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広報担当者になったらどんな経験が積めるの?先輩広報担当者たちのキャリアパス事例

企業・団体が情報を発信する機会が増えた今、広報PRという仕事の重要性も広く知られるようになってきました。

本記事では、広報PR担当者はどのようなキャリアパスが描けるのかをご紹介します。広報PRに興味がある方、広報PR担当者として今後どのようにキャリアアップできるか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

【準備】まずは広報担当者の仕事を知ることから

異動・転職などを機に、他職種から未経験で広報PR担当者に着任する人も少なくありません。そのため、現在は広報PRとは関連の低い仕事をしている人でも、広報PRに挑戦できるチャンスは十分にあるといえます。

他職種から広報PR担当者を目指す場合は、まずは広報PRの概念や仕事内容について知ることから始めましょう。そして、今の自分のキャリアや業務内容を棚卸ししてみます。「調整力」「編集力」「実行力」「企画立案力」など、他職種でも広報PRと通じるスキルを培うことは可能。「広報に向いている人の7つの特徴とは?」も参考に、広報PRとの共通点を意識しながら日頃の業務に臨んでみてください。

広報PRに関する理解を十分に深めたうえで、担当者として挑戦してみたいという強い熱意が確かめられたら、広報PRの業務に活かせる自分の能力やスキルをアピールして、異動の希望を出してみましょう。人員の都合などで自社ではなかなか難しいという場合は、転職という選択肢もあります。

未経験から広報になる方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

パイン株式会社 開発部広報室 井守真紀さんの場合

入社したときは、受発注や請求書の発送など顧客対応を含む事務の仕事をしていたという井守さん。企業公式Twitterの開始を提案したところ、Twitterの運用を任されるようになり、広報PR部門の立ち上げを経て広報PR担当者を兼任するようになりました。

インタビュー記事より抜粋)

【広報PR初級者】広報担当者の基本業務を理解する

実際に広報PR担当者として着任することができたら、まずは広報PRの基本業務を理解しましょう。プレスリリース作成やSNSの運用、メディア関係者とのリレーション構築など、実務経験を積むなかで能力が培われます。並行して、広報PRに関する書籍などを通じて実務だけでは得られない知識を得るのも重要です。

あわせて読みたい▼
広報PRを学ぼう!おすすめの本13選【初級~中級編】

広報PRの業務内容

ここではコーポレート広報、サービス広報、社内広報の3つに分けて、主な業務内容をご紹介します。

詳細はこちらの記事でも紹介しています。

1.コーポレート広報

コーポレート広報は、企業・団体の経営方針や人事制度、CSRの取り組みなど、組織全体にかかわる情報を扱います。「IR(Investor Relations)」と呼ばれる株主や投資家に向けた企業・団体活動の報告もコーポレート広報の業務となることがあります。

また、個人情報の漏洩や、商品・サービスの欠陥といった不祥事を起こしてしまった際の対応を行うクライシスマネジメントや、そういった事態の予防策を定めるリスクマネジメントなど、「危機管理広報」もコーポレート広報が担当することが多いです。

原因や背景を包み隠さず情報開示し、ステークホルダーへの真摯な対応、再発防止策の告知をスムーズに行う必要があり、難度の高い業務といえます。

2.サービス広報

サービス広報では、自社が取り扱う商品やサービスに関する情報発信・情報収集を担います。

開発部門やマーケティング部門と連携し、商品・サービスのアピールポイントや社会への影響を発信します。従来はプレスリリースや記者発表会などを通じてメディア関係者へアプローチすることが主でしたが、現在はSNSやオウンドメディアを通じて直接生活者へ発信することも多くあります。企業・団体によっては、マーケティング担当者がサービス広報の役割を兼務しているケースや、その逆のパターンもしばしば見られます。

3.社内広報

社内広報とは、自社の社員に対して広報PR活動を行うことを指します。働き方の多様化が進む現在、社員のエンゲージメントを高く保つことは非常に難しくなってきています。企業が成長し続けるためには、社員が自社の文化や価値観に共感し、所属意識を強めていけるよう情報発信を行っていく必要があるのです。

社内広報は、経営陣や人事・労務部門と協力し、自社に合った方法で社内コミュニケーションを創出していくものです。社員一人ひとりと向き合う姿勢や、自社の文化や価値観への深い理解、そして働き方やキャリアについての知識が要求される仕事です。

【広報PR中級者】広報PR活動を俯瞰し、質と量の向上を図る

広報PR担当者の業務を一通りこなせるようになったら、一歩引いた目線で客観的に施策を評価できるようになりましょう。自社の課題から逆算して他部署と協力した大規模な企画を提案してみたり、他社の広報PR担当者が主催する勉強会・交流会などに参加して知見を広げたりするのも重要です。

