新商品や新サービスの一次情報となるプレスリリース。自社の情報の内容を季節のトレンドと関連させたり、切り口を変えるなど伝え方を工夫することで、情報に付加価値を与えることができます。
今回のトレンド徹底活用術では「ハロウィン」をトレンドキーワードとしてピックアップ。ハロウィンをモチーフにしたスイーツなどを提供する飲食業界はもちろん、アパレル企業、アミューズメントパークを運営する企業までさまざまな業界で活用しやすいトレンドです。プレスリリースで自社の最新情報を発信する際に、特に重要なポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「ハロウィン」をプレスリリースに活用するSTEP
毎年10月31日はハロウィン。カボチャのランタンを飾ったり、魔女に仮装したり、お菓子を交換したりと、年間通しても盛り上がるイベントです。
多くの企業が「ハロウィン」商戦に向けて、プロダクト・サービスを展開する中、「自社の情報をより多くの人に周知するにはどうすればよいのだろう」と悩む広報PR担当者もいるはずです。
そのような悩みにお答えすべく、「ハロウィン」に関するプレスリリースの作成から配信方法をご紹介。基本の8ステップの中でも、「ハロウィン」のプレスリリース配信に特に役立つポイントを事例とともに解説していきます。
基本となるステップについてはこちらの記事をご確認ください。
画像素材にこだわる
「ハロウィン特集」の企画が組まれるこの時期、メディアは膨大な量の中から取り上げる情報を選びます。他社と差別化できるように、世界観を反映した画像を準備し、テキストだけでは伝えきれない商品の魅力を伝えましょう。プロダクトの魅力を存分に伝えるだけでなく、SNSの発信を加味した画像を準備することも大切です。
「ハロウィン」に関するプレスリリースに掲載する画像は、世界観をイメージし、黒い背景で撮影したり、ジャックオランタンやゴーストなど親和性の高い小物を添えた商品単体を撮影することも多いでしょう。
ハロウィンイベントなどのシチュエーションを撮影する場合は、仮装した人々のにぎやかな雰囲気の画像を用いるケースもあるはずです。世界観をイメージするだけでなく、実際に商品・サービスの利用シーンを視覚で捉えられるような工夫を施すことも必要です。
画像にこだわることで商品やサービスを利用するイメージが膨らみ、生活者の目に留まりやすくなります。また、地域性や限定性など、ニュース性が伝わる画像は、メディアフックにもなり、記事として取り上げてもらえる可能性も高まります。
以下は、ハロウィンのプレスリリースに活かせる画像の例になります。
1.利用イメージを膨らませる生活者向けの画像
- ハロウィンイベントの様子
- 「ハロウィン」限定メニューの内容(料理や飲み物、プラン利用特典などがわかる画像)
- 商品やサービスの利用シーン(人物込みの画像)など
2.ニュース性を意識したメディア向けの画像
- 目玉となるサービス
- サービスイメージ
- 商品開発やサービスに携わった人(プロダクトの企画者、パティシエや職人)
- 地域性や限定性(メディアフックとなる要素が盛り込まれた画像)など
メディアに取り上げられることを前提に、紙、Webメディアどちらの掲載基準にも対応できるよう画像解像度やサイズにも配慮しましょう。
PR TIMESで配信する場合、プレスリリースに掲載しない画像もアップロードすることができます。豊富に用意した素材はなるべく多くアップロードすることをおすすめします。
画像については以下の記事も参考にしてみてください。
情報収集して傾向をチェック
まずは「ハロウィン」のトレンドを調べてみましょう。トレンドはその時々によって変化します。社会情勢や人々のニーズなどその年の傾向を調査することで、今年ならではの「ハロウィン」の過ごし方を予測・把握できるでしょう。広報PR活動に、その年のトレンドを盛り込むことでより多くの人からの注目を集め、自社製品やサービスを周知できそうです。
調査結果から市場を捉える
大勢の人と楽しむことが主流となっていた「ハロウィン」は、2019年頃を境にその状況は変わりました。新さらに新型コロナウイルスの感染拡大以降、防止の観点から「ハロウィン」を自宅で過ごす人が増え、楽しみ方は多様化しています。
