PR TIMESのプレスリリースの配信キーワードランキングでも第1位(※)となり、オフライン、オンラインともにイベントを開催する機会が増えてきた昨今。そんな中、初めてイベントを企画する方もいるのではないでしょうか。
本記事では、企画するうえでの3つのポイントと進め方、そして集客最大化のためのアイデア、開催事例を紹介します。
イベントを企画する3つのポイント
まずは、どんなイベントを開催するのか。集客が見込めるイベントを企画するうえで、どのような点を気をつけるとよいか、ポイントを見ていきましょう。
1.開催する目的を明確にする
イベントを開催する目的を明確にします。できる限りひとつにまとめ、多くても3つに留めます。目的を固めることで、企画の内容を決定していくうえで軸がぶれず、後述する目標・スケジュール・予算を決めるとき、開催後に振り返るときの指標になります。
イベントを開催する目的はさまざま。事業の目標に紐づいていることがほとんどですが、以下のような粒度で目的を設定します。
- 新規顧客群の属性調査
- 新規顧客の獲得
- 休眠顧客の掘り起こし
- 既存顧客のロイヤリティ向上
- 既存顧客の活用機会の拡大
また、社内の運営担当者間だけでなく、協力会社がある際は周知と認識のすり合わせをしておきましょう。
2.参加してほしい対象者を明確にする
次にイベントに参加してもらいたい対象者を明確にしましょう。「自社サービスの利用顧客」という大まかな設定ではなく、以下のようにセグメントをして決定していきます。
(利用頻度で検討する場合)
- 利用頻度が1ヵ月で〇回以上・〇回未満
- 利用回数が過去に〇回以上・〇回未満
- 最終利用が1ヵ月以内・1ヵ月より以前
- 一度の利用数が〇回以上・〇回未満
数字を決めていく際には、「目的達成から逆算する」「平均利用を確認する」「中央値を確認する」の3点を必ず実施します。
3.参加者のメリットを検討する
イベントに参加するメリット、何が得られるのかという点は集客にもっとも影響します。
「どのような知識が誰から得られるのか」「どのような人たちとどのくらい交流ができるのか」などイベントに参加するメリットを具体的に検討し、伝えることで対象者に対する強い動機づけにできます。
イベントを企画するときの3つの進め方
ポイントを押さえたところで、イベントを企画するときの進め方を3つに絞って見ていきましょう。
1.目標・スケジュール・予算を決める
目的に対して、どのラインを目標とするのか。イベントを開催するうえで目標設定は重要です。開催後に振り返って、成功したのか、課題が残ったのか見るため、また複数人での目線を合わせるためにも定量的な目標を置きます。
それに紐づいて、いつ開催すべきなのか、そのための準備の進め方はどうするのかを加味し、スケジュールを立てます。
予算の設定は大きく2パターンです。
- 目標達成したときの自社メリットを踏まえた設計をするパターン(予算を先に決める)
- 目標達成のために必要な予算を組むパターン
いずれも、よい点と注意しなければならない点があります。2の目標達成のために必要な予算をすべて準備すると上限なく増えてしまうので、無駄を省くチェックフローを設けるとよいでしょう。
2.目的に沿った企画をつくる
企画を始めると、「目的に沿った企画」という点がおろそかになるケースがあります。最初に目的や目標を設定し、大枠の企画が決まってきたところで、「その企画を実施する」ことが目的にすり替わっていた経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
例として、以下のような目的・目標にしたとします。
目的:自社サービスの利用頻度向上
目標:利用者の25%以上の参加、かつ参加者の50%以上を1ヵ月以内の利用頻度120%に向上
目的は「自社サービスの利用頻度向上」にもかかわらず、目標の一部である「利用者の25%以上の参加」にとらわれ、利用頻度向上に対する知見がない著名人をゲストにし、開催、集客のみに目が向いているような事象です。
3.適した集客方法を見つける
とは言え、イベントの開催にあたり集客は重要なポイントです。参加者の満足度や目的に対する成果が高かったとしても、参加者数(母数)が少ないと、その成果や影響は大きくありません。
そこで、いかに対象とする人たちに認知してもらい、興味関心につなげるかが重要。
1「目標・スケジュール・予算」に沿った、2「目的に沿った企画」ができたら、多くの人に届けるためのアピール方法を見つけましょう。