広報PR中級者ともなれば、取材や問い合わせ対応などに、受け身の姿勢ではなく積極的に動きたいところです。

広報PR活動

広報PRの手段を増やす

プレスリリースの配信やSNSでの発信など基本的な業務に慣れてきたら、他部署との協力が必要な企画の立案・実行にも挑戦してみましょう。もちろん、施策はあくまでも「手段」に過ぎないため、現状の課題や問題点を解決するという「目的」ありきで考えることが前提です。他社の事例などの情報を収集し、提案できる施策の幅を広げてみてください。

一例として、

  • 一般公募でのコンクールの開催
  • 大会などへスポンサーシップの実施
  • 異業種の他企業・団体とコラボ

などが挙げられます。

効果測定の基準を再検討する

これまで行っていた効果測定の方法について、振り返りの機会を持つことをおすすめします。広報PR活動の効果測定の指標として知られる「クリッピング」以外にも、「メディア・オーディット」(メディア関係者へのヒアリング)や「論調分析」など、さまざまな測定方法があります。自社でまだ試していない手法があれば、ぜひ一度検討してみてください。

広報PR活動における効果測定の指標については、下記の記事でも解説しています。

広報担当者同士で情報交換をする

同業界・他業界問わず、他社の広報PR担当者とつながりを持つことは業務によい影響をもたらします。アイデアなどのインプットの場になるとともに、あらためて自社の強みや特異な点などに気づく契機になります。ぜひ、広報PR担当者の勉強会やコミュニティに参加してみてください。SNS上でつながって情報交換するのも有意義です。

【広報PR上級者】広報チームをマネジメントし、戦略的な広報PR活動を行う

広報PR担当者として経験を積みナレッジが蓄積されてきたら、チームづくりに挑戦しましょう。一人ひとりの個性を理解し強みを生かす、マネジメントの視点が重要となります。また、広報PRチームを統括する立場として、経営陣とも目線を合わせて戦略づくりから取り組めるとよいでしょう。

広報PR活動チーム

経営戦略とすり合わせ、広報戦略を立てる

広報PR部門を統括する立場になったら、戦略的に広報PR活動を行っていくための計画を立てましょう。広報PRの仕事は、「企業・団体の情報参謀」と表現されることもあるほど経営と密接にかかわっています。そのため、広報PR活動の戦略は、経営者の目線で経営戦略に紐づけて考える必要があります。

まずは事業部のリーダーや経営陣と綿密に連携し、自社の見据えるビジョンと現状の課題を分析します。広報PR担当者として、コミュニケーションで改善できる領域を見定め、ビジョン達成に必要な目標と施策に落とし込んでいきましょう。

広報PR戦略については、下記の記事でも詳しく解説しています。

広報PRチームを立ち上げ、マネジメントする

1~2名の少人数体制で広報PRを担っている企業・団体も少なくありませんが、戦略的な広報PR活動を実施するためには組織化したほうが業務を円滑に進められます。組織化することで、分野ごとに適性のある担当者を設定でき、少人数では手が回らなかった活動を新たに始められるようになったり、成果をさらに向上させられたりする効果が期待できます。後述するように、後手に回りがちな危機管理広報にしっかりと取り組むリソースも生まれるのです。

また、チームを牽引するリーダーとして、メンバーの育成や教育にもコミットしましょう。自分の業務で手一杯になりがちですが、教育への投資も重要な業務の一環だと捉え、積極的にフィードバックメンタリングなどを行いましょう。

危機管理広報を万全にする

後手になりがちな危機管理広報ですが、広報PR上級者ともなれば積極的に取り組みたいところです。

想定外の災害やインターネットでの炎上など、事業を展開している限り、さまざまなリスクはつきもの。まだ危機管理の領域に手を付けられていないという企業・団体の場合は、新たに危機管理部門を立ち上げる必要があります。すでに危機管理に対応する部門がある場合は、過去の事例や対応に関する知識をインプットしつつ、メディアトレーニング(有事の際を想定し、経営者や役員などにメディア対応のレクチャーを行う研修)や緊急時における対応マニュアルの作成などを広報PRの目線から提案し、実施までコミットしましょう。

さまざまな部門と連携し、定期的にリスクの洗い出しや対応の見直しをすることが重要です。BCP(事業継続計画)の策定なども進められるとよいでしょう。

広報担当者として着実にステップアップしていこう

企業の経営に大きくかかわる広報PRの仕事。ゆくゆくは経営戦略と紐づいた広報戦略の立案を担うポジションを目指し、着実に経験を積んでいきましょう。

現在は他職種に就いている方は、まずは今の自分の経験が広報PRにどうつなげられそうか、業務・スキルの棚卸しを。広報PR初心者から中級者の方は、上級者を目指し、視野を広げること、視座を高く持つことを意識してみてください。知識のインプットを行いつつ、今後やってみたい企画を考えたり、業務効率の改善方法を提案したりするなど、小さなことから行動してみましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

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