広報PR活動で、限られた人材リソースや予算の範囲内で大きな成果を得るためには、戦略が必要です。やみくもに活動するのではなく、自社のブランディングや課題解決を意識したアプローチを踏まえ、広報PR戦略を練っていきましょう。
本記事では、広報戦略の立て方を徹底解説。戦略的に広報PR活動を行うメリットやプラン設定のポイント、広報戦略が成功している企業の事例をご紹介します。
広報戦略とは
広報戦略とは、広報PR活動において企業が社内外のさまざまなステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションを図る際に参照するべき一貫した指針です。企業として目指す姿をぶれさせることなく、中長期的に一貫した広報PR活動を行うために策定されます。
広報PR活動は企業の長期的・持続的な成長のための活動です。案件ごとに場当たり的に行う広報PR活動では、企業の長期的・持続的な成長につながらず、反響があってもその場限りで終わってしまう可能性が高いでしょう。そのため、中長期的な戦略に基づいた一貫性のある取り組みを継続的に行う必要があります。
広報戦略を設定することで、取り組んでいる広報PR活動の内容に統一性を持たせ、それらが中長期的に経営環境にもたらす影響を確認できるようになります。広報戦略は経営戦略とも密接に関係しており、自社のファンを増やしエンゲージメントを高めるための重要な役割を果たすといえるでしょう。
広報戦略が重視されている背景
広報PR活動が経営にとっても重要な役割を果たすことは長く知られてきましたが、「広報戦略」が重要視されるようになったのはさほど昔ではありません。今、広報戦略が広報PR担当者だけでなく経営層からも注目されるようになっている背景には情報流通構造など社会の変化があります。
インターネットの普及・Webメディアの台頭
インターネットの普及により、人々が日常的に触れる情報の量は爆発的に増加しました。このような情報過多の時代には、広報PR担当者は相手の属性や立場に応じて届ける情報の切り口を変えるなど、柔軟に対応する必要があります。
また、Webメディアが台頭し、生活者とメディアの接点が増加しました。企業はWebメディアとマスメディアの双方に対してリスクマネジメントを行いながら情報を発信していくことが求められています。
このように情報発信の仕方や受け取り方が多様化・複雑化していく中、ブランドイメージを守り統一されたコミュニケーションを行うための指針として、広報戦略の重要性が高まっています。
SNSの普及
SNSが普及し、個人が自分の意見や情報を発信できるようになりました。個人の意見は共感を呼びやすく、インターネット上で拡散され大きな情報の渦として世論を形成する動きにつながっていくこともあり得ます。
もはや政府や企業が情報を独占することはできません。生活者にとって不都合な事実や意向に沿わない動きがあれば、たちまち世間に明らかにされる世の中になった今、広報PR担当者は繊細なコミュニケーションを心がける必要があるのです。
同時に企業も一個人と同じ目線で情報を発信することができるため、生活者にとってより身近な存在になりました。リスクが得られるものも多いSNSにおいて、広報PR担当者は繊細かつ計画的なコミュニケーションを求められています。
CSRへの関心の高まり
日本では2000年ごろからCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)が注目されるようになりました。背景には、グローバル化の進展による企業活動の拡大、社会問題や環境問題の深刻化、相次いだ企業の不祥事などがあります。企業は売り上げだけではなく、社会に対する姿勢を含めて総合的に価値を判断されるようになってきたのです。
2015年に国連により「持続可能な開発目標(SDGs)」が発表されると、徐々に生活者の関心を集め、購買の過程で企業の社会貢献や商品・サービス生産の過程が注目されるようになります。CSRやSDGsへの取り組みを含め、企業イメージや好感度が企業の業績を大きく左右するようになっているのです。
このような社会において、企業イメージの形成に大きく関与する広報PR活動はより重要になってきています。
広報戦略×デジタルマーケティングとの相性
上述したように、広報戦略が重視されるようになってきた背景にはインターネットやSNSの普及があります。広報戦略を立てることは、このようにインターネットを活用したデジタルマーケティングに対応していくことでもあるのです。
テレビCMを放映すればすぐに認知が獲得できた時代が去り、生活者が閲覧するメディアは嗜好や属性に合わせて細分化されています。生活者のセグメントやメディアのジャンルに応じて細かく発信メッセージを変えていく必要がありますが、そのメッセージを考えていくうえで指針となる広報戦略が非常に重要です。
