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リカレント教育とは?企業がサポートするメリットや、支援する5つの方法を紹介

社会人の学び直しを指す「リカレント教育」が近年話題を集めています。

欧米では広く行われているリカレント教育ですが、日本ではまだ定着しているとはいえません。日本は諸外国に比べて、企業の人材投資も従業員の学習の機会も少ないことが問題視されています。リカレント教育は官邸の人生100年時代構想会議でも取り上げられ、文部科学省、厚生労働省、経済産業省などが連携して政策を進めています。

本記事では、リカレント教育の概要や重視されるようになった背景、企業がリカレント教育を支援する方法、メリットと注意点などを解説していきます。行政によるリカレント教育を進めるための助成金やリカレント教育を支援する企業の実例も紹介しますので、参考にしてください。

リカレント教育とは?

リカレント教育は、スウェーデンの経済学者であるゴスタ・レーンが提唱し、1970年代に経済協力開発機構(OECD)で取り上げられ世界中で注目されました。

リカレント教育とは、学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。政府広報オンラインでは、リカレント教育を以下のように紹介しています。

参考:「学び」に遅すぎはない!社会人の学び直し「リカレント教育」(政府広報オンライン)

教育イメージ

リカレント(recurrent)は「循環する」「再発する」という意味であり、リカレント教育のイメージは就労と就学を交互に繰り返しながらアップデートしていくというものです。高校や大学などを卒業して働き始めた後に学ぶので、社会人の学び直しともいわれます。欧米では、リカレント教育に集中するために、離職・休職するなどして就労を中断することが一般的です。

日本では、仕事を休んで学ぶだけでなく、働きながら学ぶこともリカレント教育として扱われています。そのため日本のリカレント教育には、大学や専修学校などで長期間学習することに加えて、働きながら週末、夜間に短期集中講座、オンラインも含めた通信講座などで学ぶことも含まれています。

成人してからの学びには生涯学習もあります。リカレント教育では仕事で働く・稼ぐための知識やスキルを学びますが、生涯学習は趣味やレクリエーションなど幅広い内容が対象となる点が異なります。

リカレント教育が重視されるようになった背景

人生100年時代や定年70歳制、第4次産業革命など、私たちの周囲にはかつてないほどの大きな変化が訪れています。このような変化に対応するために、働くための知識やスキルを学び、更新し続ける必要があり、それを実現させるためにリカレント教育が重視されるようになりました。

ここでは、リカレント教育が重視されるようになった3つの背景を解説します。

社会・労働環境の変化

日本人の平均寿命は延び続け、少子高齢化が急速に進んでいる中で、日本の総人口だけでなく、働き手にあたる15〜64歳の生産年齢人口も減少し続けています。2065年には総人口は9,000万人を割り込み、生産年齢人口51.4%に対して65歳以上の高齢者は38.4%になると予測されています。

すでに介護や運輸、建設などでは人手不足が問題視され、今後は日本全体で広がることでしょう。出産・育児や介護などで離職した方、定年を迎えた方や高齢者も働き手として養成することが急務です。

日本型雇用の代名詞ともいわれるのが、年功序列と新卒一括採用をセットにした終身雇用制度です。近年、多くの上場企業により希望退職・早期退職が実施され、従来のメンバーシップ型雇用に加えてジョブ型雇用も登場するなど、雇用制度が変化しており、人材の流動化が加速するといわれています

ワークスタイルの多様化

イギリスの組織論学者、リンダ・グラットンが「人生100年時代」を提唱し、日本でも2017年から安倍晋三内閣総理大臣(当時)が議長となり、人生 100 年時代構想会議が設置されました。日本は世界でも有数の長寿国家でもあり、年齢に関わらず自分らしく暮らし続け、本人が望むなら生涯現役で働き続けられる社会を目指しています。

2021年4月には、 「70歳定年法」とも呼ばれる、70歳までの就業機会確保への努力義務を課す改正高年齢者雇用安定法が施行されました。

今までの日本では「教育を受ける」「仕事をする」「引退して余生を過ごす」と3つのライフステージが明確に分かれていましたが、今後は、就労意欲のある高齢者が働き続けられるように、働くための知識やスキルをアップデートする教育が求められるでしょう

ワークスタイルの変化は、高齢者の就労のほかにもあります。公務員や多くの企業は、かつては副業を禁止しましたが、現在は副業の解禁が進むだけでなく、国が副業・兼業を普及促進するようになりました。複業・パラレルワークやパラレルキャリアにも注目が集まっています。また、コロナ禍によるテレワークで移動時間の負担が減り、空いた時間に自らのキャリアアップを考える人も増えているようです。

