「CSR(Corporate Social Responsibility)」は「企業の社会的責任」とも呼ばれ、ステークホルダーからの信頼を得たり事業を成長させたりするうえで重要な活動です。多くの企業が多様な分野でCSR活動を行っていますが、メディア関係者やステークホルダーへの認知度を高めるために、広報PRを検討している方もいるのではないでしょうか。
自社のCSR活動をプレスリリースで発信することで、認知度拡大・パフォーマンスアップといったメリットを得られます。本記事ではプレスリリースの配信によるメリットや記載項目、配信事例を紹介。プレスリリーステンプレートも掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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CSRとは?定義、活動の具体例、企業価値向上へのメリット・戦略的に推進する3つのポイントを紹介
ダウンロードファイルは、「解説付きWordのテンプレート」と「PR Editorのテンプレート」の2種類。活用方法については、「Wordファイルインポート機能とは?使い方とメリット・注意点」をご覧ください。
CSR活動のプレスリリースを配信するメリット
プレスリリースの配信によるメリットは、メディア関係者などへの認知度拡大効果のみではありません。大きく3つの項目に分けて、CSR活動におけるプレスリリースを配信する魅力を解説します。
メリット1.CSR活動や企業の認知度を高められる
プレスリリースを配信する目的・メリットのひとつが、認知度拡大効果です。自社のホームページで発信するだけでは届かない層にも、プレスリリースであれば目にする機会へつなげることができます。
CSR活動の認知度拡大はもちろん、企業そのものに注目してもらうきっかけにもなるでしょう。メディア関係者の目に留まれば、CSR活動の取材を受けたり、ニュースサイトなどで取り上げてもらったりといった結果も期待できます。
メリット2.企業のイメージアップ・信頼性向上につながる
CSRのプレスリリースの配信は、企業のイメージをよくするためにも有用です。活動の内容を発信することで企業イメージをアップし、信頼性を向上させるというメリットを実感できるでしょう。
ステークホルダーから信頼を得ることは、資金を調達したり、売り上げ・販路を拡大したりといった結果にもつながります。CSR活動の情報発信により、企業のイメージアップ・成長が期待できる点はプレスリリースを配信する大きなメリットです。
メリット3.従業員のパフォーマンス向上や人材獲得にもつながる
CSR活動のプレスリリースを配信することは、外部だけでなく社内へのメリットも得られます。CSR活動によって従業員のやる気を見いだすことができれば、パフォーマンスの向上が期待できるためです。パフォーマンスアップは、結果的に企業の成長・拡大へとつながっていくでしょう。
また、新卒や中途採用の際にCSR活動を確認するケースも増えています。最新記事はもちろん、過去のプレスリリースで複数の活動を把握してもらうことで、人材の獲得にも効果が期待できるでしょう。
CSR活動のプレスリリースに盛り込む5つの記載項目
実際にプレスリリースを制作する際、どのようにまとめるべきかわからないという方もいるでしょう。CSR活動で特に押さえておきたい項目を5つご紹介します。
項目1.CSRの活動内容
基本的な内容として重要なのが、CSR活動の概要です。どのような会社が、どのような事業に関連して、どのようなCSR活動を実施しているのかを詳しく書いていきます。
CSRはボランティアのような慈善活動とは異なり、企業価値の向上を目的とした活動です。事業内容との一貫性を意識しながらまとめるとよいでしょう。
項目2.CSR活動のきっかけ・目的や企業の想い
CSR活動の内容を記載したあとは、実施に至った背景や目的、企業としての想いなどを記載します。背景が明らかになると読み手は事業内容との関連性が理解しやすくなり、より明確な目標・ゴールを把握できるためです。
例えば、社会的な課題解決に向けたCSR活動であれば、その詳細に触れることで社会的意義をアピールできます。訴求ポイントが多い場合は「実施の背景」「〇〇の現状」といった見出しを設けてもよいでしょう。
項目3.CSR活動による実績
CSR活動を終えたあとにプレスリリースを配信する場合は、活動の実績はマストといえます。実施前のプレスリリースの配信の有無にかかわらず、今回のCSR活動によってどのような結果が出たのか明記しましょう。
例えば、自社製品を活用した環境保全活動を実施した場合は「どの程度環境保全に貢献できたのか」、支援金を募った場合は「期間中にいくら集まったのか」を明確にします。