広報戦略に基づいてデジタルマーケティング施策を俯瞰し、さまざまなチャネルで適切な情報を届けられる環境をつくることで、デジタルマーケティングの効果を最大化できるでしょう。
広報戦略を立てる3つのメリット
では、広報戦略に沿ってPR活動を行うとどのようなメリットが期待できるのでしょうか。戦略的に広報PR活動を行うメリットを3つご紹介します。
メリット1.長期的な活動の実現
広報PR活動の目的は、メディアに自社の情報を掲載してもらうことではありません。せっかくメディアに自社を取り上げてもらったとしても、企業や事業のブランドイメージを下げてしまう内容では意味がなく、むしろ逆効果となることもあるでしょう。
広報戦略を立てることによって、時流や社会情勢などを踏まえて自社が本当に届けたいメッセージを社会に発信できます。
また、メディア露出やイベント実施などさまざまな施策の全体像を俯瞰して捉えられるため、一貫した企業メッセージを発信していくことができます。企業や事業のブランドを守り、価値を高めるためにも広報戦略は必要なのです。
メリット2.効果測定を行い、より成果拡大&活動加速
広報戦略に基づいた施策を実行することで、広報PR活動の効果測定がしやすくなります。広報PR活動の効果測定は、広報PR担当者なら誰もが一度は悩まされる課題でしょう。戦略的に広報PR活動を行うことでゴール設定が明確になるため、必要なマイルストーンが自ずと見えやすくなります。あらかじめ定めた目標に対して、どのような効果が発揮されたか測定することができるのです。
効果測定に基づいて新たな仮説を立て、施策の改善を繰り返していく中で広報PR活動の最終目的である「企業の長期的・持続的な成長」に近づいていきます。PDCAを回しながら効果的に広報PR活動を行いましょう。
なお、このような広報PR活動や効果測定は自社で完結できるため、広告掲載依頼などに比べるとコスパが高いのも魅力的なメリットです。
メリット3.社内で広報PR活動に対する理解を得やすくなる
広報戦略を立て年間計画など具体的なプランを設定することで、広報PR活動が可視化されます。他部署からも広報PR活動の目標や取り組み、成果を把握しやすくなるため、理解を得やすくなるでしょう。
広報PR活動には他部署との連携や協力が不可欠です。広報戦略を立てることは、社内からの理解を深め、広報PR活動をより円滑に行うことにも一役買ってくれるのです。
広報戦略を立てる際に役立つ5つのフレームワーク
実際に広報戦略を立てようと思っても、何から手を付ければよいかわからないことも多いでしょう。そんなときは、フレームワーク(論理的な考え方の型)を活用するのがおすすめです。
ここでは、広報PRだけでなくマーケティングや経営の戦略を考える際にも役立つフレームワークを5つご紹介します。
1.PEST分析
PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境の変化について大局的に予測するためのフレームワークです。
「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」という4つの要素の頭文字をとって「PEST分析」と呼ばれています。
- 法的規制などの政治的要因
- 賃金や物価の変動など経済的要因
- 流行や社会運動といった社会的要因
- 技術革新などの技術的要因
上記それぞれの視点に立って社会の動向を分析することで、自社が採るべき広報戦略や情報発信の方針について、時代に即した形で検討できます。
2.SWOT分析
SWOT分析とは、自社の内部環境と外部環境それぞれのプラス・マイナス要因を洗い出し、総合的に最適な戦略を探るためのフレームワークです。
「強み(Strength)=内部/プラス要因」「弱み(Weakness)=内部/マイナス要因」「機会(Opportunity)=外部/プラス要因」「危機(Threat)=外部/マイナス要因」の4つの頭文字をとって「SWOT分析」と呼ばれます。
- 自社の「強み」を活かせる「機会」を捉えてさらなる成長を目指す
- 自社の「弱み」を克服し逆風となる「危機」を乗り越える
など、内部/外部要因とプラス/マイナス要因を組み合わせてさまざまなシナリオを描くことができます。
自社と業界全体・社会全体の関係性を見据えた広報戦略を立てるうえで有用なフレームワークです。
3.STP分析
STP分析とは、自社の強みを最大化できる市場を決定するためのフレームワークです。
市場を細分化する「セグメンテーション(Segmentation)」、自社に適した市場を定める「ターゲティング(Targeting)」、競合他社の中で自社の位置づけを明確にする「ポジショニング(Positioning)」という要素の頭文字をとって「STP分析」と呼ばれています。