業務イメージ

技術革新

ICTやAI、ビッグデータやロボットの活用によってデータ量や処理能力が飛躍的に向上し、技術革新が進んでいます。その結果、第4次産業革命が到来し、2030年にかけて産業構造や就業構造も大きく変化すると予測されています。

第4次産業革命によって導かれる新しい社会が、Society5.0です。Society5.0は、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、人類史上5番目の新しい社会です。第4次産業革命の技術革新によってさまざまな社会課題を解決するSociety 5.0の実現を、国は目指しているのです。

技術革新による変化はIT業界だけでなく、あらゆる業種や業界に及びます。リカレント教育で学ぶことは、ITスキルに特化したものだけとは限らず、第4次産業革命によるSociety5.0で自分らしく働き続けるために、注目されているのです。

リカレント教育とリスキリングとの違い

リカレント教育と同じく、働くための知識やスキルの教育にリスキリングがあります。2020年の世界経済フォーラム(WEF)では「2030年までに全世界10億人をリスキリングすること」と宣言され、新しい人事戦略として注目を集めました。

リスキリングとは、新しく発生する、または内容が大きく変化する職業・業務に対応できるように知識やスキルを習得することを指します。

AIやロボットなどの利用が進むなど、DX(デジタルトランスフォーメーション/Digital Transformation)によって需要が大きくなる職業・業務がある一方で、多くの仕事が奪われて消えていくといわれています。2020年の世界経済フォーラムでは、2025年までに9,700万人分の仕事が新たに生まれ、8,500万人分の雇用が失われると予測しています。

DXについてはこちらでご紹介しています。

リカレント教育が就労と教育を繰り返すことに対して、リスキリングは就労しながら教育を受けます。リスキリングはDXに特化した人材戦略として企業が従業員に実施するものですが、リカレント教育の教育内容はDXを専門にしていないものも含まれていることが2つの違いとなりなります。

企業がリカレント教育を支援する5つの方法

従業員がリカレント教育を受けるために、企業ができる支援にはどのようなものがあるでしょうか。

厚生労働省の令和元年度「能力開発基本調査」によると、自己啓発における主な問題点は「時間」「お金」のほかに、「どのようなコースが自分の目指すキャリアに適切なのかわからない」ことです。

「教育内容」「時間」「費用」の3つの視点から、リカレント教育のために企業ができる5つの支援を解説します。

1.企業内研修を提供する

自社の企業内研修にリカレント教育を追加する・切り替える方法です。

リカレント教育を受ける主な方法は、大学、大学院、専修学校(夜間部・通信課程も含む)のプログラムの受講です。文部科学省では、「職業実践力育成プログラム」(BP)認定制度などさまざまな施策を通して、リカレント教育の講座・プログラムの充実に取り組んでいます。文部科学省による社会人の学びの情報のポータルサイト「マナパス」では、プログラムの検索や在校生・修了生インタビューを読むことができ、参考にするのもいいでしょう。ほかにも、研修教育会社などによるオンライン講座で学ぶこともできます。

文部科学省の積極的な施策はありますが、日本の課題として、リカレント教育を提供できる教員の数が足りていないことが挙げられます。労働市場のニーズをリカレント教育にどれだけ反映できているかに関する国際比較の報道によると、日本はOECD加盟国で最下位でした。日本経済団体連合会の調査では、現状のキャリア形成は企業主導で行っている割合が7割強であり、企業の積極的な関与や支援が引き続き重要であるとしています。

可能ならば、リカレント教育に教員になりうる自社の社員を派遣する、自社で講座・プログラムの企画をする、などを検討しましょう。

2.休職・復職制度を整備する

本来のリカレント教育では、就労を中断して集中して教育を受けます。リカレント教育の効果を自社に還元するためには、リカレント教育を受けることにより離職した従業員が復帰できるように、休職・復職制度を整備しなければなりません

日本では働き方改革が進められていますが、長期休暇を取りにくく、有給休暇ですら消化しきれないことが問題視されてきました。リカレント教育を進めるには、従来の企業文化や意識を変え、長期休暇制度や離職してからの復職制度を整える必要があります。

