい要素を含んだ画像も複数用意しておくことが大切です。

<メディア向けに用意したい画像の種類>

  • 福袋の中身でも特に目玉となる商品
  • 地域性や限定性などメディアフックとなる要素
  • ほかにはないユニークな企画や独自性のあるコンセプト
  • 福袋を企画した人や生産者

メディアが掲載しやすい画像の用意がされているプレスリリースの配信例を紹介します。

こちらは、岐阜県飛騨市で牛乳屋を営む有限会社牧成舎のプレスリリースです。「年中売れる福袋」「地域密着の乳業」などインパクトのあるキーワードを使い、商品はもちろん店長・牧場経営者の顏がわかる写真も掲載しました。

ストーリー性のある文章と現地の様子がわかる豊富な写真で、メディア関係者を中心にうまくアプローチできています。

参考:「飛騨で唯一の牛乳屋が年間2万件を突破!」地域密着の乳業が全国ファンをつかんだ“年中売れる福袋”とは

なお、メディアによっては「文字入りの画像は掲載しない」というルールを設けている場合もあるため、テキストなしの画像も用意しておくことをおすすめします。店頭POPやフライヤー用に「総額○○円の福袋が△△円」などテキストを含めることもありますが、メディアでも使用しやすいようにテキストなしの画像も忘れずに用意しましょう。

情報収集して傾向をチェック

福袋は年始のセールと同時期に店頭で販売されることが主でした。しかし現在では、事前に申し込める予約制、通信販売のみなど多様化しています。このようにさまざまなルートで福袋商戦が盛り上がる一方、販売方法が複雑になりわかりにくくなっている一面もあります。

ここ数年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、店頭に大勢の人が集まらないよう新たな販売方法を実施した企業も多いことでしょう。時代の変化によって、販売企画が流動的なときこそ、今年ならではの傾向や対策を加味した情報発信のタイミングが重要となってきます。

まずは傾向を把握していきましょう。

Googleトレンドで興味・関心の時期を調べる

「Googleトレンド」で過去5年間の検索推移を調べてみると、「福袋」というキーワードは10月下旬から徐々に上がり始め、12月下旬で大きく盛り上がります。近年では福袋は夏季などでも販売されているものの、やはり年末年始の商戦であるイメージが強いといえるでしょう。

したがって、人々の関心がピークを迎える頃にはすでに情報を配信し、「福袋」で検索した人に有益な情報を届けられるようプレスリリースを活用するのが理想です。

生活者の動向を調べる

販売方法が多様化する現代において、どのタイミングで情報を発信すればよいかは、生活者の意識・動向調査の結果から読み解くこともできます。

ここでひとつ、生活者の動向調査の事例を紹介します。

トランクルーム投資や不動産コンサルティング業などを展開する株式会社アンビシャスは、2024年12月13日~17日の5日間、トランクルームユーザー400人を対象に自社調査を実施。「セール・福袋の本音」に着目したアンケートで、約8割の生活者がセール品や福袋を購入していることがわかりました。

多くの人が福袋を買っている一方、「後悔したことがある」と答えた人も約8割にのぼっています。このような動向を踏まえて「後悔しない福袋選び」について紹介したり、デザインやサイズがわかる情報を提供したりといったプレスリリース内容を検討しやすくなるでしょう。

参考:年末年始はセールや福袋でついつい買いすぎに・・・年末年始に収納悩みを感じるか調査

福袋の由来や現代における意味合いを調べる

福袋はいつごろ誕生し、どうして新年に販売されるのか、そもそも何を目的とした商品なのか、など意味や由来を正しく理解することで、具体的な広報PR施策を企画できることもあります。地域差、性別や年齢ごとの認識の差など意外な側面を知ることができるかもしれません。

本来の意味や由来、新たな側面を見いだすことは、トレンドを活用した情報を発信するうえで、土台となる基礎知識となります。この機会に改めて調べ直してみましょう。

調べた情報を箇条書きで整理

従来の福袋はさまざまな物を袋に詰めて封をした状態で、中身がわからないまま購入者が選び取る形式が一般的でした。しかし、生活者の意識の変化やその時々の社会情勢により、近年ではあえて中身を公開した福袋や、季節を問わない福袋など企画は多様化しています。そのようななかで、特に生活者が必要とする情報はどのようなものでしょうか。

福袋に関するプレスリリースを作成するにあたって重要になってくるのがわかりやすさです。わかりやすく整理して伝えたい要素は大きく2つに分かれます。

  1. 商品内容
  2. 購入方法

以下、それぞれ解説します。

1.商品内容

福袋は何が入っているかわからないエンターテインメント性やお得感が魅力です。購入を決定する要因の多くはこの2つを占めます。商品の魅力を伝えるためにも情報を整理してきちんと伝えましょう。

<商品における整理したい要素>

  • 中身
    完全シークレット
    対象アイテムからの選択式
    一部固定のアイテム
    固定のアイテム
  • 割引率
    中身のおおよその総額と福袋の価格

中身を完全にシークレットにした福袋の場合でも、どのようなカテゴリーか、どのようなアイテムが入っているのか、掲示できる範囲で記載しましょう。中身の予想がつくことによって、購入者の購買意欲が高まるためです。

以下、福袋のケースごとのプレスリリース例をご紹介します。

|完全シークレットの福袋
中身がわからないようにしながら、パッケージ画像と「人気アイテム〇点」「メンズサイズ」といった概要を明記して選択しやすくなっています。
参考:<gelato pique(ジェラート ピケ)>毎年大好評の福袋『HAPPY BOX 2026』が今年も登場!

