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人的資本経営とは?注目の背景と、3P・5Fモデル、取り組む方法から事例までを解説

世界的に注目されている「人的資本経営」。日本では2023年3月期の決算から、一部の企業を対象に人的資本の情報開示が義務化されており、企業は大幅な人材戦略の変革が求められています。

情報開示にあたっては広報PR担当者が重要な役割を果たします。効果的な広報PR活動を叶えるために、人的資本経営について基本的な知識を有しておきましょう。

目次
  1. 人的資本経営とは

  2. 人的資本経営はなぜ注目を集めている?従来の人材戦略との違いと背景

  3. 企業が人的資本経営に取り組む3つのメリット

  4. 伊藤レポートにおける人的資本経営の3つの視点(3Pモデル)

  5. 伊藤レポートにおける人的資本経営の5つの共通要素(5Fモデル)

  6. 伊藤レポートにおけるステークホルダーに求められる8つのアクション

  7. 企業が人的資本について情報開示する義務はあるのか

  8. 企業が人的資本経営に取り組む方法

  9. 人的資本経営の取り組み事例

  10. 人材の育成・強化が企業としての競争力アップにつながる

  11. 人的資本経営に関するQ&A

人的資本経営とは

人的資本経営とは、人材を「資本」ととらえて価値を最大限引き出し、中長期的な企業価値向上を目指す経営のことです。経済産業省では2020年から研究会が開催されており、2023年時点では日本企業の持続的な企業価値の向上を目指すうえで、経営戦略と連動した人材戦略の実践が必要だと結論づけられています。

参考:経済産業省「人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~」

とは?

人的資本経営はなぜ注目を集めている?従来の人材戦略との違いと背景

現代では、デジタル化の進展により人材に求められる能力が急速に変化しています。AI(人工知能)やロボットとの協業だけでなく、脱炭素化をはじめとするサステナブルなビジネスが求められており、高い専門性に加えて多様な視点から新たな発想を生み出せる人材が必要とされています。

それだけでなく、コロナ禍で場所や時間を問わない働き方が普及した結果、対面でのコミュニケーションの機会が減り、日々の生産性を向上するための新たなマネジメント手法や対応も求められています。社会の急激な変化の顕在化により、重要度を増してきているのが「人的資本経営」なのです。

海外では以前から人的資本に関する情報の開示が重要だとされていました。例えば、EUでは2014年から「非財務情報開示指令」において「社会と従業員」を含む情報の開示が義務化されています。アメリカでは2020年に米国証券取引委員会が人的資本に関する情報開示を義務化しました。

日本では2021年に「コーポレート・ガバナンス・コード」が改訂され、多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針の情報開示に関する記載が盛り込まれました。日本社会全体として人材面の課題に向き合い、具体的施策を実施する必要性が高まってきているといえます。

従来の人材戦略との違いは、経営戦略遂行のために必要な人材を柔軟に確保・育成することにあります。従来の人材戦略は、長期定着を前提として人材を確保・管理していました。人事制度と経営戦略は紐づけられておらず、同質性の高い人材を採用して囲い込むのが一般的とされていました。

一方、人的資本経営は人材を管理するのではなく、人材に投資するのが基本姿勢。経営戦略から落とし込まれた人材戦略を策定し、多様なバックグラウンドを持つ人材を確保します。そして変化の多い社会に対応するため、育成や教育への投資を惜しみません。

人材を持続的な企業価値向上に必要不可欠な要素としてとらえ、利益や価値を生む存在としてマネジメントするのが人的資本経営です。

参考:田中里枝「人的資本の情報開示に関する国内外動向」(日経研月報2022年10月号)
参考:経済産業省「人的資本経営に関する調査について」
参考:経済産業省「人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書~人材版伊藤レポート2.0~」P7

企業が人的資本経営に取り組む3つのメリット

人的資本経営を行ううえでは、従来の人材育成制度や福利厚生を見直す必要があります。制度導入に伴って環境整備や評価制度を刷新するので、実現するには時間とコストがかかります。そのため、人的資本経営を具体的に推進するのを躊躇する企業も少なくありません。しかし、中長期的に見れば人的資本経営に取り組むことで得られるメリットはいくつかあります。

