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目を引くプレスリリースのタイトルを作成する7つのポイントと注意点

多くの企業・団体が日々プレスリリースを配信し、SNS上でプレスリリースの情報をシェアすることも一般的になりつつある昨今。生活者やメディア関係者はもちろん、より多くの人にプレスリリースを届けるために特に意識したいのがタイトルです。「プレスリリースはタイトルに魂を込める」と明言する先輩広報担当者もいるほど。

本記事では、プレスリリースのタイトルが重要な理由、プレスリリースのタイトル作成のコツや注意点、プレスリリースのサブタイトルの書き方などをお伝えします。

プレスリリースのタイトルが重要な理由

 今やプレスリリースはメディア関係者だけでなく、生活者のもとへさまざまな経路で届けられます。

メディア関係者であればメールやFAXなどで直接企業・団体から送付されたり、生活者であればSNSのタイムラインやプレスリリース配信サービスのサイト上で話題のものや気になるものを検索したりするなどで情報を得られます。

数あるプレスリリースの中から、メディア関係者や生活者に選んでもらうために重要となるのは「タイトル」です。プレスリリースのタイトルによって、興味・関心を促すことができれば、最後まで目を通してもらいやすくなります。

プレスリリースでは、読み手に必要な情報だと認識できるタイトルを付けることが重要なのです。読み手に伝わりやすいタイトルであること、「誰が」「何を」「どうしたか」など必要な情報を盛り込むことなどを意識し作成しましょう。

目を引くプレスリリースのタイトルを作成する7つのポイント

どうすれば読み手に届くプレスリリースのタイトルになるのでしょうか。押さえておきたい7つのポイントをご紹介します。

ポイント1.1行あたり25~30文字未満を目安に設定

プレスリリースのタイトルの文字数は1行あたり25~30文字未満を目安にしましょう。

プレスリリースのタイトルがメールの件名として表示されることや、SNSのOGP(Open Graph protocol)として表示されることを思い浮かべてみてください。文字数が多すぎるとタイトルの表示が途中で切れてしまい、必要な情報を届けられないことも。必要な情報を盛り込んだうえで、30文字以内に設定するようにしましょう。

また、Google検索結果に表示される、タイトルの文字数はパソコンでは28〜35文字程度、スマートフォンでは36~41文字程度となっています。表示されるタイトルによって、CTR(クリック率)に影響がでます。できるだけ30文字程度で、内容をわかりやすく伝えるようにしましょう。

30字内でまとめられているタイトル事例3選

参考までに、30字内でまとめているタイトルの事例をご紹介します。どんなプレスリリースなのかがわかりやすいタイトルのつけ方です。

タイトル事例1.大創産業、3月15日から「ディズニー100」シリーズを発売

ディズニー創立100周年を祝した記念アイテムの発売に関するプレスリリースです。タイトルに企業名、いつから何を発売するのかを明確に記載したうえ、30文字以内に簡潔にまとめられています。サブタイトルにシリーズがどこで展開されるかも記載されており、読み手に情報が届きやすい事例です。

参考:株式会社大創産業

タイトル事例2.FMヨコハマ、箱根町と包括連携協定を締結

2025年に開局40周年を迎えるFMヨコハマ(84.7MHz)。神奈川県に寄り添うラジオステーションとして県内の各地域との関わりをより強固にする試みを始めました。プレスリリースは、その第一弾として箱根町と包括連携協定を締結したものです。タイトルは、無駄な情報がなく、どこがどこと何をするか簡潔にわかりやすくまとめられています。

参考:FMヨコハマ

タイトル事例3.ユーグレナ社は立候補休暇制度を新設します

株式会社ユーグレナは、人事制度の新設と改定を実施することをプレスリリースで発表しました。タイトルは、20文字。何を一番に伝えたいかを明確に題したうえ、サブタイトルでどのような目的があるかの補足を記載しています。タイトルとサブタイトルの使い方も参考になる事例です。

参考:株式会社ユーグレナ

文字数が多くなってしまう場合は、サブタイトルも活用してみる

リリースする商品や作品、サービスが複数あるケースやそもそも商品名の文字数が多いケースもあるかと思います。PR TIMESの入稿画面では、タイトル、サブタイトルともに最大文字数を超えて入力した場合は、次に進むことができません。タイトルが100字を超えてしまう場合は、サブタイトルを活用するなど工夫をしてみましょう。

