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ニュースリリースとは?はプレスリリースとの違いと使い分け・書き方をわかりやすく解説

ニュースリリースとは?はプレスリリースとの違いと使い分け・書き方をわかりやすく解説

「ニュースリリース」や「ニュースレター」という言葉を耳にし、「プレスリリース」とどう違うのか、疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。企業活動が多様化する中で、これらの言葉が何となく使われてしまうケースも見られますが、意味や役割を正しく理解できれば、発信の精度は大きく向上します。

本記事では、ニュースリリースとは何かを中心に、プレスリリースやニュースレター、お知らせなどとの違いをわかりやすく解説します。それぞれの特徴や役割、使用シーンの違いを理解することで、情報発信の精度や効果を高めるヒントが得られるはずです。

目次
  1. ニュースリリースとは?基本の意味と役割

  2. ニュースリリース・プレスリリース・ニュースレター・お知らせの違い

  3. プレスリリース・ニュースリリースとニュースレター・お知らせはどのような場面で活用できる?

  4. ニュースリリースの基本構成と書き方

  5. ニュースリリースの配信方法と掲載チャネル

  6. 目的に応じてプレスリリース・ニュースリリースとニュースレターを使い分けよう

  7. ニュースリリースとプレスリリースの違いに関するQ&A

ニュースリリースとは?基本の意味と役割

ニュースリリースとは、企業や団体が自社のニュースを公式に発表するために作成する文書であり、メディア関係者や生活者へ一次情報を届ける役割を担います。新商品や経営情報などの更新事項を正確に伝えるための公式アナウンスであり、企業の社会的な動きを外部に可視化します。

また、情報の透明性や信頼性を示す手段としても重要であり、適切に整理されたニュースリリースは企業の信頼形成に大きく寄与します。プレスリリースとの違いが議論されることがありますが、実務上はほぼ同義で運用されるケースが多く、呼称の違いによって大きな意味の差が生じるものではありません。ただし、企業サイト内では「生活者にも向けて広く発信される情報」というニュアンスでニュースリリースを使う企業も見られます。こうした背景を理解しておくと、情報発信の文脈が整理され、より正確に使い分けられるようになるでしょう。

プレスリリース

ニュースリリースの定義:誰に・何を・どのように伝える公式文書か

ニュースリリースは「誰に何を知らせたいのか」を明確にし、企業の活動を外部に伝える目的で作成されます。主な対象はメディア関係者ですが、近年では生活者や取引先、求職者など幅広い関係者に向けた情報公開として機能するケースも増えました。内容としては、事業・経営・サービス・研究開発・CSR・人事など企業活動に関する一次情報が中心で、正確性と網羅性が求められます。ま

た、文書の形式が一定の構造で整理されていることにより、読み手は短時間で重要ポイントを把握できます。こうした特性から、多様なステークホルダーに企業の動きを伝えるための最も基本的な手段と位置づけられています。

ニュースリリースとプレスリリースの違い

プレスリリースとニュースリリースは、結論から言えば同じ概念として扱われることが一般的です。語源の違いはあるものの、実務では両者を厳密に区別する企業は多くありません。ただし、企業によっては「メディア向けに送る資料=プレスリリース」「自社サイトに掲載する生活者向けの更新情報=ニュースリリース」と役割を分けている場合もあります。運用フローの分担を明確にするために管理部門や広報部が呼び分けるケースもあり、どの呼称を採用しているかは企業文化によって異なります。

重要なのは、名称ではなく「伝えるべきニュースが整理され、一次情報として価値を持っているか」という点です。この視点を押さえることで呼称に惑わされず適切に運用できます。

また、参考までに「Googleトレンド」(キーワードごとに検索された回数の推移や比較を行えるサービス)で過去5年間の検索ボリュームを比較してみました。

青線が「プレスリリース」、赤線が「ニュースリリース」で検索された回数です。

過去5年間を通じて、「プレスリリース」が「ニュースリリース」を一貫して上回っており、平均値でも大きな差があることがわかります。この結果から、近年では「プレスリリース」のほうが「ニュースリリース」よりも一般的になじみのある言葉といえるでしょう。