メリット1.人材育成と従業員の生産性の向上

企業が人的資本経営に取り組む1つ目のメリットは、人材育成と従業員の生産性の向上です。

人的資本経営では、人材の育成や能力を発揮するための環境整備など、人材への投資が増えます。従業員は新たな知識や専門的なスキルを習得しやすくなり、中期的に見て生産性の向上が期待できます。

メリット2.従業員エンゲージメントの向上

企業が人的資本経営に取り組む2つ目のメリットは、従業員エンゲージメントの向上です。

人的資本経営において、従業員が成長できる環境を整備することは必須事項です。従業員は企業が自身の成長をサポート・支援してくれているという実感を得られるため、自社への貢献意欲が高まります。

新しく習得した知識や技術と意欲によってイノベーションが起こりやすい環境が生まれ、個々のスキルアップと生産性アップという好循環が、企業の持続的な価値向上につながります。

メリット3.企業イメージの向上

企業が人的資本経営に取り組む3つ目のメリットは、企業イメージの向上です。

人材育成に力を入れていることを社外に発信することは、従業員を大切にしているという姿勢を示すことであり、企業全体のイメージ向上が期待できます。企業ブランディングの一環にもなるので、優秀な人材を引きつけ採用力の強化につながります。

さらに、人的資本についてきちんと情報を開示するとステークホルダーから信頼されるため、投資面で有利な立ち位置を得られます。投資家からの投資額が増加すれば、さらなる発展と成長が見込めます。新規事業や新サービスの開発に対して、積極的に取り組む風土も醸成できるでしょう。人材育成への投資も充実させられるため、従業員の生産性とエンゲージメント向上に直結します。

伊藤レポートにおける人的資本経営の3つの視点(3Pモデル)

経済産業省で取りまとめられた報告書、通称伊藤レポートでは、人材戦略を策定するうえで3つの視点を持つことが重要だとしています。「3Pモデル」と称されますが、Pは視点の意味を持つ「Perspectives」のことです。人材戦略を検討する際のフレームワークとして活用できます。

1.経営戦略と人材戦略の連動

企業価値の持続的な向上のためには、経営戦略を実現する人材戦略の策定と実行が必須です。経営戦略との連動を意識しながら、人材面の課題解決のための具体的なアクションを実行することが求められます。

2.「As is-To be ギャップ」の定量把握

「As is-To be ギャップ」とは、人材面の課題を特定したうえで理想とする姿(To be)と現在の姿(As is)とのギャップのことです。このギャップを定量的に把握することで、経営戦略と人材戦略に連動性があるかどうかを判断しやすくなります。継続的な人材戦略の見直しを行うために重要な視点です。

3.企業文化への定着

持続的な企業価値の向上につながる企業文化は外部から与えられるものではなく、人材戦略の実行を通して醸成されるものです。そのため、経営戦略と連動した人材戦略は、策定段階から理想とする企業文化をと関連性のある内容にすることが必要です。

伊藤レポートにおける人的資本経営の5つの共通要素(5Fモデル)

3Pモデルと併せて活用したいのが「5Fモデル」と呼ばれるフレームワークです。Fは要素を意味する「Factors」の頭文字からきています。どの企業も共通して取り入れるべき人材戦略の5つの共通要素を示しています。

1.動的な人材ポートフォリオ計画の策定と運用

経営戦略を実現するには、必要な人材の量と質を充足させることが大切です。かつ、それを中長期的に維持する必要があります。

そのためには、現時点で求められている人材や必要なスキルを前提とするのではなく、経営戦略を実現するために必要となる人材の要件を定義します。将来的な目標から逆算して動的な人材ポートフォリオ計画を策定し、人材の採用・配置・育成を進めることが大切です。