(生活者向け集客方法の例)
- LINE・Facebook:利用したことがある人(完全顕在層)
- Instagram:過去の利用有無にかかわらず、その地域でサービスを探している人(ほぼ顕在層)
- SNS/Web広告:行動に沿った広告出稿のため、比較的ニーズがある人(潜在層に近い顕在層)
- チラシ:来店の可能性が高い地域すべての人(顕在層に近い潜在層)
- 口コミ:その時に飲食店を探していなくても、いつか来店する可能性がある人(ほぼ潜在層)
- テレビCM、プレスリリース:SNS/Web広告と比較して制限をあまりしない、とにかく多くの人(完全潜在層)
プレスリリースは、広告を利用せず多くの人に情報を届けることができます。しかし、新規性、ニュース性がないと目に留まらないため、企画の段階からどう訴求するかも念頭に入れておきましょう。
BtoB向け、メディア向けの場合、プレスリリース、ニュースリリースの配信や広告出稿と併せて案内状も検討してみてください。
集客を最大化する10のアイデア
ここでは、集客を最大化する10のアイデアを紹介。実施する際に、漏れていることはないか、追加できることはないかチェックしてみてくださいね。
1.季節や時流に合ったものにする
その季節に合ったイベント、いま話題の時流に合ったテーマについてのイベントにも注目が集まるでしょう。ただし、あくまで本来の目的や対象者のニーズありきです。取ってつけたように、タイトルに季節性を入れるだけでは意味がありません。テーマに沿ったコンテンツを用意しましょう。
2.独自性のある要素を盛り込む
企画を一から考え、過去に行われていない新規性を求めるものではありません。自社が開催する意味や事業との親和性を踏まえ、独自性がある要素を盛り込みましょう。
3.ノベルティを作成する
オリジナル制作には時間がかかります。サービスロゴだけでなく、参加後の誘致を考えたQRコードの設置など事前に準備を進めましょう。
4.参加者限定の特典を用意する
参加することで得られる情報などはメリットのひとつ。わかりやすく当日参加者限定の特典を準備するなど、目的に沿った特典を検討してみてください。
5.オリジナルハッシュタグの設計・仕込みをする
SNS拡散のためのイベントオリジナルのハッシュタグを設定するのもひとつの手段です。当日だけでなく、開催前から集客に向けて実施してみましょう。企業名やサービス名、イベント名が入ったものが一般的ですが、既存のタグと重複しないように注意しつつ、オリジナリティのあるものを設計します。
6.複数名での参加の導線をつくる
複数名の参加によって目的が実現しやすくなるような、複数購入ができる場合、多くの試用調査が必要な場合、コミュニケーションを参加者同士で取る場合などは、1名の参加枠当選でペア招待にして、多くの方への参加を促すことが可能です。一方、狭い対象者に訴求したい場合は、友人・知人の紹介特典などを設け、周囲の近い属性の人たちと同伴したくなる特典を設けるとよいでしょう。いずれも5と連動することが可能です。
7.会場のアクセス、天候、開催時間に配慮する
アクセスのよい会場を選ぶのはもちろん、集客の際には乗り換え案内も併せて掲載し、参加者が一目で「行けそう」と思えるようにしましょう。また、駅直結であれば、天候が悪いときの大きなポイントになります。天候が不安定な時期は、できる限り地上からのアクセスをしなくて済むルートも併せて掲載してください。
開催時間については、参加してほしい対象者によって検討する必要があります。
例えば、以下の目的・目標・対象をした際に9:00~13:00、13:00~17:00、17:00~21:00、どの時間帯の参加希望が多くなるでしょうか。
目的:経費精算ツールの新規導入を増やす
目標:既存顧客を〇名以上、新規顧客を〇名以上、新規顧客の商談機会獲得〇%
対象:従業員規模100~1000名未満の経費精算ツールを検討・決済する経理担当者
ツールを検討・決済する経理担当者の中には、実務を行う人もいれば、マネジメントが中心の人もいます。時短勤務の人もいるでしょう。目的を加味した際、広い層にアプローチしなければならない場合、細かく分け複数回の開催を検討してもよいかもしれません。
8.オンラインで同時開催する
オンラインイベントは、今までアプローチできなかった地方や海外のユーザーとの接点が持てるといった利点があります。また、会場費やスタッフの人件費などを削減できるため、リアルでのイベントよりも低コストで開催することも可能です。目的に対して、オンラインと同時開催にするのか、会場参加のみの特別感を演出するのかは、目的と参加者属性をよく検討しましょう。