教育訓練休暇制度を導⼊している日本企業は1割に満たず、導入予定の企業を合わせても2割程度です(内閣府「社会⼈の教育訓練の現状」より)。

リカレント教育にも活用できる休業制度として、「サバティカル休暇」を採用する企業も少しずつですが増えています。サバティカル休暇とは、有給休暇とは別に、リカレント教育などの自己研鑽に限らず、介護やリフレッシュなどのさまざまな目的で取得できる長期休業制度で、日本では、主に大学教員が研究のために取得できる休暇として浸透してきています。

サバティカル休暇も含めて新たな休職・復職制度の整備を、リカレント教育の実施とともに検討しましょう。

休職中の給与の支払いや離職時の退職金などの取り扱いも重要ですが、助成金などについては後述します。

3.時短勤務制度を整備する

先に述べたように日本では、働きながら学ぶこともリカレント教育として扱われていますが、そのための時短勤務制度の整備が進んでいないのが現状です。教育訓練休暇制度と同様に、教育訓練短時間勤務制度の導入も進んでおらず、教育訓練短時間勤務制度を導入している企業は6~7%程度で、導入予定の企業を合わせても、15~20%程度にとどまっています。

働きながら学ぶ場合でも、通常勤務をそのまま継続することはむずかしい場合が多く、勤務後に受講するには残業せずに開始時間に間に合わせる必要があります。休日に受講する場合でも、自習や休息のための時間確保への配慮も必要です。

4.受講料を支援する

リカレント教育として大学・大学院・専修学校やオンライン講座で受講する場合には、その受講料を支援する制度があります。企業内研修としてリカレント教育を提供することも、受講料の支援のひとつです。リカレント教育は独学で行うことも不可能ではありませんが、体系的に効率よく学ぶため、特化したプログラムを受講することが一般的です。

日本におけるリカレント教育に対する行政の補助や企業の支援体制はまだ手薄で、個人が多額の受講料を負担せざるをえない点が問題視されています。自社の従業員がリカレント教育を積極的に受けられるように、受講料の支援体制を検討しましょう。

リカレント教育を受ける方法のひとつとして、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練があります。厚生労働省による教育訓練給付制度では、指定の教育訓練を受講・修了した場合に、その費用の一部が教育訓練給付金として支給されます。教育訓練には3種類あり、最大で受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6ヵ月ごとに支給されることになってます。

参考: 厚生労働省「教育訓練給付制度」

5.キャリアパスとスキルアップの情報を提供する

スキルアップするためにリカレント教育を受けたいと考えても、何を学べばいいのかわからない場合があります。自社の求める人材像とスキルをキャリアコンサルティングなどを通して提示すれば、従業員がキャリアパスを描きやすくなり、学ぶべきことを把握できるでしょう

職業や職務に求められる多様な能⼒の把握や⾒える化のための厚生労働省の取り組みが参考になります。労働市場の「見える化」を目指し、2020年に厚生労働省が「職業情報提供サイト(日本版O-NET*)」を開設しました。このサイトの目的のひとつが、働くためにこれから必要となる学びを労働者自らが情報として得られるということです。

*アメリカでは1998年より職業情報の総合サイト「O*NET(Occupational Information Network)」で詳細な職業情報を無償で提供しています。

厚生労働省はリカレント教育の施策のひとつとして、キャリアコンサルタントに無料で相談できるキャリアコンサルティングを実施しています。

企業がリカレント教育をサポートするときの3つのメリット

リカレント教育は人材育成や定着、事業面にメリットがあり、企業の負担は、従来の研修やOJTよりも大きくなりますが、それ以上の利益をもたらすでしょう。企業がサポートして、従業員がリカレント教育を受けることによる3つのメリットを解説します。

メリット1.高度な知識やスキルを持つ人材を育成

リカレント教育により就労と教育を繰り返すことで、従業員は最新のニーズに合わせた高度な知識やスキルを身につけることができます。従来の研修やOJTではむずかしい、自社で不足している分野の人材の養成も可能です。                  

スキルのある人材を新規採用するよりも、自社を深く理解した既存の社員がリカレント教育でスキルアップするほうが、コストパフォーマンスがよいと考えられます。リカレント教育では従業員が主体性を持って学ぶために、就職前の学生時代より教育効果が高くなることが期待できます。社外で教育を受けた結果、自社のビジネスに役立つ人脈やネットワークを得ることもできるでしょう。

メリット2.生産性の向上や業務の効率化、競争力の向上

近年、諸外国に比べて日本の生産性の低いことが問題視されていますが、OECDのデータによれば、2020年の日本の時間当たりの労働生産性はOECD加盟38カ国中23位でした。グローバル化の現代において国際競争力を高めるには、生産性の向上が必要です。