2.知・経験のダイバーシティ&インクルージョン

顧客ニーズの多様化に対応するためには、企業内に多様な経験や視点を持つ人材が必要です。多様な人材の掛け合わせによりイノベーションが生まれ、企業価値の向上も期待できます。

また、バックグラウンドに関係なくさまざまな機会を提供することも、今後、企業のダイバーシティ&インクルージョンを進めるうえでは意識したいポイントです。時代の変化に伴い意味合いが変わっていくダイバーシティに対応することも、人的資本経営を行ううえで求められてきます。

3.リスキリング・学び直し

急速に変化する顧客の需要に応えるには、従業員の学び直しや新たな知識の習得が欠かせません。人的資本経営では、従業員がリスキリング・学び直しを自律的に行い、企業はそれを積極的に支援する姿勢が求められます。

4.従業員エンゲージメントを高める

従業員エンゲージメントとは、従業員の企業に対する貢献意欲のことです。従業員が能力を十分に発揮し、やりがいや働きがいを感じるには主体的に取り組める環境の整備が必要です。人的資本経営では、社員エンゲージメントを高める取り組みが経営戦略実現につながるとしています。

5.時間や場所にとらわれない働き方を推進する

現代は働き方の多様化が進んでおり、在宅勤務やリモートワークなど時間や場所にとらわれない働き方を希望するビジネスパーソンが増えています。事業継続の観点から、いつでもどこでも働ける環境整備の必要性は高まっています。

多様な働き方に対応するためには、マネジメントのあり方や業務プロセスの見直しも必須事項です。人的資本経営を実現するために、組織としてどのように対応するのかを考えることが求められています。

伊藤レポートにおけるステークホルダーに求められる8つのアクション

少子高齢化や人生100年時代など、社会は大きく変化し続けています。従来の人材戦略では企業の持続的な価値向上は難しく、企業は戦略の変革という柔軟な対応が求められています。伊藤レポートでは、そうした対応においてステークホルダーが果たすべき8つのアクションが示されています。

経営陣が果たすべきアクション

経営陣は、自社の人材戦略を変革するにあたって主導権を握る存在です。特に、CHRO(最高人事責任者)の役割は重要で、CEO(最高経営責任者)・CSO(最高戦略責任者)・CFO(最高財務責任者)・CDO(最高デジタル責任者)を含めた経営トップ5Cと密に連携を取りながら、経営戦略と連動した人材戦略を策定・実行しなければなりません。

経営陣が果たすべきアクションとしては、4つの項目があげられています。

  • 企業理念や企業の存在意義、経営戦略の明確化
  • 経営戦略と連動した人材戦略の策定と実行
  • CHROの設置・選任、経営トップ5Cとの密接な連携
  • 従業員や投資家への積極的な発信と対話

取締役会が果たすべきアクション

取締役会は、経営陣が定めた人材戦略を適切な方向に導く役割を担っています。経営戦略実現に必要な人材を供給する人材パイプラインや人材戦略の実行を監督・モニタリングし、議論を行います。人的資本経営の実現において、人材戦略の統治・管理・運営を担う存在です。

取締役会が果たすべき具体的なアクションとしては、2つの項目があげられています。

  • 人材戦略に関する取締役会の役割明確化
  • 人材戦略に関する監督・モニタリング

投資家が果たすべきアクション

投資家は、企業からの発信を踏まえて投資先の選定を行います。人材戦略の変革においては企業との対話を強化することが期待されています。投資家が果たすべきアクションは下記の2つです。

  • 中長期的な視点から企業の持続的成長を促すことを目的とした
  • 企業価値向上につながる人材戦略の「見える化」を踏まえた対話、投資先の選定

企業が人的資本について情報開示する義務はあるのか

日本では2023年から一部大手企業を対象に、人的資本に関する情報の開示が義務化されました。多くの企業は今のところ義務化の対象外です。

ただし、東京証券取引所が公開している「コーポレート・ガバナンス・コード」の「原則3-1.情報開示の充実」において、人的資本や知的財産への投資などについて情報を開示・提供すべきであると記載されています。