ただし、2023年からは規制緩和が進み、外で楽しむ自由度も高まりました。2024年も「おうちハロウィン」はもちろん、休日を利用したハロウィンイベントへの参加や、旅行などを検討する人も増える見込みがあります。
生活者の声を聞く
2023年の「ハロウィン」に対する生活者の動向を知るには、自社でアンケートを実施するのもよいでしょう。他社の調査では入手できなかった情報も入手できるほか、自社プロダクト・サービスのアプローチ方法を明確にすることもできます。インターネット調査であれば数日間で結果を手に入れることも可能です。
以下は、アンケート項目の例です。
- 今年の「ハロウィン」はどのように過ごす予定か
- ハロウィンイベントが開催される場合は参加するか
- 誰と何をして過ごすのか
- お家ハロウィンは何人くらいの規模で実施するのか
- 仮装にかける予算はいくらくらいか
自社で調査する場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
なお、2024年はどのような「ハロウィン」が主流となるのかは、インターネットの検索結果やSNSなどから調べることもできます。まずは、パッと浮かぶ関連ワードを一通り洗っていくのが有効です。この時点では、自社プロダクトに関連するか否かはあまり気にせず、広く市場の傾向を掴む糸口としてポピュラーなワードで検索していくのがおすすめです。
<検索ワード例>
「ハロウィン 家」「ハロウィン おうち」
「ハロウィン 楽しみ方」「ハロウィン 過ごし方」
「ハロウィン レシピ」「ハロウィン 料理」
「ハロウィン トレンド」「ハロウィン 2024」
「ハロウィン イベント」「ハロウィン 仮装」
ペルソナをイメージ
「ハロウィン」の過ごし方が多様化し細分化したことで、より重要さを増すのがペルソナの設定です。
以下は、ペルソナ設定で必要な項目例です。
- 年齢層
- 性別
- 職種
- 家族構成
- 住んでいる地域
- 年収
- 情報収集の方法 など
漠然とアピールポイントを挙げるのではなく、自社の商品やサービスを誰に一番伝えたいのか改めて考えることによって、どのような切り口で、どのポイントを強調して提案すべきかも見えてきます。
可能な限り、自社のプロダクトに沿った具体的なペルソナ像を設定しましょう。友人や職場でかかわる人はどれくらいいるのか、パートナーはいるのか、実家暮らしなのかなど、ペルソナを磨き上げることが、より共感を呼ぶ提案への秘訣です。
着目したトレンドキーワードが同じでも、ペルソナ設定が異なるだけで伝え方は変化していきます。
ペルソナの設定については、以下の記事も参考にしてみてください。
由来を調べる
今では、「ハロウィン」は仮装を楽しむイベントとして受け入れられていますが、本来はどのようなイベントなのでしょうか。世界的なイベントには、由来に諸説あったり、国や時代によって風習が異なったりと、調べることで意外な側面を知ることも多いものです。
地道なリサーチではありますが、本来の意味や由来、新たな側面を見出いだすことは、トレンドを活用した情報を発信するうえで、有効な基礎知識となります。
「ハロウィン」の由来
「ハロウィン」の起源は諸説ありますが、一般的には何千年も前の古代アイルランドにあるとされます。
収穫期の終わりの時期は現世と来世の境界が弱まり、死者の魂が生家に帰ってくると信じられていました。そして、死者の魂は、幽霊や妖精などの姿をして帰ってくるとされていたため、人々も不気味な仮装をして死者に紛れ、隠れていたそうです。
その後、キリスト教やアメリカの文化と融合し、1980年頃から徐々に日本でも親しまれるようになりました。
現在では、若い世代がアニメのキャラクターや著名人など仮装自体を楽しむイベントとして定着していますが、かつては年齢にかかわらず、身を守るために怖い仮装をしていたようです。
このように、由来や変遷を調べてみたり、あるいは「ジャックオランタン」や「トリックオアトリート」など関連して気になったワードを調べてみたりすることで、「ハロウィン」で使われるアイテムの意味や本来の過ごし方など新たな発見があり、イベントやキャンペーンの着想を得る手助けとなるかもしれません。
細かな配信設定を活用してプレスリリースを配信
