【広報担当者が教える】地方紙とのリレーションの重要性・4つのアプローチ方法を紹介

広報担当者はメディアリレーションズを築く上で、つい主要テレビ局や全国紙に注目してしまいやすいことがあります。しかし実は地方紙とのリレーション構築も重要性が高く、その掲載に大切な役割があります

今回は、地方紙とのリレーションの重要性や、地方紙の特色、地方紙とリレーションを取る4つのアプローチ方法、地方紙向けのネタ5選を紹介します。

広報における「地方紙」とのリレーションの重要性

広報活動における「地方紙」とのリレーションの重要性は、「地元での圧倒的な購読率」「地域密着の話題を大きく取り扱う」「デジタル版が拡散される可能性がある」の3点です。以下に詳しく解説します。

1.地元での圧倒的な購読率

東京にいると気付きにくいですが、実は地方紙は地元で圧倒的な購読率を誇っている場合があります

たとえば9つの都府県で購読率1位、25の道府県で購読率2位の「読売新聞」ですが、沖縄県では上位3紙にもランクインしていません。では沖縄県ではどの新聞が読まれているかというと、「沖縄タイムス」と「琉球新聞」という地元紙がそれぞれ24%以上の普及率を占めているのです。

つまり自社の沖縄県での動向を地元の人々に知ってもらいたい場合は、大手の新聞社ではなく地元の新聞社にアプローチしたほうが効果的だと分かります。

情報をステークホルダーに届けるためにどの媒体にアプローチすべきかは、地域によって異なるのです。自社の取り組みがある地域でよく読まれている媒体を事前に調べるようにしましょう。

参照:読売新聞広告局ポータルサイト メディアデータ『都道府県別上位3紙』

2.地域密着の話題を大きく取り扱う

地方紙では地域密着の話題を大きく取り扱う傾向があります。

全国紙では掲載されないような地域の小規模イベントなどであっても、地方紙であれば写真付きで大きく取り上げられることも。

全国紙に数行掲載されるよりも、地方紙で紙面を割いて掲載される方が地元での影響力があります。

3.デジタル版で幅広くリーチする可能性がある

地方紙のデジタル版で配信された記事が、インターネット上で大きく広がる可能性も軽視できません。

ネットニュースでの情報収集が当たり前となった今、地方紙においてもデジタル化が進んでいます。その中には、デジタル版の記事が大手ネットニュースに転載されたり、SNSで拡散される可能性があるのです。デジタル版の記事は、公開後に関係各位へのURLのシェアが容易だというメリットもあります。

地方紙に掲載されても地元の人しか読まないだろうと優先度を下げてしまうのは、実はもったいないことです。

デジタル版で幅広くリーチする

広報として知っておきたい地方紙の特色

広報担当者が地方紙にアプローチするにあたり、知っておきたい特色とは何でしょうか。

それは「紙面の構成や取り上げているコンテンツ(ネタ)」「管轄しているエリア」「取材方法」の3つです。以下に詳しく説明します。

1.紙面の構成や取り上げているコンテンツ(ネタ)

まずは、ターゲットとしている地方紙の紙面の構成をチェックしてみましょう。

曜日ごとの特集や、その地域で活躍する個人にフォーカスを当てたコーナーなど、どんなコンテンツが含まれているかも洗い出します

次に、経済面、社会面、生活面、文化面、スポーツ面などの、どの面に自社のネタが該当するか考えます。それぞれに担当記者がいるので、自社のネタを扱っている記者に情報提供するためにも、媒体研究は必須です。

2.管轄しているエリア

次に、ターゲットとする地方紙が管轄しているエリアを調べましょう。

ホームページを見れば支局や通信部が記載されているはずです。地方紙では、各支局に配属されている記者が担当エリアの情報をジャンル問わず幅広く取材しています。

自社のネタはどの支局の管轄エリアに該当するのか調べ、そこにアプローチしましょう。

3.取材体制

最後に、地方紙の記者の取材体制を知りましょう。

情報提供の連絡を入れるタイミングや、記者クラブを訪問するのに適切な時間を知るためにも、記者の取材体制を知ることは需要です。

記者と直接やりとりができるようになったら、一日の流れを尋ねてみると良いですね。朝刊・夕刊それぞれの締め切り時間や、その記者が取材に出ている時間と支局で記事を書いている時間などが把握でれば、忙しい時間帯を避けて情報提供できるようになります。