さらに、内閣官房が公開している資料「人的資本可視化指針」においても、企業の人的資本の可視化は経営戦略を実現するために不可欠であると述べられています。

ステークホルダー間の相互理解を深め、企業の持続的な価値向上を推進するには、人的資本経営について情報開示するメリットは大きいと言えます。

参考:東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」
参考:非財務情報可視化研究会「人的資本可視化指針」

企業が人的資本経営に取り組む方法

人的資本経営は短期間で実現できるものではありません。先を見据えた長期的な取り組みが求められます。課題の特定から実施内容の考案、改善までを絶え間なく続けることが大前提です。これから人的資本経営に臨む企業は、以下の5つのステップを参考に、自社での取り組みを考えていきましょう。

取り組む方法とは

STEP1.経営戦略と人材戦略を紐づける

最初のステップとして、経営戦略と人材戦略の紐づけが必要です。経済産業省が実施した「人的資本経営に関する調査」によると、経営戦略と人材戦略の連動ができていないと認識している経営陣が多いことがわかっています。

この2つの戦略を連動させることは「重要な人材課題の特定」と「動的な人材ポートフォリオ」の進捗状況と相関関係にあるため、まずは両者を紐づけることが第一ステップとなります。

STEP2.重要な人材課題の特定

次に、自社の重要な人材課題を特定します。重要な人材課題とは、経営戦略を実現するための障壁となっている人材面における課題のことです。

例えば、デジタルスキルの習得スピードが遅い50代の社員と若手社員の間のコミュニケーション齟齬の発生や、サステナビリティに関するスキルの獲得に躊躇している社員の増加など、企業によって人材課題はさまざまです。

このステップの中心となるのは、CHROやCEOです。企業と投資家の対話の質を高める「価値協創ガイダンス」を活用しながら、経営陣と取締役とで議論を行います。

リソースには限界があるので、特定した課題には優先順位を付けることも大切です。その際、各課題の解決に要する時間も明確にしておきましょう。

参考:経済産業省「価値協創ガイダンス」

STEP3.KPIの設定

優先的に解決するべき自社固有の人材課題を決定したら、次に自社が理想とする姿を達成するためのKPI(重要業績評価指標)を設定します。その際、現在とのギャップを把握しておくことで、施策実施後の効果を定量的に計測することができます。

KPIは、女性管理職の割合をいつまでに何%にするなど、具体的な数値で設定しましょう。企業価値向上のストーリーに紐づいた、自社固有の内容であることも大切なポイントです。社会のトレンドや他社の動向の把握は、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。

STEP4.具体的施策の考案・実施

KPIを設定した後は、具体的な施策を考案・実施します。施策は、現在と理想の姿とのギャップを埋めるための具体的な内容であることが重要です。

経済産業省が公開している「実蹟事例集」には、さまざまな企業の具体的施策が掲載されているので、参考にするのもおすすめです。

例えば、KDDIは具体的な施策として、営業部門で約20年の業務経験がある人材を人事部門のトップとして採用しています。これにより、経営層や事業部門との定例会議で、経営戦略を踏まえた人事施策の実施を可能にしています。ほかにも、生産性の高い働き方を実現するためにピープルアナリティクス部門を設置し、働き方に関する各種データを全社員に公開する取り組みも行っています。

こうした施策の実施内容と収集したデータは、人的資本として開示することも忘れないようにしましょう。

参考:人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書 ~ 人材版伊藤レポート2.0~ (案) 令和4年3月 経済産業省

STEP5.効果検証と改善

人的資本経営実現のための施策を実施した後は、効果検証と改善のステップです。

効果検証は、人事データやKPIを中心に行います。エンゲージメントサーベイと呼ばれる調査ツールを活用すると定量的なデータを収集できます。エンゲージメントサーベイでは、従業員が会社に対して持つポジティブな感情を数値化して測定することが可能です。

人的資本経営の実現は、継続的な取り組みが前提とされています。定期的に施策内容を見直したり、必要であれば改善したりすることで、徐々にその効果が表れてきます。

人的資本経営の取り組み事例

日本ではすでにさまざまな企業が人的資本経営に取り組んでいます。具体的な施策を考えるうえでヒントを得られる事例を3つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

