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プレスリリースの基本構成は?構成の作り方・入れるべき要素・注意するポイントを紹介

広報担当者であれば、必ずしも作成することとなるプレスリリース。プレスリリースは、広報活動の基本であり、メディアに対して自社の商品・サービスなど新たな情報を伝えるために必要不可欠です。

プレスリリースを作成する上でマスターしたいのが「構成」。同じコンテンツであっても、そのプレスリリースがメディアの目にとまるか、他の情報に埋もれてしまうかは構成によって左右されます。

この記事では、プレスリリースの構成の作り方や入れるべき要素、構成を決める上で注意すべき5つのポイントをご紹介します。

プレスリリースを書くときの構成の作り方は?基本の考え方と全体像

プレスリリースは、新聞・テレビ・Webメディアなど報道機関に対して、自社の情報を届けるための重要な広報手段です。記者にとっては、記事の元となる情報源であり、取材や番組出演といった報道のきっかけをつくる役割を担います。

しかし、メディアには毎日数十〜数百件のプレスリリースが届くのが一般的で、記者がすべてに目を通すとは限りません。取材や執筆に追われるなか、全文を丁寧に読む時間が取れないというのが現実です。

そのため、プレスリリースは「一目で要点がわかる」構成であることが何より重要です。特に、伝えたい主な情報は冒頭にまとめ、読み進めるほどに詳細情報が加わる“逆三角形型”の構成を意識しましょう。最後まで読まなくても概要が伝わる設計であれば、記者の関心を引きやすく、掲載や取材につながる可能性も高まります。

プレスリリースにはこれらを考慮した、基本的な構成があります。次からは、記者の視点を意識した構成の基本と、プレスリリースに入れるべき主要な要素について、具体的に解説していきます。

プレスリリースを作成している

プレスリリースを作成するときに必ず入れるべき要素

プレスリリースは、主に6つの要素で構成され、それぞれに明確な役割があります。記者や編集者が瞬時に内容を把握し、ニュースとして取り上げるかを判断するためには、これらの要素を適切に組み立てることが重要です。

それぞれの要素がもつ役割を理解しておきましょう。以下で要素別の詳細を解説します。

1.タイトル

タイトルは、プレスリリースの看板を担います。タイトルをまず見て「ニュースとして価値があるかどうか」を判断します。タイトルを見て興味がわかないことには、本文まで読むまでには至らず、本文がどんなに優れた文章でも、無意味になってしまいます。

タイトルといっても、派手な言葉を使ったり、内容とかけ離れたキャッチコピーを使ったりする必要はありません。読み手である忙しいメディア関係者のことを考え、事実を出来る限り簡潔に書き、一目でパッと読めるよう、30文字程度に収めると良いでしょう。

2.リード文

タイトルの次に目を通すのがリード文です。リード文の役割は、「この部分を読めばプレスリリースの内容の根幹がわかる」ことです。

タイトルで興味を持ったメディアは、リード文で「いつ(When)、誰が(Who)、何をする/した(What)」かを読み、ニュースとしての価値があるかを見極めます。読み手が「このプレスリリースは読む価値がある」と判断できるよう、基本的な情報──「いつ・誰が・何を・なぜ・どこで・どのように」──を簡潔に盛り込むことが大切です。

リード文にすべてを盛り込む必要はなく、言い切れなかった要素は本文で補足すれば問題ありません。目安は250~300字程度、最大400字以内に収めます。「【現役広報が教える】プレスリリースの書き方10のコツ・基本の5構成」の記事内にもある通り、5W2H(+展望)にのっとり、発信したいことがコンパクトとなるよう整理してみましょう。

3.本文

本文は、プレスリリースの中核を成すパートで、ニュースの背景や詳細を読み手にしっかり伝える役割を担います。だらだらと書いていては、タイトルやリード文同様、読まれるプレスリリースにはなりません。情報量と読みやすさのバランスを考えながら作成する必要があります。

メディアが取り上げたいと思うニュースは、「①新しい情報であること」「②事実であること」「③社会的な意義があること」の3つの要素が重要です。この原則にのっとって、本文の情報を整理すると良いでしょう。これらを簡潔にまとめるためにも、以下の流れで本文を構成してみてください。

【本文の構成例】

  1. セクションの見出し
  2. 商品/サービスの特徴・詳細
  3. 背景
  4. 今後の展望
プレスリリースを確認している

4.画像

画像は、正確かつ多くの情報を伝えることができ、プレスリリースに目をとめるアイキャッチとしての役割も担います。また、メディアが「どんな画を撮ることができるのか」「どんな記事/企画構成にできるのか」を検討するための材料ともなります。必ず1~2つはプレスリリース内に取り入るようにしましょう

5.企業情報

プレスリリースを読んだメディアが、そのプレスリリースの発信元である企業や団体の事をもともと知っているとは限りません。企業の規模に問わず、簡潔に企業概要を入れておくと親切です。企業サイトのURLを記載することで、発信したプレスリリース以外のニュースについても知ってもらえるきっかけになります。