価格と内容をもとに複数パターンから選べる
5,000円~5万円の価格帯で4パターンの福袋を用意し、予算や中身の好みに応じて選びやすいラインナップを紹介しています。
参考:【新商品】The Rising Sun Coffee、毎年大好評の新春福袋「TRSC HAPPY BAG 2026」を 11 月 15 日より予約開始

|一部固定アイテムがある
固定で入るアイテムを公表し購入意欲を高めつつ、ほかのアイテムをシークレットにすることでワクワク感を促すことができます。
参考:【salut!】2026年福袋のご紹介

|完全に中身が固定で決まっている
福袋限定のコラボアイテムをはじめ、中身(セット)を画像と文字で公開。福袋の概要を集約した画像に加え、含まれる商品もひとつずつ丁寧に紹介しています。
参考:むさしの森珈琲“初の福袋”が登場!創業10周年記念で「オンワード」とのスペシャルコラボ

積み上げ金額を明記している
福袋の販売価格4,000円(税込)に対し、店頭販売価格が最大合計4,460円相当になることを明記。通常よりもお得に商品が手に入ることを画像のみでうまく伝えています。
参考:オリジナル2Wayトートバッグにお得な商品無料券付き ウェンディーズ 福袋「ハッピーバッグ2026」を限定発売!

2.購入方法

販売の仕方も多様化している昨今、購入方法がわかりにくかったり複雑だったりすると機会損失につながってしまいます。購入するための案内は丁寧に伝えましょう。

<購入方法における整理したい要素>

  • 販売方法
    オンライン
    実店舗
    予約の有無
  • 販売個数
  • 対象店舗/対象ブランド

以下は、福袋の購入方法についてのプレスリリースを配信する際の参考事例です。

以下は、ドイツの織物ブランド「FEILER」の輸入や販売を手掛けるフェイラージャパン株式会社が配信した福袋のプレスリリースです。

商品説明に関する見出しで、店舗予約販売期間・オンライン予約販売期間を詳しく書いた画像を掲載。画像に加え文字でも説明し、読み手にとって重要な情報を過不足なく提示できています。

参考:2025年11月10日(月)よりご予約受付開始!限定品 FEILER HAPPY PACK

販売方法が複雑になることによって購入のハードルが上がってしまうことのないよう、購入までの導線は丁寧に引きましょう。

プレスリリース配信以外のツールでも情報を発信

近年、福袋は予約販売やオンライン販売が主流となっているため、生活者の関心が集まるタイミングよりも前に情報を発信することがあります。需要に合わせて供給できるよう、プレスリリースを配信したら終わり、ではなく適宜SNSでリマインドするなどしてステークホルダーとの接点を増やすことが大切です。

特に、「気付いたら予約が終了していた」「すでに完売していた」という生活者の声も少なくありません。販売に関する事前告知はプレスリリース配信だけでなくSNSアカウントでのシェア、店頭POP、メールマガジンなどあらゆるツールで拡散するようにしましょう。

<プレスリリース配信以外の情報発信機会>

  • 販売に関する事前告知
  • 予約開始直前(前日や当日など)のリマインド
  • 店頭受け取りの開始/終了前
  • 店頭販売の開始直前(前日や当日など)
  • 完売、再販、残数などのリアルタイムレポート

画像の工夫や集めた情報を整理しながら最適なタイミングでプレスリリースを配信しよう

福袋の販売目的や販売方法によって、プレスリリースの見せ方は異なります。自社が福袋を販売する目的を明確にし、それに沿った情報提供を心がけることが重要です。福袋の中身を見せられないときは、画像などで見せ方を工夫すると、生活者の興味や購買意欲、メディアの関心を高める公開につながります。

また、生活者がどのタイミングで福袋に興味・関心を高めるのかをリサーチすることで、プレスリリースを最適な時期に配信することができるはずです。実店舗での販売やインターネット販売、予約制など、販売方法が多様化する現代において、購入者が迷わないよう販売経路もわかりやすく伝えることを大切にし、プレスリリース配信をしましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

福袋のプレスリリースの書き方に関するQ&A

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この記事のライター

大森 美野

大森 美野

2015年にPR TIMES入社。主にPR活動レポート作成をしていましたが、もっとお客様の声が聞きたくて2019年よりカスタマーリレーションズ本部に異動。情報を欲していた広報担当時代を思い出しながら、PR TIMES MAGAZINEではたくさんのアレコレを届けていきたいと思います。石橋は叩きすぎて壊すタイプ。でもたまにスキップで渡っちゃいます。

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