9.歩留まりを上げる・開催までの熱量を高める
お申し込み後の離脱を防ぐため、集客の際、リマインド連絡時にキャンセルポリシーを明記しておくことも大切です。イベントをキャンセルする方法を明記するのは気がひけるかもしれませんが、事前にキャンセル対応をすることで、余裕を持った追加募集ができます。また、開催日程が近づいたらリマインドの連絡をしましょう。その際にただの案内に留めず、イベント開催に対して期待を高めていけるように、登壇者への質問受付、過去の開催レポートなど、コンテンツや仕掛けがあるとよいでしょう。
10.メディアに取り上げられる企画にする・訴求をする
集客に有効なのがメディアに取り上げてもらうことです。もちろん、前述の集客方法の通り、自社からのSNS発信、広告も有効ですが、対象者が見ているメディアに取り上げてもらうことで、第三者からのおすすめという、さらにプラスの効果が期待できます。ニュースバリューを見いだし、プレスリリースを配信した対象者が見ているメディアにアプローチしましょう。
企業のイベント事例10選
2023年は、オンラインイベントだけでなく、オフラインイベントの開催が増えました。ここでは、2024年以降に発表された企業のイベント事例をピックアップ。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
事例1.株式会社YOUTRUST
YOUTRUST、2024年もキャリアのご縁をお届けするべく「ご縁応援!フレフレ2024」キャンペーンを開催
事例2.株式会社ネイキッド
国宝・彦根城をネイキッドの桜アートで彩る期間限定イベント開催決定
事例3.Figma Japan株式会社
Figma Japan、日本進出1周年記念イベントとして「デザイン経営2023」カンファレンスを開催
事例4.三井不動産株式会社
三井ショッピングパーク アーバンドック ららぽーと豊洲で JFA × 三井不動産 初の価値共創イベント「三井不動産フットボールスクエア」 を開催
事例5.株式会社ミナシア
酒蔵レストラン宝(有楽町) 蔵元を招いた酒の会「浦霞と蒼天伝の会2024」を2024年4月9日(火)に開催
事例6.東京スカイツリータウン
東京スカイツリータウン(R)のGWイベント
事例7.thatgamecompany, Inc.
今年も心温まる絆の祭典で愛と絆を深めよう期間限定イベント「愛しみの日々」 2024年2月12日(月)より開催
事例8.株式会社明光ネットワークジャパン
小学生によるSDGsの祭典 「キッズSDGs EXPO2024」~みんなにやさしく 地球にやさしく~ 2024年1月28日(日) Coconeriホール(東京都練馬区)で開催
事例9.株式会社朝日新聞社
淡路島で「エクストリームEXTRA」初開催 旅気分で長距離歩こう
事例10.シー・エフ・デー販売株式会社
無料でドローンの基礎知識が学べて体験飛行もできる「DJI NEW PILOT EXPERIENCE」を2024年4月7日長野市にて開催
自社の目的・参加者のニーズ双方を叶えるイベントを企画しよう
この記事では、イベントを企画するうえでの3つのポイントと進め方、そして集客最大化のためのアイデア、開催事例を紹介しました。
イベントを企画するポイントとして、企画の内容を決定していくときに軸をぶらさないための「開催する目的を明確にすること」が挙げられますが、これは開催後に振り返るときの指標にもなります。「参加してほしい対象者を明確にすること」「参加者のメリットを検討すること」を徹底することで、適正な集客方法を選ぶことができ、集客を最大化することにつながります。
また、集客を最大化するための項目は、実施する際に、漏れていたことはないか、追加できることはないか、必ずチェックしてみてください。よりよい企画にするために最低限見ておきたいポイントになっています。
ただし、もっとも重要なのは「自社の目的」「参加者のニーズ」が双方叶っているかです。この点は、企画する中で見失わずに進めていきましょう。
(追記:永井玲子)
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
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