多岐にわたる企業活動の中、いつ、どんな時にプレスリリースを配信するのか判断することも、広報担当者の大切な役割のひとつです。
そして、企業の公式発表なるプレスリリースでは、自社として広く告知したい内容かどうかだけでなく、社会にニュースとして取り上げられる契機があるのかも判断する必要があります。
本記事では、どのような企業活動がプレスリリース配信の契機となるのか、主な配信機会と、配信準備に活用するとさらに良い配信となるポイントをご紹介します。
※PR TIMESの掲載基準については、以下の記事をご参考ください。
そもそも、プレスリリースの配信機会とは?
プレスリリースとは、報道に活用されることを前提にメディア関係者へ提供する企業の公式文書です。
そのため、いつどんな時にでも配信できるのではなく、企業が新たに行った活動や成果など、新規情報を主旨として伝える内容でなくてはいけません。
企業では日々様々な企業活動が行われ、多種多様なプレスリリースの配信機会が存在します。具体的に配信機会を列挙すると、以下のような活動や成果が配信の契機となります。
プレスリリースの配信機会となる例については、以下の記事からご確認いただけます。
主要な5つのプレスリリースの配信機会と書き方のポイント
本記事では、上に記載した配信機会の中から、特に配信されることの多いものをピックアップし、プレスリリースを作成する際のポイントと好事例を紹介します。
配信機会1.新商品発売・新サービス開始
新商品や新サービスの発売は、PR TIMESでも最も多く配信されているプレスリリース内容のひとつです。
いつから何をどこで発売するのかを記載するのはもちろんですが、新商品・新サービスを提供開始する背景には、解決したい課題や困りごとがあるはずです。その商品・サービスがどのような提供価値を持つのか、社会や購入者・利用者のメリットを明確に表現することが重要です。タイトルやリード文など、プレスリリースの中でも目が向きやすい箇所に記載しましょう。
配信前にココをチェック!by PR TIMES
新商品・サービスに関するプレスリリースで見逃されやすいのが、購入方法や利用方法の記載です。プレスリリース内容を閲覧したとしても、利用の方法が書かれていなければ、利用方法を調べないと利用することができません。実店舗で購入できるのか、オンラインショップでの購入なのか、アプリをダウンロードしないといけないのか、サービスページから利用を申し込むのかなど、プレスリリースを見れば購入・利用できるような動線をつくりましょう。
このように利用方法を明記することで、メディアが記事へ引用する際のハードルを下げることもできます。行動を促すための情報を記載するように心がけましょう。
ベストなプレスリリースの配信タイミングは?
新商品の発売や、新サービス開始に関するプレスリリースを配信する起点となるのは、発売日やサービス開始日です。開始の当日は新規性が最も高い状態になるため、当日もしくは前日に配信することがおすすめです。
開始前に配信をすると、サービスサイトがオープンしていない、利用ができない状態でメディアが情報を受け取る可能性があります。そうすると十分な資料や読者に提供できる情報がないまま掲載を検討せざるを得なくなってしまいます。そのため、参照できる情報が多い状態となる日(=開始日や開始直前)の配信を目指しましょう。
配信機会2.イベント・セミナー開催
イベント・セミナーの開催もプレスリリースで配信されることの多い内容です。
開催発表する場合は、以下の基本情報を欠かさずに記載しましょう。基本情報ですが、情報が抜けていることも多い項目です。
<イベント・セミナー開催のプレスリリースに記載する内容>
- 開催日時
- 開催場所
- 開催方法(オフライン/オンライン)
- 参加費用
- 参加方法
- 登壇者
- 内容
大型のイベントの場合は、イベント開催決定の発表、出演者・登壇者決定の発表、チケットの予約販売開始、特別企画の発表など、あえて発表時期をずらすことで、開催発表から実際の開催まで、社会のアテンションを定期的に保つ手法をとることがあります。
しかしながら、情報を分散することでかえって配信ごとのニュースバリューが薄くなり、掲載機会を逃す可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
配信前にココをチェック!by PR TIMES
イベントに関するプレスリリースを配信する際に特に気をつけたいのが、近いイベント内容が続いてしまうケースです。
イベントやセミナーの概要は、開催日時、開催場所、登壇者など、共通の情報が記載されることが多いです。そのため、イベントやセミナーを多く開催し発表をする場合、よく見比べないと違いがわからない、なんてことにもなりかねません。
イベント・セミナーごとにどのような体験や知見が得られるのか差異があるはずなので、メイン画像を同一のものにしない、タイトルの書き出しを変更するなどして、並びでプレスリリースを確認した際に、差別化を図ることを意識しましょう。
もし内容が同じイベントが連続して開催される場合には、イベントごとではなく企画全体として1つのプレスリリースにまとめることをおすすめします。配信をわけることで情報が細分化されてしまうよりも、全体の説明や開催意図を含めることで、ニュースバリューを高めることができます。
ベストなプレスリリースの配信タイミングは?