PR TIMESでは、サブタイトルは必須項目ではありませんが、場合によってサブタイトルを活用してみることを提案しています。

以下の記事では、「タイトル」「サブタイトル」の役割の違いや効果的な使い方をしている事例を紹介しています。

ポイント2.5W2H(+展望)から伝える内容を絞り込む

情報を盛り込みすぎず、抽象的な言葉は控え。限られた文字数タイトルを作成します。的確に情報を届けるためには、伝えたい内容を5W2H(+展望)から絞り込みましょう。

まずは伝えたい内容の5W2Hに加え、企業の展望を整理します。

例)食材ECサービスの新機能のプレスリリース

  • who(だれが):食材ECサービス「◯×」
  • what(なにを):「即配送機能」を提供開始
  • when(いつ):2020年11月〜
  • where(どこで):東京都
  • why(なぜ):飲食店の忘年会シーズンの突然の予約、食料廃棄の問題
  • how(どのように):独自の物流網で購入後3時間以内に商品を届けることが可能
  • how much(いくらで):1注文あたり◯%の手数料

情報の肝になる部分と、補足情報の部分が見えてくるはずです。その中でもっとも伝えたいことやニュースバリューの高いものを見極め、1行あたり25~30文字に収めるタイトルを作成してみましょう。

例) 3時間以内にお届け。食材ECの◯×、都内で「即配送」を提供開始
  〜忘年会シーズンを前に2020年11月から提供〜

例では、ニュースを的確に伝えるために「who」「what」「where」は必須と判断。ニュースバリューを加えるために「how」も一部盛り込みました。期間については、重要ですがタイトルに収まらないため、サブタイトルで補いました。

ポイント3.第三者目線でニュースバリューを確認

プレスリリースを配信するのであれば、メディアに取り上げてもらいたいものですが、自社の伝えたい内容を一方的に伝えては、注目されないことも。メディア掲載は、その内容が掲載に値する価値があるか、つまり「ニュースバリュー」があるか否かでで決まります。平たく言うと、その内容について世の中の人が関心を持つポイントがあるかないか、です。

ニュースバリューは、以下のような要素で評価されます。タイトルを作成する際は、第三者視点で「このタイトルをひと目見て、ニュースバリューを感じるか」を確認してみましょう。すべての要素を満たす必要性はありませんが、最低2、3つ以上あるように心がけましょう。

  • 時事性:  
    世の中のトレンド、時流、世相、季節と関連しているか(ex. いい夫婦の日、ハロウィンシーズン)
  • 新規性:  
    まだ一般的に知られていない新しい情報か(ex.新機能リリース、イベント開催)
  • 独自性:  
    他にない独自の取り組みか(ex.◯◯初、日本最大級、国内唯一)
  • 社会性:  
    社会問題や注目テーマと関連があるか、社会や公共に役立つか(ex.インバウンド、AI、不妊治療)
  • 意外性:  
    逆説、矛盾、ギャップなどあっと驚く要素はあるか(ex.渡さない名刺交換、洗わないシャンプー)
  • 影響性:  
    多くの人が名前を知っていたり、関心を持つテーマがあるか(ex.大企業や注目企業のニュース、エンタメ)
  • 人間性:  
    感情を動かすような人間味やストーリーがあるか(ex. 起業ストーリーなどのインタビュー記事)
  • 地域性:  
    地域の人が愛着を感じ、盛り上がるような要素があるか(ex. 隅田川で◯◯を開催)

ポイント4.読み手が興味を抱くキーワードを前方に

プレスリリースはFAXやSNSなどさまざまな形で届けられますが、もっとも多い手段のとしてメールやプレスリリース配信サイト経由で届けることです。

タイトルが長く重要な部分が見切れてしまったり、文頭で読み手の興味喚起ができないと、そのプレスリリースを目に留めてもらうことができません。より多くの方にプレスリリースを届けるためにも、ニュースバリューを示すキーワードを前方に配置しましょう。

NG例) 食材ECの◯×が購入から都内で新サービスを提供開始。3時間以内に配達する「即配送」機能
OK例) 3時間以内にお届け。食材ECの◯×、都内で「即配送」を提供開始

ポイント5.言い換え・体言止め・句読点で文章を簡潔に

タイトル案ができたら、より端的に伝えられないかを検討してみましょう。同じ内容を別の形や単語で「言い換え」を考えてみる、「体言止め」や「句読点」などを用いて文章にメリハリをつけるなど、より簡潔にできないか確認してみましょう。

