広報プランは戦略が重要!広報戦略を立てる5ステップ・KPI・事例を紹介

限られた人材リソースや予算の範囲内で大きな成果を得るためには、戦略的な広報活動が必要です。やみくもに活動するのではなく、自社のブランディングや問題を解決するアプローチをふまえながら広報プランを練っていきましょう。

本記事では、戦略的な広報プランの立て方を徹底解説。プランに沿って広報活動を行うメリットやプラン設定のポイントをご紹介します。

広報戦略とは?広報・PRの力で企業価値を高めるためには戦略が重要

広報活動のゴールは、プレスリリースの配信や発表会を実施することではありません。生活者に企業や商品を認知してもらい、ファンを増やし、社会的評価を得て企業の価値を高めることが目的です

広報の力で企業価値を高めるには、継続的に一貫した企業のメッセージを発信し続ける必要があります。一貫性のないプロモーションやストーリーのない広報活動は、刹那的にマスコミやユーザーの目に留まることはあったとしても、企業価値を高めたり事業の発展には繋がりません。企業が社会に与えるべき価値をメッセージとして発信し続け、その価値に共感してくれる人を増やすことが求められます。

日々移り変わる時流や世間の環境変化に適応しながら一貫したメッセージを発信し続けるために重要なのが、広報戦略です。広報戦略によって広報活動のPDCAを回しながら、改善を行う体制を整えることが必要不可欠なのです。

戦略的に広報活動を行うことの5つの強み・メリット

では、戦略的な広報プランに沿ってPR活動を行うとどのようなメリットが期待できるのでしょうか。次は、戦略的に広報活動を行う強みやメリットを5つご紹介します。

メリット1.望ましいブランディングを蓄積できる

伝えたいメッセージがあいまいなまま情報発信をしてしまい、本来は意図していなかった内容で自社のニュースが出てしまうことを想像するといかがでしょうか。せっかくメディアに自社の情報が掲載されたとしても、企業や事業のブランドイメージを下げてしまっては意味がありません。

戦略的な広報プランを練ることによって、時流や社会情勢などの外部環境の変化が起こった場合にも、自社の本当に届けたいメッセージを発信できます。企業や事業のブランドを守り、価値を高めるためにも戦略的な広報プランは必要なのです。

メリット2.コミュニケーションの一貫性が生まれる

一貫したメッセージを発信し続けると、コミュニケーションにも一貫性が生まれます。そのためには、誰に、何を伝えるのか、どのような企業として社会に評価して欲しいのかが明確になっていなければなりません。企業のあるべき姿やターゲットを明確にできるのが広報戦略です。

一貫したコミュニケーションは、生活者やステークホルダーに企業の存在の意味や企業の価値を伝えます。広報戦略に基づいたコミュニケーションは企業のブランディングに繋がるのです。

メリット3.継続的な広報活動により効果が最大化しやすい

本来、広報活動は短期的なものではなく継続的に行われるべきもの。継続的に広報活動を展開することによって、PRの影響力そのものも発展していくべきなのです。広報戦略は、継続した広報活動のための計画をたて、影響力を最大限に引き出すことができます。

広報戦略は目指すべきゴールが明確になっているため、そのゴールから落とし込んだ広報プランを立てましょう。

【継続的な広報活動による効果(例)】

  • 広報に関するコンテンツの更新頻度アップ
  • 広報能力に長けた人材が長期にわたり配置できる
  • ターゲットを巻き込める広報プランの基礎作り

メリット4.広報活動の効果測定が可能になる

広報戦略に基づいた広報プランを実行することで、広報活動の効果測定がしやすくなります。広報の効果測定は、広報なら誰もが一度は悩まされる壁です。戦略的に広報活動を行う場合はゴール設定が明確だからこそ、必要なマイルストーンも自ずと見えやすくなります。予め定めた目標設定に対して、どのような効果を発揮したのか計測することができるでしょう。

効果測定を効果的に行うと、施策の課題がクリアになってきます。改善を繰り返してPDCAを回しながらより効果的な広報活動を行うことができるようになるのです。

メリット5.社内で広報活動の理解を得やすい

戦略的に広報活動を行う場合は、年間計画などの広報活動のプラン設計が必要不可欠です。そのため、広報担当者がどのような施策を実施しているのか、今後どのようなことを実施予定なのかが可視化されます。他部署からも広報活動の動向や成果を把握しやすくなり、理解を得やすくなります。

広報活動は他部署との連携や協力が不可欠です。社内での相互理解を深めることにも戦略的な広報活動は一役買ってくれます。

広報戦略プランの立て方5つのステップ

戦略的な広報プランを立てると、企業や事業の価値を高め、継続的な広報活動の土台作りにも繋がるもの。広報担当者としてスキルアップしていくためにも、広報戦略プランの立て方をしっかり学んでいきましょう。