新規事業に参入する際や新商品を企画する際に使われることの多いフレームワークです。広報PRの領域においても、STP分析を通して市場や顧客層の理解を深めることで、広報戦略の精度向上が期待できるでしょう。
4.4P分析
4P分析とは、戦略を適切に実行に落とし込むためのフレームワークです。STP分析などを通じて明確にしたセグメント・ターゲットに対し、具体的な施策を検討する際に活用されます。
「商品・サービス(Product)」「価格(Price)」「流通チャネル(Place)」「販促活動(Promotion)」という4つの要素の頭文字をとって「4P分析」と呼ばれます。これらの要素を適切に組み合わせることを「マーケティング・ミックス」と呼ぶこともあります。
複雑に影響し合う各要素について、PR視点を持って総合的に考えることが重要となります。
5.バリューチェーン分析
バリューチェーン分析とは、企業活動がその企業の提供価値にどのように貢献しているのかを可視化するためのフレームワークです。
企業の活動を生産~消費に関わる「主活動」とそれ以外(バックオフィスなど)の「副次活動」に分け、それぞれのコストと付加価値を洗い出します。このコストと付加価値を分析することで、自社そのものの強みや改善点を見出すことができます。
バリューチェーン分析を通じて自社の理解を深めることは、広報戦略の策定にも役立つでしょう。自社の強みを踏まえて発信する情報を取捨選択できるほか、競合他社についてバリューチェーン分析を行い差別化を進めることも可能です。
こちらの記事で、バリューチェーン分析を広報戦略に役立てる具体的な方法について紹介しています。
広報戦略プランの立て方4つのステップ
続いて、広報戦略プランを立てるための4つのステップをご紹介します。
広報戦略を立てることは、広報PR活動の土台づくりでもあります。広報PR担当者としてスキルアップしていくためにも、広報戦略プランの立て方をしっかり学んでおきましょう。
STEP1.ゴールを設定し、課題を洗い出す
広報戦略を立てるときは、経営戦略からの落とし込みが必要です。現時点での経営課題や目指すべき方向の中から、広報PR活動によって実現できる部分をゴールとして設定しましょう。
取引先や顧客に関する課題だけでなく、従業員や株主など自社と関連のある幅広い対象の意見や行動から問題点を洗い出すことが重要です。ステークホルダーを徹底的に調査し、企業や事業の現状をしっかり把握しましょう。
STEP2.課題に基づいて年間計画を立てる
ステークホルダーの調査によって現時点での課題が明らかになったあとは、理想を達成するための年間計画を立てましょう。目指すべきゴールに基づき課題をどのように改善していくか、何から始めるべきかを話し合います。特に重点的に発信したい自社の強みや商品のクオリティなどのテーマを設定するのも有効です。
また、考えるべきことはポジティブな要素だけではありません。これまで成果が表れていなかった部分に関しては、広報PR活動の変革を検討していくことも必要になるでしょう。
【年間計画を立てるうえで決めるべき要素の例】
- 広報PR活動を行う目的
- 注力するテーマ
- 届けたいメッセージとその対象
- 広報PR活動を行う期間
- 予算(全体予算と施策ごとの内訳)
STEP3.広報プランを具体的な施策に落とし込む
課題に合わせた年間計画ができたら、実際の施策に落とし込みます。一貫性を持たせたメッセージ発信を行うことを意識し、企業のブランドイメージを醸成・強化できる施策を展開していきましょう。
案件によって担当者や責任者が異なる場合でも緻密な情報共有を行い、発信するメッセージを統一することが重要です。また、読み手を混乱させないためにも、情報の発信手段や細かい表現について十分話し合っておきましょう。
【広報PR施策の具体例】
- プレスリリース配信
- SNSでの発信・キャンペーン
- メディアキャラバン
- 社内報の作成
- イベントや発表会の実施
STEP4.施策の効果を分析し、課題と改善策を考える
実際に広報PR施策を行ったあとは、明確な数字の集計が必須です。メディアへの掲載数やイベント集客数など、メディア関係者やステークホルダーから得た反応を収集しましょう。数値が明確化されたあとは、実践した施策を最適化するための改善点を検討します。「このアプローチは本当に正しかったのか」「より効果を上げるためには、どこを改善すればよいのか」など、次の施策に活かしていきましょう。
広報PR活動は、営業活動のように明確な数字を出しづらい分、反省点や改善点を考えるのが難しい業務です。しかし、SNSでのリアクション・配信したプレスリリースへの反応(PV)など、成果を確認できるものがあれば分析もしやすくなります。