PR TIMESではプレスリリースを配信する際にキーワードを登録できます。「ハロウィン」のほかにキーワードを加えて検索する人も多くいます。そのため、「ハロウィン」はもちろん、アピールしたいカテゴリもキーワードに設定することで、より効果的に情報を届けられるようになります。
以下は、追加するカテゴリの例です。
- ハロウィン メイク
- ハロウィン コスプレ
- ハロウィン レシピ
また、設定するキーワードの表記に関して悩む人もいるかもしれません。「Halloween」は長音符を含めた「ハロウィーン」表記もあります。Googleトレンドで比較してみると、長音符なしの「ハロウィン」のほうが使用頻度は高い傾向にありますが、NHKの放送、新聞社・通信社では原音[hæ̀louíːn]に近い語形「ハロウィーン」を使用しています。どちらの表記で検索されてもいいように、「ハロウィン」「ハロウィーン」の両方をキーワードに設定しておきましょう。
メディアによっては「ハロウィーン」の表記で統一しているため、併せてキーワードに含めることで、メディアに届きやすくなることが見込めます。
配信に至らない「ハロウィン」のプレスリリース例
今回紹介したステップ順に「ハロウィン」のプレスリリースを作成しても、配信に至らないケースもあります。PR TIMESでは配信することができないプレスリリースの例をいくつか紹介します。「ハロウィン」のプレスリリースを作成する際に、次のような内容になっていないか注意しましょう。
過去配信したプレスリリースと同一の内容を再告知するもの
例:一度開催を告知した「ハロウィン」イベントやキャンペーンなどの情報を「申込者数〇〇人を突破」「販売終了まであと〇日」などタイトルに加筆しただけで、新規公開情報が含まれない
商品・サービスの販売開始日や販売場所が不明なもの
例:ハロウィンギフトの提供を告知するプレスリリースではあるものの、具体的な販売日や販売場所などの情報が含まれていない
調査リリースの配信基準をみたしていないもの
例:「ハロウィン」に関する調査を実施したものの、調査方法や有効回答数など必要な情報が含まれていない
参考:(2022/6/16改定)調査リリースの発表に関する内容
根拠のない最上級表現(最上級表示)が使用されている
例:試験・調査による客観的結果などの根拠がないにもかかわらず、「世界初!最高級かぼちゃだけを使用したプリンのセットを販売」などの最上級表現を記載している
「ハロウィン」をキーワードにした見せ方の違い
「ハロウィン」というキーワードは同じでも、設定したペルソナやプロダクト・サービスの違いにより見せ方は異なります。最後にこの項では、商品・サービスの情報をどのような切り口で発信するのが効果的なのかを、プレスリリースを例に紹介します。
これまでに調べた情報をもとに、自社ならではの提案方法を考えてみてください。
「ハロウィン」のイベントを楽しみたい人向け
事例1.ハロウィン衣装を人気コスプレイヤーの着用写真で紹介
ハロウィンのコスプレを楽しみたい人をターゲットに、オオカミやデビルといったキャラクターをモチーフにした衣装を販売。人気コスプレイヤーの着用写真を掲載し、ハロウィンならではのデザインや特徴をPRしています。
参考:えなこが着用モデルに!ハロウィンにぴったりな新シリーズ「Dusty Comfy(ダスティコンフィ)」がクリアストーンから発売開始!
事例2.バージョンアップしたハロウィンイベントを豊富な写真で訴求
キッズリゾート「レゴランド・ジャパン」にて、期間限定のハロウィンイベント「モンスター・パーティ」を開催。例年よりも豪華になったイベント内容を、複数の写真で紹介しています。
参考:レゴランド®・ジャパンのハロウィンがパワーアップ!キッズ仮装の聖地=レゴランド「モンスター・パーティ」9/22(金)より開催
事例3.新キャラ・クリーチャーが登場する恐怖のハロウィン限定アトラクション
人気テーマパークの恒例イベント「ハロウィーン・ホラー・ナイト」から、期間限定のアトラクションを紹介したプレスリリースです。新たなキャラクターを起用したゲームの内容や、恐怖心をあおる写真をピックアップし、ハロウィンイベントならではの盛り上がりを見せています。
参考:2023年9月8日(金)より、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで『バイオハザード・ザ・エクストリーム+(プラス)』が開催!