NG例)食材ECの◯×が購入から3時間以内に配達する「即配送」を都内で提供開始
内容は理解はできるものの、読みにくく、冗長的な印象を受けます。

OK例)3時間以内にお届け。食材ECの◯×、都内で「即配送」を提供開始
「購入から3時間以内に配達する」は「3時間以内にお届け」という文章に言い換えても意味は伝わります。「食材ECの◯×が」という文章も、「食材ECの◯×、」と句読点に変えるだけで、文章が読みやすくなります。

ポイント6.数字や固有名詞で具体的に

読み手がプレスリリースの概要を把握できるように、タイトルは具体的な内容を盛り込みます。より具体的に伝えるためには、数字や固有名詞を使うとよいでしょう。

NG例)瞬時にお届け!食材ECの◯×、「即配送」を提供開始
「瞬時」という言葉が抽象的です。また「どんな地域にも瞬時で届けるの?本当かな?」と、取組内容に疑問を抱かれてしまいます。

OK例)3時間以内にお届け。食材ECの◯×、都内で「即配送」を提供開始
「瞬時」を具体的に「3時間」とし、「都内」という言葉を使うことで、より解像度高く内容を伝えることができました。

ポイント7.読み手に疑問を抱かせない言葉選び

読み手が疑問を抱かない言葉を使いましょう。

NG例)爆速でお届け。◯×、都内で「即配送」を提供開始
このプレスリリースのタイトルは、シンプルに見えますが、読み手に「爆速ってどのくらい?」「◯×ってどんなサービス・会社?」と考えさせてしまいます。

OK例)3時間以内にお届け。食材ECの◯×、都内で「即配送」を提供開始
爆速を数字で示し、サービスを紹介する「食材EC」を加えることで、読み手が疑問を抱くポイントをなくします。

タイトルを短くしようとするあまり、かえって意味が伝わりにくくなることもあります。タイトル案ができたら第三者のフレッシュな目で「伝わっているか」をチェックしてもらいましょう。疑問を抱いていたり、意図した内容が伝わっていないようであれば、改めて2〜6のポイントを参考にして作成してみてください。

プレスリリースのタイトル作成で気をつけたい3つの注意点

プレスリリースのタイトル作成において、3つ注意したほうがよいことがあります。

注意点は下記の通りです。

  1. 形容詞は避ける
  2. 「!」や「!?」を多用しない
  3. 誇張表現を使用しない

それぞれを詳しくお伝えします。

プレスリリース

注意点1.形容詞は避ける

「簡単に」「すぐに」「多くの」などの抽象的な形容詞を使わないよう心がけましょう。物事の性質や状態を表す形容詞は、どうしても「読み手の解釈」に左右されてしまいます。ある物事が書き手にとっては「大きい」ものであっても、読み手にとっては「小さい」ものであれば、プレスリリースで伝えようとした事実と理解との間に乖離が生まれてしまう恐れがあります。

タイトルに限らず、事実を適切に伝えられない可能性のある形容詞は、極力使用を避けましょう。同じ内容を伝えるときも「ワンクリックで」「30分後に」「10,000人の」など、具体的に数字を交えて伝えるほうが正確な発信になります。

NG例)
爆速で食材をお届け!飲食店向け食材ECサイト◯×、「即配送プラン」を提供開始

OK例)
購入後3時間以内にお届け!飲食店向け食材ECサイト◯×、「即配送プラン」を提供開始

注意点2.「!」や「?」を多用しない

「!(感嘆符)」は、言葉を強調したり、驚きを表すため、「?(疑問符)」は、疑問を表すため、文末に使われます。多用してしまうと本当に強調したい部分がかすんでしまいます。

プレスリリースは、事実を的確に伝えることが最大の目的であることを改めて意識し、タイトルでの約物の利用は必要最低限に留めましょう。

NG例)
「日本一高い!?500mのビル!2050年から東京・丸の内にオープン!!!」
500mの商業ビルは日本一高いことが事実であるのにもかかわらず、「!」「?」の多用で信ぴょう性が低く見えてしまいます。