広報PR活動の効果測定をする方法の詳細については本記事の後半で解説しています。
広報戦略プランを立てるときの3つのポイント
広報戦略を立てるときは、次の3つのポイントが重要です。「柱」となる部分を押さえることによって、より効果的な広報プランを考えることができるでしょう。
ポイント1.質と量の両面でゴールを設定する
広報PR活動では、人の感情を動かすことも重要です。そのため、成果指標は必ずしも数値で測れるものとは限りません。そのため、戦略プランのゴールは人数・割合など数値で表せる「定量的データ」と、言動や意見など数値で表せない「定性的データ」の両方を設定しましょう。多面的な視点を持つことで、見落としていた課題や問題点にも気付きやすくなります。
ポイント2.業務が属人化しないような仕組みづくりも同時に行う
広報戦略を立てるとき、注意したいのが「属人化」です。特定の人が業務を集中的に担当するとその過程で、その人にしかわからない業務フローやその人しか知らないナレッジが形成されてしまうことも多いのです。
属人化を防ぐためには、データの定期的な共有や業務フローのドキュメント化が効果的です。誰でも広報PR活動を行える環境を整えて、思いがけない事態に備えておきましょう。
ポイント3.時流や環境変化に合わせて柔軟に計画を変更する
ゴールに向かって着実に進むのは重要ですが、計画に固執してしまうのは厳禁です。企業の目指す方向は、社会情勢・ステークホルダー・自社の経営状況など、さまざまな要因によって変化する可能性があります。
常に最善の広報PR活動を行うために、必要に応じてプランを変更できる柔軟性を意識するようにしましょう。
広報戦略の効果測定・KPIは?
戦略的に広報PR活動を行ううえで欠かせない施策の効果測定・KPI。どのように設定すればよいか、3つの例をご紹介します。
広告換算額
広告換算額は、広報PR活動によってメディアに自社の情報が掲載された場合の効果を、広告枠の購入費用に置き換えて換算する測定方法です。広告換算額はそれぞれのメディアが公式に発表しているわけではなく、あくまで参考値として各社が算出しているものとなります。目安としてほかの数値と組み合わせて効果測定を行うのがよいでしょう。
SNSのリーチ数
認知拡大を目的にSNSを活用する場合は、各SNSのリーチ数をKPIに設定できます。リーチ数とは投稿を閲覧したユーザーの人数です。リーチ数が大きくなるほど、その投稿を閲覧した人が多いということになります。
リーチ数÷フォロワー数によって、リーチ率を算出することもできます。リーチ率は「どのくらいのフォロワーに投稿が閲覧されたか」という割合です。運用を続けてフォロワー数が増加しても、実際の投稿を閲覧してもらえなければあまり意味がありません。リーチ数はフォロワー数の増加とともに増加し続けますが、リーチ率は投稿によって変動が起こります。リーチ数を効果測定に使用する場合は、リーチ率も一緒に測定すると改善がしやすくなるでしょう。
認知度
認知度は、ブランドイメージ調査を実施することで測定可能です。自社のブランド力や社会でどの程度認知されているのかを把握することで、広報戦略が立てやすくなります。
ブランドイメージ調査はインターネットを利用したアンケートなどの手法で行うことが多く、調査会社に依頼するのが一般的です。費用はかかりますが、認知度はもちろん消費者ニーズや顧客満足度・NPSなど、生活者との関係性を多角的に測定できます。
広報PR活動の効果測定については、下記の記事でも詳しく紹介しています。
広報戦略の成功事例
ここからは、実際に広報戦略に基づいた広報PR活動を行い、大きな効果を生み出している企業の事例をご紹介します。規模や成長段階によって企業の状況はそれぞれ異なりますが、自社に活かせる部分を取り入れてみましょう。
事例1.nonpi foodbox:コロナ禍の動きに合わせた新サービス
カフェ企画・運営事業を中心に展開する株式会社ノンピ。法人向けのカフェテリア運営受託やフードデリバリー事業で成長を続ける中、新型コロナウイルスの感染拡大により売り上げは昨対比95%減という危機的状況に陥ってしまいました。
そこで同社は、新たなサービス「nonpi foodbox」をスタート。オンライン飲み会専用のフードデリバリーサービスです。
広告起点で事業を作り、コロナ禍という大きなニュースに対応するサービスとして発表することで、メディアへ露出する機会を獲得し、注文数の増加につなげました。結果、2021年2月には累計食数10万食を突破する成長を見せています。
トレンドや世の中の流れに合わせたサービス企画と、綿密なプレスリリース配信のスケジュールといった戦略で急成長させた事例です。
事例2.ワークマン:柔軟な組織編成でターゲットに刺さる業態に