事例1.伊藤忠商事

伊藤忠商事では、人的資産経営として商品のプロやマーケティングのプロの育成に注力した人材戦略を展開しています。企業の価値向上を目的として、社員の労働生産性を向上するための施策を実施しているのが特徴です。

2013年度からは「朝型勤務制度」を導入しています。残業が多い夜型の企業体質からの脱却、朝の時間を活用した効率的かつ健康的な勤務が目的としています。20時以降の残業を原則禁止とするほか、5〜8時の早朝勤務を奨励しており、8時前に始業した社員には割増賃金を支給しています。

また、2017年度からは「脱・スーツデー」を導入しています。毎週水曜日と金曜日はカジュアルな服装での出社が認められており、柔軟な発想で仕事に取り組める環境づくりの一環です。スーツでの出社が大変な夏期は毎日を「脱・スーツデー」としています。

これらの施策は、「2030年問題」として懸念されている労働力不足や雇用の流動性の高まりにも対応するものとされ、社員が健康的に働きやすい環境を整備することで労働生産性を向上し、それを企業価値の向上につなげるとしています。

参考:伊藤忠商事「人的資産」

事例2.SOMPOホールディングス

SOMPOホールディングスは「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」というパーパスを実現するために、社員のやりがいや幸福度を高める働き方改革を行っています。

「ミッション・ドリブン」「プロフェッショナリズム」「ダイバーシティ&インクルージョン」と、3つのコアバリューを共有する人材集団の実現を目指し、グループ共通の人事施策を展開。例えば、一貫性のあるグループ研修体系の導入や健康経営の推進など、人材育成、ウェルビーイング向上、ダイバーシティ推進のため数々の施策を行っています。

取り組み状況を体系化・可視化し、成果や進捗を確認しながら改善を行う「生産性KPI体系」を構築しているのも特徴です。人的資本の向上が持続的な企業価値の向上につながるよう、モニタリングしながら施策を実施しています。

参考:SOMPOホールディングス「人的資本」
参考:SOMPOホールディングス「SOMPOのパーパス」

事例3.花王

花王は人的資本経営を「人財開発」と銘打って人財戦略を展開しています。「人の成長機会の提供」と「良い仕事環境の提供」の2つの柱を中心に、施策を進めているのが特徴です。

社員活力の最大化を目的として、「個の成長」「組織力の最大化」「成長する環境づくり」「仕事の能率化」の4つに重きを置いています。例えば、新人財活性化制度として2021年には「OKR」を導入しています。それに連動して、表彰制度もリニューアル。社員のさまざまな挑戦を共有・表彰することで積極的なチャレンジを推奨する風土を醸成しています。

自己啓発プログラムや自律的キャリア開発プログラムが充実しているのも花王の人的資本経営の特徴です。6000を超える自己啓発プログラムを自由に活用できるうえ、通学・通信・eラーニングと多様な受講形態が用意されています。

社員の自律的な学びや挑戦をサポートする環境づくりにより、自社の企業価値向上を目指している事例です。

参考:花王「人財開発」

【あわせて確認】

人材の育成・強化が企業としての競争力アップにつながる

今後企業が持続的に成長していくには、人材を大切にする人的資本経営が要となっていきます。変化の激しい現代で生き残るために、人材の能力や価値を最大限に発揮できる環境を作りましょう。また、人的資本経営に関する取り組みは社外に積極的に発信し、ステークホルダーに知ってもい理解を得ることも重要です。将来を見据えた人的資本における施策が企業の競争力アップにつながります。

【人的資本経営に関する取り組みの開示例】

参考1:SB C&S、「人材育成方針・社内環境整備方針」および人的資本情報を公開
参考2:株式会社divx、人的資本経営の資料を公開
参考3:人的資本の情報開示をユニークに 特設サイト「カオナビ ユニバース」を公開

人的資本経営に関するQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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