OK例)
「日本一高い500mのビル、2050年に東京・丸の内にオープン」

注意点3.誇張表現を使用しない

「日本最大」「世界一」「史上初めて」など、誇張表現は確証がなく使用するのは避けましょう。こうした言葉を用いる場合は、本文内で根拠を示す必要があります。メディアがニュースとして取り上げる場合にも、常に根拠となる情報の有無はチェックされています。

注意点1でもお伝えしたように、「数字」など具体性を意識し、事実に基づいた発信を常に意識しましょう。広報部内に情報がない場合は、社内の他部署で確認したり、官公庁などの信ぴょう性の高い機関のデータを探したり、調査会社に依頼して独自の調査結果を出すこともひとつの手です。もし根拠となる情報が見つからない場合は、「使用しない」ようにしましょう。

NG例)「日本一美味しいおにぎりのお店「おにぎり◯△」が東京駅にオープン」
美味しいと感じる基準は個人によって異なるため、例え何かしらの根拠ががあっても誇張と捉えられる場合があります。

OK例)「日本一高い500mのビル、2050年に東京・丸の内にオープン」
現時点で日本一高いビルは、390メートルの「TOKYO TORCH(2027年度開業予定)」のため、「日本一高い500mのビル」は事実であり、誇張表現にはなりません。

プレスリリースのサブタイトルは何を書く?3つの活用方法

プレスリリースには、タイトルに加えてサブタイトルを添えられます。タイトルだけで伝えたいことが的確に伝えられている場合は、無理に付ける必要はありません。

サブタイトルは読み手がプレスリリースの概要を把握できるように、基本情報の補強として活用します。ここでは、サブタイトルの3つの活用方法をお伝えします。

プレスリリースとは何?

活用方法1.背景やねらいを記載し、「なぜ」に答える

何か新たな取組を開始した場合をはじめ、多くのプレスリリースのタイトルでは「誰が」「何を」「どうしたか」で構成され、「なぜ」を説明する文字数的余裕がありません。

一方で、タイトルを目にした読み手は「なぜこの取組が開始されたのか」も気になるもの。そこでサブタイトルに背景や狙いを記載し、読み手の「なぜ」に答えます。

例)フードデリバリー「◯×eat」、対応エリアを首都圏から全国画拡大
  〜コロナ禍によるおうちご飯の増加に応えて〜

活用方法2.特徴や事例を記載し、基本情報を補強する

タイトルには収まらなかった基本情報は、サブタイトルを使って補足できます。サービスの特徴や導入事例などをサブタイトルで記載することで、読み手が内容をより具体的に理解できます。

例)フードデリバリー「◯×eat」、参画店舗が1,000を突破
  〜新規参画店舗には「◯◯コーヒー」や「××ダイニング」も〜

活用方法3.同時に取り上げてほしい情報を追記する

例えば、フードデリバリーサービスが、対応エリアを首都圏から全国へ拡大し、その記念として、全国的に使える1,000円クーポンを配布する販促キャンペーンを行うとします。対応エリア拡大より、キャンペーン情報をについて生活者に知ってもらえたほうが、売り上げに直結するかもしれません。しかし販促情報を全面に押し出すと、ニュースバリューがないと判断されてしまうことが多いです。

そこで活用したいのがサブタイトル。メインのタイトルはニュースバリューのある取り組みについて留め、サブタイトルで販促情報を伝えることができます。

例)フードデリバリー「◯×eat」、対応エリアを首都圏から全国画拡大
  〜拡大を記念して次回使える1,000円クーポンを期間限定で配布〜

プレスリリースを作成するときにはタイトルのつけ方を工夫しよう

発表するからには多くの人に届けたいプレスリリース。そのためにはタイトルの試行錯誤が大切です。

プレスリリースのタイトルを作成する際には、タイトルを見ただけでどのような内容や結論なのかが伝えられるよう工夫して言葉を選びましょう。事実を曲げずに魅力を伝える要素を押さえ、メディア関係者や生活者にきちんと読んでもらえるプレスリリースを作成してください。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

目を引くプレスリリースのタイトル作成に関するQ&A

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この記事のライター

山口 ルイ

山口 ルイ

広報PRをフル活用する、新規事業のマーケター。SaaS事業を経て、現在はヘルステックを担当しています。素敵なサービス・プロダクトを多くの人に知ってもらう「きっかけづくり」ができる広報PRの仕事が好き。戦略策定から企画運営を経験し、小さな事業のための広報PR活用術を蓄積中。脱陸サーファーを目指して、湘南で暮らしています。梅干しが好きです。

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