高機能かつ低価格の作業服を販売し、職人を中心に多くの人気を集めている株式会社ワークマン。現場仕事を支えるブランドとしてだけでなく、一般客向けの高機能ウェアを扱う新業態として、2018年に「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」をオープンしました。
新業態の認知拡大にあたって2020年に広報部を設立し、商品の魅力を「誰が伝えるか」に着目したのが特徴的です。女性をメインターゲットにした「#ワークマン女子」の業態では、企画担当者を総入れ替えし、女性社員を中心にプロジェクトを展開しています。
定例会議のように形式ばった場を設けず、雑談の中で企画を生み出したりアイデアを出し合ったりするワークマンならではの取り組みも、広報戦略のひとつといえるでしょう。
事例3.TOTO:看板商品の発売30周年を迎え、新たなツールを活用
システムトイレや浴槽、福祉機器などの住宅設備機器を取り扱うTOTO株式会社。本社と東京を合わせて17人のメンバーから構成される広報体制を取っており、新たな広報PR活動としてPR TIMESでのニュースリリース配信、PR TIMES STORYを導入しました。
同社の看板商品である「ネオレスト」の発売30周年に合わせて、通常のプレスリリース配信だけでなく、PR TIMES STORYも活用。当時の開発者の体験談を盛り込むことで、メディアから取材依頼が届き、さらにはインターンシップの応募者が例年の2割増しという結果に。
30周年という節目をきっかけに新たな広報戦略を立て、計画的に実行することで認知拡大効果を高めた事例です。
事例4.KINTO:メディアとのコミュニケーションを意識した広報戦略
自動車リースや修理・点検、中古車販売などモビリティサービスを手掛ける株式会社KINTO。2023年で創業5年目を迎える同社では、認知度の変化や予算に応じた広報戦略を創業当初から続けてきました。
メディア関係者とのコミュニケーションを重視し、年に1~2回は定期的な発表会を実施しています。旧車サービスに着目したコミュニティ「Vintage Club by KINTO」では、動画を掲載したプレスリリース配信などの広報戦略により、テレビや専門誌といった多くのメディアから取材依頼を獲得し、露出の機会を増やしています。
事例5.ヤッホーブルーイング:コアなファンを増やしたユニークな商材
「ビールに味を!人生に幸せを!」をミッションに掲げ、個性的な商品名のクラフトビールを多数販売する株式会社ヤッホーブルーイング。このミッションを軸に展開する広報戦略によって、ビール好きな人を中心に認知を広めています。
同社ならではのユニークな商材としては「隠れ節目祝いセット」があり、提供開始とともに配信したプレスリリースには多くの注目が集まりました。テレビ取材は3件、新聞掲載は8件、さらにX(旧 Twitter)でも約8,000件のいいねを獲得。
万人に必要とされる商材でないからこそ、プレスリリース配信でインパクトを与え、コアなファンを増やす結果につながった事例といえるでしょう。
事例6.福岡ソフトバンクホークス:コロナ禍でコミュニケーションを意識した広報戦略
福岡ソフトバンクホークス株式会社は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を受けて、選手やファン、スタッフ間でのコミュニケーション方法を一新しました。キャッチャーのように頼れる広報室の存在を目指し、部署内外・社内外での活動を調整。
ファンが楽しめる施策として、球団グルメのフードデリバリーを実現したのが特徴的です。各部署が連携し、企画段階から広報室がコミュニケーションを意識することで効率的な情報発信につなげ、認知を広めた事例ともいえます。
また、X(旧 Twitter)やYouTubeといったSNSを活用し、外出自粛が求められる状況で選手とファンがつながりやすい機会を設けたのも広報戦略のひとつです。
広報戦略を立てて広報PR活動の効果を最大化
広報戦略の立案は経営陣との連携など時間をかけて行う必要があるため、なかなかすぐに取りかかれないものです。日々の業務に追われて後回しになってしまうことも多いでしょう。
一方で、本記事でように解説したように、広報戦略は自社の広報PRを強化するうえで非常に重要です。情報流通量が増え続け複雑化していく社会において、戦略なしで広報PR活動を成功させることは難しくなっていくと予想されます。
いきなり完璧な戦略を立てる必要はありませんので、少しずつ準備を進めていきましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
広報戦略に基づいた広報プランの立て方に関するQ&A
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