活動内容によっては専門的な要素を含むケースもありますが、グラフや表などで可視化しながら理解度を高めることが大切です。
項目4.関連する製品・サービス情報
CSR活動には自社製品・サービスが深く関わっていることも多いため、これらの関連情報もしっかり記載します。活動内容、背景・目的、実績から自然な流れになるよう、製品・サービス情報の見出しを設けましょう。
読み手が関連情報を獲得できるだけでなく、CSR活動のプレスリリースをきっかけに事業内容や製品・サービスについて知ってもらうという企業側のメリットにもつながります。
項目5.関係者情報や担当者のコメント
CSR活動の関係者情報があると、取り組みや実績についてよりミニマムな視点で読むことができます。例えば、地域のイベントに登壇者を招いた場合は、その人のプロフィールや顔写真を掲載するのがおすすめです。
また、企画担当者や製品開発者など、自社の担当者のコメントを記載してもよいでしょう。企業としての実施背景だけでなく、個人単位でのこだわりやCSR活動にかける想いを発信することで、具体像をアピールできます。
CSR活動のプレスリリースを書く際の3つのポイント
CSRのプレスリリースでは、わかりやすさやデータの信憑性などに注意することが大切です。特に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
ポイント1.タイトルから記事本文まで全体をわかりやすく書く
自社のCSR活動を発信するうえで、わかりやすさは非常に重要です。実施する企業情報や活動内容が伝わらないプレスリリースではメリットも得にくいため、「5W2H」のフレームワークを意識しながら書くとよいでしょう。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- How much(いくら)
また、複数の実績を記載する場合は箇条書きにしたり、表やグラフを用いたりすることでわかりやすさを高められます。
ポイント2.客観的なデータを掲載する
CSRの活動報告で重要なのは、誤解を与えない明確な実績を提示することです。あいまいな内容は避け、客観的なデータを掲載しましょう。
継続中のCSR活動を報告する場合は「〇年〇月〇日時点」といった情報があると安心です。数値的なデータのほか、関連会社やステークホルダーの意見・コメントを紹介するのも有用といえます。
ポイント3.CSR活動の内容にストーリー性を持たせる
CSR活動のきっかけや企業の想いなどを伝えるために、ストーリー性を意識してみましょう。活動の詳細も大切ですが、読み手に訴えかけるようなストーリーがあると独自性・ニュース性もアピールしやすくなります。
関係者コメントやプロフィール写真はもちろん、活動の様子がわかる写真を掲載するのも一案です。文字のみで読み取るよりもイメージしやすいビジュアルを強化することで、CSR活動の全体像を訴求できます。
CSR活動のプレスリリース事例15選
CSRのプレスリリースの配信によって多くのメリットを得られますが、どのように書けばよいかわからないという方もいるでしょう。ここからは、15のプレスリリース事例と参考になるポイントを解説します。
事例1.パナソニックグループ:実施前の活動情報を画像付きで発信
- 活動目的や実施場所がわかるタイトル
- CSR活動に関わるブランドスローガンを記載
- 展示内容がイメージできる画像を掲載
参考:「空気や自然の大切さ」を考える「キッズ エアラボ」をパナソニックセンター東京に常設展示
事例2.株式会社ゲオホールディングス:環境保全に向けた活動の未来像
- 「2050年までに」と明確な目標を記載
- 自社の事業内容と活動の関連性を「導入の経緯」で紹介
- エリアごとのCO2排出量削減がわかる表を掲載
参考:ゲオグループ 太陽光発電によるオフサイトPPA電力を197店舗へ導入 2050年までに「CO2排出実質ゼロ社会」を目指した取り組みを加速
事例3.株式会社学研ホールディングス:難民支援の活動実績がわかるビジュアル
- 協賛企業や支援実績をリード文で明記
- ワークショップの様子を複数の写真で紹介
参考:学研グループ/大切な思い出を形に。ナカバヤシからウクライナ難民へフォトアルバムなどを提供
事例4.三井不動産株式会社:CSR活動の達成状況をタイトルで訴求
- 「累計1兆円超え」と達成状況がひと目でわかるタイトル
- 調達額の内訳と詳細金額を明記したグラフ付き画像を掲載
- 全体を通して5W2Hを網羅したプレスリリース内容
参考:サステナビリティ・リンク・ファイナンスフレームワークを策定 ~業界初、サステナブルファイナンス累計1兆円超え~
事例5.三浦工業株式会社:CSRに紐づくシステム開発について発表
- タイトルに企業名・システムの特長・受注開始時期を明記
- 「開発の背景」「特長」を見出しに分けて解説