6.  連絡先

記者からの問い合わせや取材依頼にすぐ対応できるよう、担当者の連絡先を明記しましょう。ニュースには鮮度があるため、プレスリリースを見たメディアからの問い合わせにすぐに応えられるよう、メールアドレスに加えて、可能であれば直通の電話番号や携帯番号、担当者名を添えると安心感が高まります。

連絡先の不備や不明確さは、せっかくの取材チャンスを逃す要因になりかねません。会社の固定電話やメールアドレスだけではなく、携帯電話や担当者名まで記載があると、取材機会を逃さずに済みます。迅速な対応ができる体制を整えることも、プレスリリース運用の一環と認識しておきましょう。

プレスリリースの構成を決めるときに注意すること

基本の6構成についてしっかり理解していても、いざ書き始めると、読み手であるメディアの気持ちになって書けているのか不安になるもの……。どんなことに注意してプレスリリースの構成作りにあたるべきなのか、5つのポイントでご紹介します。

1.一番伝えたいことが何かを整理する

広報担当者としては、プレスリリースは「メディアに情報を届けるための文書である」と捉えると、伝えたいことが溢れてしまうかもしれません。しかし、あれもこれも情報を盛り込んでしまうと、結局何を伝えるためのプレスリリースなのか目的を見失ってしまいます。

プレスリリースを書く前に、何を一番伝えたいのかを整理することから始めましょう。本当に伝えたい情報を届けるために、情報をそぎ落とすことも重要です

2.「逆三角形」を意識する

多忙を極めるメディアにとって、毎日膨大な数が届くプレスリリースを一つひとつ最後まで読むことは不可能なことです。そのため、最も伝えたいことや重要な事柄は、プレスリリースの読み始めの方に書き、後半に行くにつれて詳細などの付随情報となるように、「逆三角形」を意識して構成していきましょう。

3.ニュースバリューのある情報は目立つ位置に

メディアはプレスリリースを、「ニュースになるかどうか=ニュースバリューがあるかどうか」という視点で読みますニュースバリューは、従来にはなかった、または他と差別化できる=「新規性」や、今報道として取り上げる価値がある=「社会性」があるかどうかなどで決まります。発信するプレスリリースの切り口の中に、「新規性」や「社会性」があるかどうかをあらかじめ整理しておきましょう。プレスリリース構成の中でも目立つ位置にキーワードを盛り込んでおくことでメディアからの注目度を高めることができます。

どのような情報がニュースバリューになるのか、以下を参考にしてみてください。

【ニュースバリューのある情報】

  1. 時流・流行・トレンドに乗っている
  2. 斬新的である
  3. 意外性がある
  4. 希少価値がある
  5. 実利・実益がある
  6. 季節性がある
  7. 今までで一番である
  8. 将来性が見込める

4.画像はアイキャッチ。分かりにくい画像は避ける

文字だけで構成されたプレスリリースよりも、画像があることで見やすくなり、また目に留まりやすくなります。とはいえ、目立つ画像であればなんでも良いということではありません。画像は、メディアが報道する際にも使用するものです。プレスリリースの内容を補足したり、想起させたりといった、プレスリリースの内容と即した画像を選定するようにしましょう。

5.A4用紙1~3枚でおさまるボリュームに

プレスリリースは、原則として「1リリース1テーマ」であることがポイントです。要点が散漫し、枚数の多いものは読まれないことが多いでしょう。枚数は多くてもなるべく3枚を上限とし、2つ以上の訴求ポイントを盛り込まないことを徹底しましょう。

読み手の気持ちになってプレスリリースの構成を作ろう!

今回は、プレスリリースの基本的な構成や、構成を決める上で注意すべき5つのポイントをご紹介しました。

初めてプレスリリースを作成する方にとっては、プレスリリースには何を盛り込めばよいのか、何から書けば良いのか等、迷うことがあるかと思います。その際には、「なぜプレスリリースを発信するのか」といった目的に立ち返ってみましょう。

「届けたいニュース」があって、「届けたい相手」がいるからこそプレスリリースを発信するはずです。その相手先の気持ちになって、どうしたら伝わりやすいプレスリリースになるのかという視点で構成を考えると、書きやすくなります。是非、実践してみてください。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

プレスリリースの構成に関するQ&A

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この記事のライター

野崎 有希

野崎 有希

PR Agency、HR TechにてPRとマーケティングを経験したのち、現在は通販会社(ショップジャパン)の広報部に所属。コーポレートPR、プロダクトPR、採用PRの戦略立案に従事。社会人キャリアはずっとコミュニケーションに関わる仕事をしています。人生のミッションは、「みんなの応援団」!周りの方が幸せになるきっかけをPRの力で作りたい。‟その人“の魅力を引き出すインタビュー記事は、読むのも書くのも好き。

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