次は、広報戦略プランを立てるための5つのステップをご紹介します。

STEP1.目的を明確にし、ゴールを設定する

広報戦略を立てるときは、経営戦略からの落とし込みが必要です。現時点での経営課題や目指すべき方向から、広報活動の中で実現する企業のあるべき姿をゴールとして設定しましょう。

社外のクライアントや顧客を対象とした課題だけでなく、従業員や株主など自社と関連のある幅広い層の意見や行動から問題点を洗い出すことが重要。ステークホルダーを徹底的に調査し、企業や事業の現状をしっかり把握しましょう。

STEP2.広報プランを作る

ステークホルダーの調査によって現時点での課題が明らかになったあとは、理想を達成するためのPR計画を練り始めましょう。目指すべきゴールを明確に定めたうえで「どのように改善していくか」「なにから始めるべきか」を話し合います。特に今後も発展させていきたい自社の強みや商品のクオリティなどは、一層の成長を目指して戦略的な広報プランを設定すべき項目です。

また、考えるべきはポジティブな要素だけではありません。これまで成果が現れていなかった部分に関しては、PR活動の変革を検討していくことも必要になるでしょう。

【広報プランを立てるうえで決めるべき要素】

  • PRする目的
  • テーマ(企業や事業のブランドに沿ったテーマを設定)
  • メッセージ性(どんな情報を届けたいか)
  • PR期間
  • 予算(全体予算と各項目ごとの内訳)

STEP3.アクションプランに基づいた広報活動を行う

課題に合わせた戦略プランができれば、いよいよ実践に進みます。一貫性を持たせたメッセージ発信を行うことで、企業のブランドイメージを担保した状態で広報活動を展開していきましょう。

案件によって担当者や責任者が異なる場合でも、緻密な情報を共有を行いながらメッセージ性を統一することが重要です。とくに細かな表現や記載内容によって、読み手の抱く感情が変化するセンシティブな情報発信には要注意。読み手の受け取り方を統一させるためにも、情報の管理や発信方法については十分話し合っておきましょう

【広報活動の具体例】

  • SNSを使って発信
  • マスメディアへのプレスリリース配信
  • イベントや発表会の実施

STEP4.広報活動の結果を集計・分析する

実際に広報活動を行ったあとは、明確な数字の集計が必須。媒体への掲載数やイベント集客数など、メディアやステークホルダーから得た反応を収集しましょう。

広報活動は、いわばトライ&エラーの繰り返しです。継続的な広報活動の基礎を作るためにも、やりっぱなしにするのではなく、成果を見える化させてくださいね。

STEP5.分析の結果から課題と改善策を考える

行った広報活動の結果が掲載数や集客数で明確化されたあとは、実践したプランを再度チェックしていきましょう。「このアプローチは本当に正しかったのか」「より効果を上げるためには、どこを改善すればよいのか」など、次の戦略プラン作りに向けた準備をはじめてくださいね。

営業活動のように明確な数字を出しづらい分、広報活動は反省点や改善点を考えるのが難しい業務です。しかし、SNS流入・デジタル発信へのユーザーからの反応(PV)・サイトへのアクセス数など、成果を確認できるものであれば分析もしやすくなりますよ。

目指しているブランディングや方向性と照らし合わせながら、継続的な広報活動に向けて次なる戦略プランを立てていきましょう。

広報戦略プランを立てるときの3つのポイント

広報戦略プランをはじめて立てるときは、3つのポイントを重視するのがおすすめ。「柱」となるポイントをおさえることによって、より効果的な広報プランを考えることができるのです。

最後に、広報戦略プランを立てるときに知っておくべきポイントを3つご紹介します。

ポイント1.定量・定性両面でゴールを設計する

広報業務では、人の感情を動かすことも重要になるため、成果指標は必ずしも定量で測れるものとは限りません。そのため、戦略プランのゴールは「定量」と「定性」の両方から設定しましょう。視点をひとつに絞らないことによって、現時点では埋もれてしまっている課題や問題点にも気付きやすくなりますよ。

【「定量」と「定性」とは?】
「定量」は、人数・割合・傾向値といった数字や数量で表すことのできるデータのこと。一方、「定性」はユーザーの個人的な言動や意見といった、数値や割合で表現できないものを指します。後者は、リサーチをする広報担当者が収集した結果をもとに解釈する必要があります。

ポイント2.属人化しないための仕組みづくりも同時に進める 

広報戦略プランを立てるとき、起こりやすい問題が「属人化」です。特定の人が業務を集中的に担当する過程で、担当者にしか分からない広報システムが出来上がってしまうことも多いのです。

属人化を防ぐためには、メディアリストの定期的な更新やフローのドキュメント化が効果的です。誰でも広報活動を行えるフィールドを整えて、システムを標準化しておきましょう。

ポイント3.時流や環境変化に合わせて柔軟にプランを変更する

ゴールに向かって着実に進むのは重要ですが、柔軟性を失うのは厳禁。企業の目指す方向は、社会情勢・ステークホルダー・自社の経営状況など、さまざまな要因によって変化する可能性があります。

常に最善を目指した広報活動を行うためにも、必要に応じてプラン変更できる柔軟性を身に付けておきましょう。

広報戦略の効果計測・KPIは?