- 機器の写真を用いた画像でイメージフローを紹介
参考:【三浦工業株式会社】低炭素な「ボイラ水処理システム」を2024年8月より受注開始 ~ブロー熱損失を80%削減~
事例6.ウエルシア薬局株式会社:具体例を用いたCSR活動報告
- 「杉の木1,989本が1年間に吸収するCO2の量」と想像しやすい具体的な報告
- 取り組み店舗数など客観的データを明記
- CSR活動の様子がわかる写真を掲載
参考:リサイクル活動「ボトルtoボトル」 お客さまのご協力により、1,752,273本(38,550㎏)のペットボトルを回収しました
事例7.株式会社フジテックス:CSR関連のユニフォームを着用した写真を掲載
- 「製品開発の背景」でCSR活動の目的を訴求
- 関連するプロジェクト情報もわかる概要とイラスト
- 従業員のモチベーションアップにもつながるオリジナルユニフォームを紹介
参考:株式会社フジテックス|制服リサイクルで資源循環。高機能&オーダーメイド『オリジナル企業ユニフォーム』を販売開始
事例8.株式会社ヤマダホールディングス:画像を豊富に活用してビジュアル面で訴求
- 客観的データをもとに、商品を認定した理由を解説
- 各商品のパッケージや特徴がわかる画像を掲載
- CSR活動に込めた企業の想いが伝わるイラスト
参考:創業50周年記念モデルパナソニック製「eneloopライト充電器セット」「LED電球」を『YAMADA GREEN』に認定
事例9.合同会社ユー・エス・ジェイ:記念日シーズンに合わせたCSR活動
- 「母の日」「父の日」に感謝や愛を伝えるアミューズメントパークならではの活動
- イベント初日に訪れた人のコメントを複数ピックアップ
- プロジェクト責任者のコメントを掲載し、パーソナルな想いを発信
参考:いつもありがとう。今思った人は、誰ですか?“感謝”と“愛”であふれるスペシャルな記念月間『THANKS LOVE MONTH 2024』 本日スタート!
事例10.株式会社ブレンボ・ジャパン:継続的なCSRの活動実績を公表
- 「環境・社会・ガバナンス」の活動領域を冒頭で明記
- マークや数字を使って、達成率が視覚的にわかりやすいアイキャッチ
- 最高CSR責任者のコメントを紹介
参考:ブレンボで続く持続可能な開発:再生可能エネルギー使用率75%を達成し、CO2排出量を削減
事例11.株式会社ウィル:補助犬の支援活動で募金状況を発信
- 寄付の条件と目的がわかる簡潔なタイトル
- 不動産事業におけるCSR活動との関連性を明記
- ストーリー性を持たせた課題・背景・担当者コメント
事例12.ミナトホールディングス株式会社:出資会社のアプリを使った取り組みに協賛
- 自社のグループ企業が出資する企業の関連団体の関係性を明記
- 社会的意義が伝わるプレスリリース内容
参考:ミナトホールディングス 港区の高齢者専用アプリを活用した介護予防事業に協賛
事例13.株式会社ジーン:自社・提携企業両社のコメントを掲載
- CSR活動であること、実施企業がわかるタイトル
- 業務提携を行った2社の情報を把握しやすいロゴ付き画像
- 両社代表のコメントを見出しに分けて紹介
参考:【株式会社ジーン】CSR活動の一環として「湘南地域の課題解決に向けた取り組み」を開始します
事例14.キヤノン株式会社:CSRの活動報告公開をプレスリリースでも発信
- ステークホルダーに向けたプレスリリースの配信目的を明記
- 統合報告書・サステナビリティレポートそれぞれの掲載概要を紹介
参考:「統合報告書2024」「サステナビリティレポート2024」を発行
事例15.TANAKAホールディングス株式会社:活動への参画とグループの課題を訴求
- グループ会社としての目標をタイトル直下で明記
- 企業の考えに基づき、参画に至った理由を紹介
- CSR活動を進めるうえでの目標や未来像を訴求
参考:田中貴金属グループ、経済産業省主催の「GXリーグ」に参画
CSRのプレスリリース作成の基礎知識
プレスリリース作成で大切なことは、行動した人の想いを込めることです。しかし、見せ方にも工夫は必要です。どのようなプレスリリースにもあてはまる、プレスリリース作成の基礎知識は以下の通りです。
POINT解説付き!テンプレートダウンロードはこちら
テンプレートを使ったインポート機能の詳細は、以下の記事をご覧ください。
CSRのプレスリリースを配信することで企業の価値・イメージを高めよう
プレスリリースでCSR活動の状況・実績を発信するためには、自社情報だけでなく活動背景や客観的なデータを記載することが大切です。理解度を高める5W2H、ストーリー性などを意識しながら、ステークホルダーからの注目を集めるプレスリリースを作っていきましょう。
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