イベントの場合、集客がプレスリリースを配信するひとつの目的になります。そのため、開催日の1ヵ月~2週間前を目安に配信をするのがおすすめです。多くの場合、配信直後が閲覧数の山になるため、配信時点でイベントに申し込める状態であることは非常に大切です。
大型のイベントの場合は開催の1年以上前から発表することもありますが、発表後、定期的に追加情報を発信することを前提にしています。早期の発信を行う場合は、その後の配信スケジュールを描きながら、初回の発表を検討しましょう。
配信機会3.リニューアルやサービス内容変更
商品・サービスのリニューアルや、サービスの内容変更もプレスリリースにて配信しましょう。
リニューアルや、パッケージ・提供内容・金額などのサービス内容変更時には、必ず変更の理由と前後の変化が存在します。どのような課題や背景があり変更にいたり、それが変更後にどのように解消されたのかなど、変化の様子を記載しましょう。もし画像がある場合は、前後どちらも掲載することをおすすめします。
配信前にココをチェック!by PR TIMES
これまで複数の変更がある場合には、過去の変更を時系列で表すなど振り返るコンテンツを用意することで、商品・サービスの変遷とともに特徴を伝えることができます。また、既存の利用者が商品のこれまでを振り返る機会を同時に作ることもでき、おすすめです。
ベストなプレスリリースの配信タイミングは?
リニューアルやサービスの内容変更に関するプレスリリースは、変更決定時や変更当日の配信がおすすめです。しかし、プランや金額など事前の告知が必要な内容もあるため、内容に応じて適切な周知期間を設けることを心がけましょう。
また、長年販売している商品などは、変更前に購入したい・使用したいという要望に応えるため、1~3ヵ月など早めの発表もご検討ください。
配信機会4.調査結果の発表
自社サービスのデータを分析したり、調査会社でアンケートを取得した結果を分析し、調査の結果である新たなデータを主旨として、プレスリリースを配信することができます。
調査リリースを出すことで、業界データや独自データを有していることを知ってもらうチャンスになるほか、新商品や新サービスという切り口に依存せずに配信ができることや、営業ツールとして二次利用ができるといったメリットがあります。
また、報道番組での参考データとしての使用や、クイズ番組での回答として使用される例もあり、自社情報の発表では接点が持ちづらいメディアへのアプローチや、掲載獲得の可能性をつくることもできます。
配信前にココをチェック!by PR TIMES
調査リリースは「調査した結果で何がわかるのか?」が重要です。そのため、結果としての数字をそのまま羅列するだけでなく、調査結果からどのようなことが言えるのか、その事実を強調して記載するように心がけましょう。
データの信頼性・正確性も大切です。データの調査対象・調査集計期間・調査方法・有効回答数は必ず明記しましょう。PR TIMESの掲載基準においても、調査概要の記載があるかどうかをチェックしています。
また、調査リリースの場合、画像の用意が難しいことが多くありますが、調査をもとにした記事であっても画像は掲載判断や読みやすさに大きく影響します。データ自体の視認性やわかりやすさを高めるためにもグラフ画像を用意するほか、PR TIMES上では無料利用可能なPIXTA画像も活用し、イメージ画像や関連画像を用意しましょう。
ベストなプレスリリースの配信タイミングは?