戦略的に広報活動を行うときの、施策の効果計測やKPIはどのようにすれば良いのでしょうか。今回は3つの例をご紹介します。

広告費換算

広告費換算は、メディアに掲載された場合の露出や認知の効果を広告枠の購入費用に置き換えて換算する測定方法です。生活者が目にする可能性の高さを、広報活動の効果として評価します。

広告費換算は、それぞれのメディアが公式に発表しているものではないので、参考値として他の数値と組み合わせて効果計測を行うのが良いでしょう。

SNSのリーチ数

認知拡大を目的にSNSを活用する場合は、各SNSのリーチ数をKPIに設定します。リーチ数とは投稿を閲覧したユーザーの人数です。リーチ数が大きくなるほど、その投稿を閲覧した人が多いということになります。

リーチ数÷フォロワー数によって、リーチ率を算出することもできます。リーチ率はどのくらいのフォロワーに投稿が閲覧されたかという割合です。運用を続けてフォロワー数が増加しても、実際の投稿を閲覧してもらえなければあまり意味がありません。リーチ数は、フォロワー数の増加と共に増加し続けますが、リーチ率は投稿によって変動が起こります。リーチ数を設定する場合は、リーチ率も一緒に測定すると改善がしやすくなるでしょう。

認知度

認知度はブランド調査を実施することで計測することができます。自社のブランド力や社会でどの程度認知されているのかを把握することで、広報戦略が立てやすくなります。

ブランド調査はインターネット調査によって行うことが多いです。認知度はもちろんですが、消費者ニーズや顧客満足度、NPSなど、生活者との関係性を明らかにできます。

広報戦略の成功事例

事例1.スターバックスコーヒー

広告を打たずにブランディングのみで、当時の市場価格の倍以上の値段でも熱狂的なファンを作り出すことに成功したのがスターバックスコーヒーです。スターバックスコーヒーの戦略は、SNSを活用したコミュニケーションが有名ですね。スターバックスコーヒージャパンのTwitterフォロワー数は企業公式アカウントの中でもトップクラスです。

他にも成功要因として挙げられるのが、インナーブランディング。スタッフがスターバックスコーヒーの提供するべき価値を理解、浸透させています。そのため、スタッフ1人ひとりが企業価値を体現し、ファンを増やしています。

事例2.シャープ

企業公式Twitterアカウントとして有名なシャープは、生活者とのコミュニケーションを重視した戦略でフォロワー数を獲得し、人気を博しています。企業の情報をただ単に発信するのではなく、人間らしさや人格のあるツイートを通じて生活者との関係構築に成功しています。

家電の発売時期は実際の利用時期よりも少し早いタイミングになりますが、そのタイミングで製品情報を発信しても生活者には響きません。実際に利用するタイミングで担当者の生の声を発信し、共感を得ています。

事例3.千葉県流山市

市民を巻き込んだPR施策で、共働き夫婦の定住を促すPRに成功したのが千葉県流山市です。30~40代の首都圏で働く共働き夫婦にあえてターゲットを絞ることで、他の自治体の施策と差別化をはかりました。

「母になるなら、流山市」というキャッチコピーを使い、流山市内在住の母親を前面に打ち出したPR施策も実施。市街からの認知はもちろん、市民からの認知も獲得しています。

広報活動を成功させる戦略にはPDCAを回すことが必要

本記事でご紹介したように、戦略的な広報活動は自社のPR力の底上げにも有益なもの。しかし、広報初心者にとって、いきなり戦略プランを練るのは意外と難しいですよね。

まずは、プレスリリース配信や掲載記事のチェックなど、与えられた目の前の業務の質を上げるための工夫を重ねることも大切です。小さなことからコツコツ改善していき、広報活動の目的や自社のPRにとっての最適解を見つけていきましょう。

この記事のライター

長瀬 みなみ

長瀬 みなみ

東京生まれ便秘育ち。舞台俳優から社会人未経験で広報PRに転身し、ITベンチャー広報を経て、現在はウンログ株式会社”うん広報”。メディアリレーションをはじめ、オウンドメディア編集や自身も出演するYouTubeチャンネル「ウンTube」運営など「ファンづくり」を担う。いいうんちを増やして、世界中がお腹の中からウンと健康になるために活動しています!発酵食品が好き。

この記事に関連する記事

今注目の記事