取材風景

広報が地方紙とリレーションを取る・アプローチをする4つの方法

広報担当者が地方紙とリレーションを築こうとアプローチする場合、どんな方法があるのでしょうか。

今回は「記者クラブを訪問する」「新聞社に連絡しアポイントを取る」「署名記事からピンポイントに記者を探す」「記者会見やメディア内覧会を地方で実施する」という4つの方法を紹介します。

1.記者クラブを訪問する

自社のネタが該当する地域の記者クラブを訪問してみましょう。各地域に県政記者クラブや市政記者クラブがあります。

訪問の際は飛び込みではなく、事前に電話し、受付の方に訪問日時を伝えておくとベターです。その際、記者が多く滞在している時間帯などをヒアリングできると良いですね。

記者クラブでは加盟しているメディアすべてに一度にプレスリリースや資料を配布できます。FAXでの投げ込みが可能な場合もありますが、おすすめは各メディアに対して1部ずつ印刷したものを投げ込む方法です。記者の手元にプレスリリースの現物があったほうがそのままメモを書き込んだり思い出したときにパッと取り出したりしやすいためです。必要部数は受付に電話した際に確認しておきましょう。

記者クラブに資料配布に訪れた際、運よく記者が滞在していれば勇気を出して声をかけてみましょう。その場で名刺交換し、手短に要件を伝えます。自社のネタに興味を持ってもらえればその場で話ができる可能性もあります。

記者クラブに滞在している記者は原稿を書いていたり資料を見ていたりと多忙なので、邪魔にならないよう、くれぐれも簡潔に話すように気を付けましょう。

また記者クラブには地方紙の記者だけでなく全国紙の地方支局の記者も在籍していますので、同時にアプローチしてみましょう。

2.新聞社に連絡しアポイントを取る

新聞社に連絡し、記者とアポイントを取るというアプローチ方法があります。支局や通信社の電話番号は新聞社のホームページPR手帳で調べましょう。

電話が繋がったら手短に要件を伝え、担当記者に代わってもらうようお願いします。電話に出た記者がそのまま話を聞いてくれることもあれば、担当記者を紹介されることもあります。その後、「ぜひ直接会ってプレゼンの時間をもらいたい」という旨を伝え、アポイントを取ります。

また、資料を送っておいてくださいと言って電話を切られてしまうことも往々にしてあります。その場合は、いったん電話の内容に従い資料を送るに留めましょう。

3.署名記事からピンポイントに記者を探す

署名記事からピンポイントに記者を探し、その相手にアプローチする方法もあります。

媒体研究をしていると署名記事を見かけることがあります。自社のネタに似たような内容や、自社のネタを売り込みたい特集やコーナーを担当している記者の署名記事を見つけたらメモしておきます。

新聞社に電話をかけ、名指しでその記者に繋いでもらいます。

担当者に代わってもらえたら、「〇〇に関する記事を拝見しました。弊社の〇〇についてぜひ情報提供させていただきたく、〇月〇日に〇分間ほどご面談のお時間をいただけないでしょうか」と頼んでみましょう。アポイントが取れたらその記者とのリレーション構築がスタートです。もしアポイントが取れなくても、メールアドレスを教えてもらいその後も情報提供できるようにしましょう。

withコロナ時代においては、アポイントも対面ではなくリモートを検討しても良いかもしれません。

4.記者会見やメディア内覧会を地方で実施する

自社のネタがある地方で、記者会見やメディア内覧会を実施してみましょう。

記者会見やメディア内覧会のメリットは、一度に多くのメディア関係者との接点を持てるという点や、メディア関係者を自社の社長やキーパーソンと直接合わせることができるという点です。