企業サイトの「ニュースリリース」欄に掲載される主なトピック例

企業サイトで公開されるニュースリリースには、経営情報や新規事業の発表、製品アップデート、イベント開催、受賞、CSR活動、調査結果の公表など、企業活動を象徴する幅広いテーマが含まれます。これらはメディア向けだけでなく、既存顧客や採用希望者、株主、地域の関係者など多様な読み手に向けて企業の透明性を高める目的があります。

また、ニュースリリースはブランドの信頼性を支えるアーカイブとして長期的な価値を持ち、過去の取り組みや実績を示すコンテンツとしても機能します。そのため「更新の滞りは企業の停滞感につながる」といわれるほど、継続的な発信が企業活動の信頼度に影響を与える点も見逃せません。

ニュースリリース・プレスリリース・ニュースレター・お知らせの違い

企業の情報発信には複数の手段がありますが、それぞれの目的や対象が異なるため、混同すると情報伝達の精度が低下してしまいます。まず、プレスリリースとニュースリリースは基本的に同じ種類の文書ですが、ニュースレターや「お知らせ」は役割がまったく異なります。

ニュースレターはメディアやステークホルダーとの関係維持を目的とした定期的な通信であり、新規情報がなくても配信できる点が特徴です。一方、「お知らせ」は特定の相手に必要な情報だけを伝えるクローズドな通知で、ニュース性は必須ではありません。

これらの違いを理解することで、目的に合わせた最適な手段を選べるようになり、広報活動の質が大きく向上します。

プレスリリースとは:メディア向けに配信する一次情報

プレスリリースとは、企業や団体が、メディア関係者に報道してもらうことを目的として、「自社からのお知らせ(=新規情報)」を発表する公式文書のことを指します。

プレスリリースを受け取ったメディア関係者に、自社の新規情報について報じてもらえれば、その読者に自社や商品・サービスを知ってもらうことができます。メディアは自社と各ステークホルダーをつなぐ重要な存在であり、プレスリリースは企業がメディアとコミュニケーションを行うためのツールなのです。

自社のニュースの例としては、以下のようなものがあげられます。

  • 経営・組織に関する行動・結果
    (役員人事、資金調達、決算報告、新制度の導入など)
  • 事業・サービスに関する行動・結果
    (新製品や新サービスの発表、イベント開催や展示会への出展、導入事例や受賞発表など)

プレスリリースの具体的な書き方や効果については、下記の記事で解説しています。

ニュースリリースとは?

ニュースリリースとは、「自社のニュースを発表する公式文書」のことです。前述の「プレスリリース」と同様に、自社の組織・経営や事業・サービスに関する情報を発信する資料を指します。

ニュース

ニュースレターとは:ステークホルダーと継続的につながる情報便

「ニュースリリース」と似た言葉に「ニュースレター」があります。こちらは、「プレスリリース」「ニュースリリース」とは明確に異なる概念です。

ニュースレターは、マーケティングや広報PR活動においてステークホルダーと接点をつくるひとつの手段として活用されます。

生活者(顧客)向けに使われる場合とメディア関係者向けに使われる場合があり、それぞれの場合で活用目的や概要が少し異なります。

生活者(顧客)向けの場合はメールマガジンと近い意味(詳細は後述の別記事で解説)で使われることが多いのですが、メディア関係者向けの場合はプレスリリースに近い意味で使われます。メディア関係者向けのニュースレターがプレスリリースと異なる点は、ニュースレターは必ずしも「新規情報を含んでいなくても成立する」ことです。

例:トレンドに合わせた既存商品の紹介や、開発秘話など

また、ニュースレターは1度のみ配信するというよりかは、定期的な情報をする場合に使われる言葉だといえます。1つのトピックスのみで配信することもありますが、複数のトピックスをあわせてリリースすることがあることも特徴です。

「ニュースレター」と「プレスリリース・ニュースリリース」との違い

上述のように、「ニュースレター」は自社におけるニュース(=新規情報)がなくてもメディア関係者に配信できるという点が「プレスリリース」との大きな違いです。

自社に大きな動きがなく情報発信の間隔が空いてしまいそうなときでも、ニュースレターを配信することでメディア関係者との接点を持つことができます。

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」でも、新規情報の記載がないプレスリリースを「ニュースレター」としてメディア関係者限定で配信・公開できることがあります。メディア限定公開についてはこちら