調査を行う場合、時節や社会状況にあわせたテーマが設定されやすいです。そのため、時期を逃さないことが最も重要です。例えば新生活に関する調査の場合、3月下旬~4月月初の新生活に注目が集まるタイミングの直前に配信することをおすすめします。
毎月のトレンドを紹介する記事もあるので、参考に配信日を決定しましょう。
調査リリースについては、以下の記事でもポイントを紹介しているので、あわせて参考にしてください。
配信機会5.キャンペーン開催・企画実施
キャンペーン開催や企画の実施に関するプレスリリースも非常に多く配信される内容です。
これらのプレスリリースでは、どこで何ができるのか書かれていない、惜しいプレスリリースが多くあります。LPやキャンペーンサイトがある場合は必ず明記するほか、もしサイトオープンが間に合っていない場合は、思い切って配信日時をずらすこともおすすめします。
配信前にココをチェック!by PR TIMES
キャンペーンをお知らせする場合、画像が用意されていないケースも散見されます。プレスリリースの視認性向上や使用できる素材を提供するために、先にご紹介したPIXTA画像などフリー素材の活用や、LPのキャプチャなどを活用し、画像を設置しましょう。
加えて、キャンペーンや企画は、販売促進の側面が強い場合が多いです。そのような際には、キャンペーンでどのようなものが得られるのか、企画に参加するとどのような体験ができるのかが、ニュースバリューとなります。すべての配信機会に通じますが、キャンペーンや企画を実施するという事実だけでなく、どのようなメリットがあるのかを強調しましょう。
ベストなプレスリリースの配信タイミングは?
キャンペーンの開催や企画の実施に関するプレスリリース配信時には、キャンペーンや企画に参加できる状態であることが重要です。キャンペーンや企画の参加にあたり必要な情報が揃っているかどうかを元に、配信日を決定しましょう。
情報が揃っている場合、開始日当日の配信がおすすめです。キャンペーン開始後に配信されるケースもありますが、その場合「開催中の情報」であるため、ニュースとして記事を掲載することが嫌煙される可能性もあります。開始日当日の配信が難しい場合も、なるべく早い配信を意識しましょう。
それ以外のユニークなプレスリリースの配信機会
主要な配信機会以外にも、プレスリリースの配信機会としておすすめなのは、オフィスの移転・増床・リニューアル時です。オフィスを変更する機会は多くあるわけではありませんが、ぜひプレスリリースを配信してほしい機会のひとつです。
上場している場合、株主への企業動向や事業体制の共有になったり、採用候補者へ自社の魅力を周知する機会になるほか、撮影場所としてのニーズに応えるきっかけを作れる、オフィス訪問や工場見学など特定企画での記事掲載につながる可能性があるなど、中長期的な効果を期待することができます。
PR TIMESでは画像が20枚まで埋め込みできるほか、360°画像の埋め込みもできるので、それらの機能を利用してオフィスの外観・内観がわかる素材を豊富に埋め込みましょう。
<オフィス移転のプレスリリース例>
・株式会社エウレカ「【エウレカ】オフィス移転のお知らせ」
・クックパッド株式会社「クックパッド、WeWork オーシャンゲートみなとみらいへの本社移転を決定」
プレスリリースの配信機会を逃さず、効果を最大化させる
プレスリリースは様々な契機に配信が可能ですが、配信の効果を最大化するためには、ポイントを押さえながら、受け手にとって必要十分な情報を開示することが肝要です。
情報を集めるには準備も必要なため、配信機会とともに、配信に向けてどのような情報を揃えるかを見直し、早い段階で各所との調整を行いましょう。また、十分な情報を集めることを前提に、配信のタイミングもあわせて調整してくださいね。
PR TIMESではプレスリリースについてご相談できる「プレスリリースご相談窓口」を設けているほか、プレスリリース内容だけでなく企画全体の設計やプロモート活動を含めた広報・PR活動のコンサルティングサービスも行っています。お困りの点があれば、お気軽にお問い合わせください。
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