その地域での新たな取り組みや、その地域の企業との提携、新製品発表などについては記者会見。その地域での新施設オープン等の際はメディア内覧会を実施します。

記者会見やメディア内覧会の案内状は、すでにリレーションがある記者がいればその相手に送付しますが、もしなければ記者クラブに投げ込むのも手です。実際に現地を訪れて持ち込んでも良いですし、郵送での投げ込みが可能であれば必要部数を印刷して郵送しましょう。

withコロナ時代においては、オンラインでの記者会見やメディア内覧会の実施も検討しましょう。オンラインであれば遠隔地にいても記者会見を実施できるというメリットがあります。メディア内覧会の場合は、映像でうまく施設の様子を見せられるように入念にリハーサルしましょう。

記者会見

地方紙向けの広報ネタはどう見つける?5つの切り口を紹介

ここまで地方紙とのリレーションの重要性やアプローチ方法を見てきました。では、地方紙向けの広報ネタはどう見つけたら良いのでしょうか。ここでは5つの切り口を紹介します。

1.支社や支局をその地方に開設

支社や支局をその地域に開設する際は、絶好のアプローチタイミングです。

なぜその地域に支社・支局を開設することにしたのか、これからその地域でどんなビジネスを展開していくのか、支社長・支局長はどんな人物なのかなど、地元のメディアに取材してもらいましょう。

2.Uターン・Iターン社員の活躍

Uターン・Iターン社員の活躍は地元紙で取り上げられやすいです。

まずUターンの場合、一度都市部に出てから地元に戻ってきた社員を取材してもらうというパターンです。地元で頑張る地元出身者は地域でも親近感を抱かれやすく、地元出身の活躍する人を取り上げるコーナーなどで特集されやすいです。社長の出身地域の地方紙に売り込むのも手です。

Iターンの場合、出身地域とは別の地方に移住した社員を取材してもらうというパターンです。高齢化や過疎化が進む昨今、地域で奮闘する移住者は注目されます。その社員がなぜその地域へのIターンを選んだのかなど、背景も併せてネタを売り込みましょう。

3.その地域でのイベント開催

イベントを開催する際は、地域の地元紙に情報提供してみましょう。そのエリアの担当記者がイベントを取材してくれるかもしれません。

地域に活気をもらたすようなイベントや、目新しいイベント、画になるイベント(人がたくさん集まるもの、出店が多く出るもの、ショーなど動きがあるものなど)は取材されやすいです。

4.地方行政と絡んだ取り組み

地方行政(市役所や町役場など)と絡んだ取り組みがある場合、地方紙で取り上げられる可能性が高くなります。地方紙の担当者が地元行政の動向をチェックしているためです。

地方行政の広報担当者はすでに地元メディアとのやりとりがあり連絡先を知っていることがあります。分担してメディア関係者に情報提供したり、一緒に記者会見を行ったりと、協力して広報活動できると良いですね。

5.地元の学校や学生と絡んだ取り組み

地元の小中高校や大学、その学生と絡んだ取り組みも地方紙で取り上げられやすいです。

地方紙の読者は地域密着の情報を得るために新聞を購読しており、その中には学生たちの親世代も含まれているため、学校が絡んだネタは関心を集めやすいのです。

地域の小中学生を対象としたイベントの開催や、学校向けの製品導入事例、インターンとして受け入れている学生たちの活躍など、学校や学生と絡んだ取り組みがあれば情報提供してみましょう。

地方紙へ地域密着ネタでアプローチしよう

本記事では地方紙とのリレーションの重要性や、地方紙の特色、地方紙とリレーションを取る4つのアプローチ方法、地方紙向けのネタ5選を紹介しました。

地元での購読率の高さやデジタル版が拡散される可能性など、地方紙への掲載にはメリットが多いものです。地域密着の取り組みやイベント情報、地方行政や地元の学校と絡んだネタなどでアプローチし、リレーションを構築していきましょう。

この記事のライター

ならきち

在宅ライター主婦。会社員時代は中古IT機器の専門商社で広報をしていました。取材対応をはじめとするメディアリレーション全般、プレスリリース執筆、危機管理対応、記者会見の企画・運営、自社ブログ記事の企画・執筆などを担当した経験を活かし、広報担当者の役に立つ記事を書きたいです。現在はわんぱくな息子に翻弄されながら在宅でライターの仕事をしています。

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