「おうちハロウィン」を楽しみたい人向け
事例1.ハロウィンのデザインを施した消臭剤を3種類展開
脱臭剤や防虫剤などを販売する企業が、季節限定でハロウィン仕様の消臭剤を販売したユニークな広報PR事例です。既存商品とは異なり、かわいらしいハロウィンデザインを施した3商品を展開し、「おうちハロウィン」の楽しみ方を提案しています。
参考:【エステー】季節・数量限定品「お家で楽しむファンタジーハロウィン」がテーマのハロウィン限定「消臭力」を新発売~香りは 〈フルーツキャンディの香り〉
事例2.ハロウィン限定のドーナツを期間限定で販売
食べるのがもったいないほどかわいすぎる『ちいさな森のドーナツ』が、今秋にリニューアル。ハロウィン用の特別パッケージを期間限定で販売中であることをプレスリリースで紹介しました。おうちでハロウィンの雰囲気を楽しめるドーナツの広報PR事例です。
参考:食べたいけど、食べたくない!? 可愛すぎる『ちい森ドーナツ』 全粒粉が入ってリニューアル!
事例3.ハロウィンの時期にぴったりな物語を楽しめる新ゲームを発売
「ハロウィン」シーズンにぴったりなゲームの物語と、ハロウィン限定企画の案内をプレスリリースで配信。ゲームの発売情報だけでなく、SNSと連動したハロウィンを記念した【ティスリカのハロウィンパーティー】を開催するなど、ハロウィン仕様の見どころを訴求し、実際のゲーム画面も掲載してプレイ感がイメージしやすいよう工夫されています。
参考:旋律を奏でるファンタジー系美少女RPG『奏でて女子校 ~ なでじょ ~ 』にて、本日より大型アップデート第1弾の「第16章 世界樹・序章」解放!次回実装予定の内容や新販売パッケージの情報も公開!
自分にお金をかけて「ハロウィン」を楽しみたい人向け
事例1.離島の海を眺めながら贅沢な時間を楽しむハロウィン企画
全国各地にリゾートホテルを展開する企業が、離島の宿泊施設でハロウィン企画を展開。珊瑚礁が広がる海を眺めながら、ハロウィンをイメージしたオブジェが眺められます。オブジェの写真に加え、実際に過ごしている様子を紹介して、爽やかなハロウィンイベントの魅力をPRしました。
参考:【星野リゾート リゾナーレ小浜島】ハロウィンカラーの海上カウンター席と海の生き物のオブジェが彩る「南の島のビーチハロウィン」今年も開催|期間:2023年10月1日~31日
事例2.期間限定でハロウィン仕様に変更して提供する、大人のご褒美パフェ
「大人のご褒美パフェ」という商品名で販売しているスイーツを、期間限定でハロウィン仕様に変更した広報PR事例です。ハロウィンのイメージカラーに合わせたブドウや、全体的な材料の組み合わせなど、豊富な写真とともに詳しく紹介しています。
参考:まるで仮装!?ハロウィンの時期にはパープルカラーのパフェに様変わり!「大人のご褒美パフェ~Shine Muscat~&~Halloween Grape~」秋を満喫する2種のご褒美パフェを同時販売
事例3.ハロウィンと秋らしさを兼ね備えたアフタヌーンティー
「アンティーク・ハロウィンアフタヌーンティー」と名付けたアフタヌーンティープランで、黒猫などをモチーフにデザインされたメニューを提供。ハロウィンならではの色味はもちろん、秋らしさも兼ね備えたこだわりに訴求しています。
参考:コンラッド東京、「アンティーク・ハロウィンアフタヌーンティー」を9月1日(金)より提供開始
情報収集で時流を捉えて、効果的に独自の魅力を発信しよう!
日本での「ハロウィン」の過ごし方は、ここ数十年である程度定番化してきていました。しかし最近では社会情勢にともなう人々のニーズの変化によって、楽しみ方が多様化しており、改めて、どのように過ごす日なのかが見直されつつあります。さまざまな情報を集め、時代に即した「ハロウィン」の過ごし方を提案できるとよいでしょう。
画像の作成やキーワードの設定など、普遍的に重要なポイントはあるものの、随時変化を見せる過ごし方のトレンドや生活者の意識にも目を向けることも大切です。時流を捉えたペルソナ像を意識し、その時々に合わせた情報発信を心がけましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
ハロウィンのプレスリリースの書き方に関するQ&A
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