ニュースレターの特徴・メリット・デメリット

ニュースレター」は、新規情報についての内容でなくても配信できるという特徴があります。

ニュースレターを活用することで、「メディア関係者とコミュニケーションをとりたいけれど、プレスリリースとして発表できる新しいネタがない」といった場合でもメディアと接点をつくれるのがメリットです。

もちろん、ニュースレターのネタは何でもいいわけではありません。プレスリリースと違って、メディアがもっとも注目する「新規性」がない分「時節性」「意外性」など、ほかの切り口で訴求しなければ目に留めてもらえないという点は注意が必要です。

ニュースレターのネタの例や実際の企業の事例、テンプレートについては、下記の記事で解説しています。

お知らせとは:特定の相手に向けたクローズドな通知

プレスリリース、ニュースリリース、ニュースレターとあわせて「お知らせ」との違いが気になる方もいらっしゃるでしょう。

「お知らせ」とは、社内や顧客、コミュニティなどの特定のグループに向けて必要な情報を伝えるための通知です。

プレスリリースがメディアや生活者に向けてニュース性のある情報を発信するのに対し、お知らせは内部のコミュニティを対象としていることに違いがあるといえます。

また、ニュースレターは定期的に配信したり、複数のネタをあわせて配信することがあるのに対し、お知らせは基本的に1つの話題を伝えることが多いことに違いがあるといえるでしょう。

プレスリリース・ニュースリリースとニュースレター・お知らせはどのような場面で活用できる?

ここまでご紹介してきた「プレスリリース」「ニュースリリース」と「ニュースレター」「お知らせ」を、実際の業務でどのように使い分けることができるのか、あらためて見ていきます。

世の中の広い対象に対して、新しい情報を知ってもらいたい場合:プレスリリース・ニュースリリース・お知らせ

自社の新たな取り組みなどについて、メディア関係者・一般の生活者問わず多くの人に知ってもらいたい場合は、プレスリリース・ニュースリリース、お知らせを作成します。

作成したプレスリリースはメディア関係者に向けて配信するだけでなく、生活者にも直接届けられるとよいでしょう。自社のホームページに掲載するほか、SNSやPR TIMESなどのプラットフォームで公開することで、思いがけず生活者の間で話題になることも考えられます。

下記の記事では、プレスリリースの配信にまだ慣れていないという方に向け、PR TIMES社員が監修したプレスリリースのテンプレートを20種類以上ご用意しています。

ステークホルダーとの接点を増やし、企業への関心や好感度を高めたい場合:ニュースレター

メディア掲載や取材などの直接的な目的ではなく、メディア関係者と継続的なコミュニケーションを行い、企業への関心や好感度を高めてもらうことを目的とする場合は、ニュースレターを作成します。

ニュースレターはプレスリリースと違って新規性が主題とならない分、メディア関係者への有益な情報提供とするためには、内容自体の「メディアフック(社会性・意外性など、ニュースとしての価値を決める要素)」を意識する必要があります。

メディアフックについて、詳細はこちらの記事で解説しています。

ニュースレターのネタの例やテンプレート、実際の企業の事例は下記の記事を参考にしてみてください。

ニュースリリースの基本構成と書き方

ニュースリリースは、要点を明確に整理した文書構造で作成することが重要です。特に、見出し・リード文・本文・問い合わせ先といった基本要素を整えることで、読み手は情報を素早く把握できます。

また、ニュースリリースは一次情報として扱われるため、正確性と客観性が求められ、数字やファクトを明示することが信頼性の確保に不可欠です。企業の背景や社会的文脈を加えて説明することで、読み手の理解が深まり、報道や二次利用の可能性も高まります。

ニュースリリースの基本フォーマットと必須項目

一般的なフォーマットは、タイトル、リード文、本文、画像、補足情報、問い合わせ先から構成されます。タイトルは簡潔でありながら内容を正確に示し、リード文では5W1Hに沿って要点を20〜30秒で理解できる文章にすることがポイントです。本文では背景や詳細、根拠、引用、期待される影響などを整理し、情報の正確性を担保します。

見出し・リード文の書き方

リード文では、誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように発表するのかを一目で理解できる形にまとめることが求められます。読み手の興味を引きつけ、本文を読み進める動機を与えるため、定義の明確さと読みやすさのバランスが重要です。

本文構成のポイント

本文では、「背景→詳細→根拠→引用→今後の展開」の順で整理すると読みやすくなります。読み手がニュースの本質を理解しやすいように、必要なデータや事実を客観的に添えることで文章の説得力が高まります。

写真・図版・データの入れ方と権利面の注意点

視覚素材はニュース理解を促進する強力なサポート要素です。ただし著作権・肖像権・商標権への十分な配慮が必要で、権利侵害が疑われる素材の利用は避ける必要があります。メディアが転載しやすいサイズ・品質で提供することも欠かせません。

ニュースリリースの配信方法と掲載チャネル

ニュースリリースは作成して終わるのではなく、適切な配信チャネルで届けることで価値が最大化します。配信サービスを活用すると広範囲への発信がしやすく、メール送付では個別のメディアに向けた丁寧なアプローチが可能です。また、SNSと組み合わせれば生活者の目に触れる機会が増え、認知拡大にもつながります。

さらに、自社サイトのニュースリリース欄に掲載しておくことで、アーカイブとして蓄積され、長く参照される情報となります。配信後は各チャネルの反応を分析し、どの媒体が関心を示したのか、どのトピックが読まれたのかを把握すると、次回の改善に役立つでしょう。

配信サービス・メール・記者クラブなどメディア向けの届け

プレスリリース配信サービスは、多数のメディアへ広く情報を届けたい場合に有効です。一方、記者個人へメール送付する方法は情報の親和性が高く、個別コミュニケーションにつながります。紙媒体を中心とする業界ではFAXや記者クラブなどのオフライン手段も併用されます。

自社サイトやオウンドメディアのニュースリリース欄への掲載方法

自社サイトのニュース欄は、企業の透明性を示す重要な情報アーカイブです。カテゴリーやタグ設計を整えることで読み手が情報を探しやすくなり、採用・投資家・顧客などさまざまなステークホルダーに対して信頼性を高める効果があります。

SNS・メールマガジン・ニュースレターとの連動による拡散

ニュースリリースを公開したタイミングでSNSやメールマガジンと連動すると、生活者や既存顧客へ直接情報を届けられます。ニュースレターにリンクを掲載すれば継続的な関係構築にもつながり、リリースの価値を最大化できます。

配信後の効果測定と社内共有のポイント

配信後は掲載状況やアクセス数、SNSでの反応などを測定し、社内にも共有することが重要です。どのような内容が読まれ、どのメディアが反応したかを把握することで、次のリリース改善が進みます。

定量データと定性データをあわせて分析することで、広報活動全体の精度を高めていきましょう。

目的に応じてプレスリリース・ニュースリリースとニュースレターを使い分けよう

本記事では「プレスリリース」「ニュースリリース」そして「ニュースレター」「お知らせ」の違いについてご説明しました。

プレスリリース・ニュースリリースは新規性のある情報を広く発信したい場合、ニュースレターはメディア関係者と継続的なコミュニケーションを行いたい場合に活用できます。また、伝えたい内容を特定のグループに伝えたい場合は「お知らせ」として配信することも方法です。

それぞれの言葉の意味を正しく理解し、情報発信の目的と照らし合わせて最適な伝達方法を選択するようにしましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

ニュースリリースとプレスリリースの違いに関するQ&A

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この記事のライター

ならきち

ならきち

在宅ライター主婦。会社員時代は中古IT機器の専門商社で広報をしていました。取材対応をはじめとするメディアリレーション全般、プレスリリース執筆、危機管理対応、記者会見の企画・運営、自社ブログ記事の企画・執筆などを担当した経験を活かし、広報担当者の役に立つ記事を書きたいです。現在はわんぱくな息子に翻弄されながら在宅でライターの仕事をしています。

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