リカレント教育によって、企業は知識やスキルを獲得した専門性の高い人材育成を行うことができます。従業員一人ひとりの能力が高まることで、業務の改善や効率化が進んで生産性が向上するでしょう。自社のサービスや商品の品質が向上した結果、業績の向上や増益、自社の競争力が強化されることが期待できます。

メリット3.人材の定着

生産年齢人口の減少や人材の流動化の進行に対応するには、自社内に人材を定着させることが大切です。

従業員はリカレント教育を通して、自らのキャリアパスを描きやすくなります。自社内でスキルアップできるとわかれば、意欲の高い従業員がキャリアアップのために離職しようと考える必要がなくなります。その結果、従業員が自社で長く働き続けようとする意欲が高まり、人材の定着が向上するでしょう。

リカレント教育を支援することで、自社がキャリアを尊重していると従業員が理解すれば、自社への信頼感や帰属意識などロイヤルティの向上も期待できます。

出産・育児、介護などライフステージの変化によって、離職せざるをえなかったり、ワークスタイルを変えざるをえなかったりなど、キャリアにブランクが生じることもありますが、リカレント教育で知識やスキルをアップデートして、ブランクを埋めて復職しやすくすれば、自社への理解が深い人材の離職を防げるでしょう。

企業がリカレント教育を取り入れるときの3つの注意点

リカレント教育は、従来の日本型雇用制度にはなかったものなので、リカレント教育によって従業員のスキルが向上することは好ましいですが、新たな制度の設計やコストの負担が必要になり、新たなリスクも発生します。リカレント教育を取り入れるときに、企業が注意すべき3つのポイントを解説します。

注意点1.制度の整備が必要

従業員がリカレント教育を受けるには、休職・復職や時短勤務に関わる制度が必要です。受講期間中には仕事を代行する人材の調整や、休暇中の給与や福利厚生の取り扱いなどの課題が見えてきます。

リカレント教育受講後に、通常業務に復帰してからの不安も解消しなくてはなりません。学んだことを生かせる仕事をすることができるか、受講期間によるブランクが人事評価にマイナスになるのではないか、などの心配があると、リカレント教育をためらうことになるでしょう。

リカレント教育の受講成果を評価し、その後の仕事内容や人事評価に正当に反映させる制度を整備しなければなりません。リカレント教育を受ける前に準備して、理解を広めることが必要です。

注意点2.転職・人材流出のリスク

リカレント教育によって従業員のスキルが向上すれば、自社にとって魅力的な人材になると同時に、他社からも優秀な人材と判断されるでしょう。

その従業員が自社内でリカレント教育の成果を発揮できないと感じると、他社への流出のリスクが高まります。リカレント教育を支援した後に、その従業員が自社を離れることになると、リカレント教育の成果が還元されずに負担だけが発生することになります。

前述のとおり、リカレント教育受講後の見通しが立ち、従業員が不安にならないようにすることが大切です。

注意点3.費用が必要

リカレント教育を進める企業には、さまざまなコストが発生します。国や行政によるリカレント教育への支援が用意されていますので、利用を検討してください。

厚生労働省の人材開発支援助成金には、4つのコースがあります。

「教育訓練休暇付与コース」は、リカレント教育のために従業員に教育訓練休暇制度を導入し、従業員が休暇を取得すると導入経費と教育訓練休暇中の賃金の一部が助成されます。30日以上の休暇を付与する長期教育訓練休暇制度なら、賃金と経費が助成されます。賃金が最大150日分助成されて、1日あたり6,000円(生産性要件を満たす場合: 7,200円)、経費助成は20万円 (生産性要件を満たす場合: 24万円)です。

地方自治体でも、個人や起業を支援する助成金や、リカレント教育のプログラムの提供を行っていますので、ぜひ確認してみてください。

リカレント教育を取り入れている企業の事例

諸外国に比べて日本ではリカレント教育の普及が遅れているとはいえ、既存の人材育成や福利厚生の枠を超えた制度やシステムを導入する日本企業もあります。リカレント教育に特化していないものも含めて、日本企業の事例を見ていきましょう。

事例1.サントリーグループ 

酒類や清涼飲料など幅広く食品事業を展開するサントリーグループでは、人材育成プログラムとして「自己啓発支援プログラムSDP(Suntory Self-Development Program)」を整備しています。

このプログラムは、従業員一人ひとりが自分らしく、いきいきと働き、自己成長していくためには、自らの仕事人生に自ら責任を持って前向きに主体的に努力し続けることが必要との考えから導入されました。

自己啓発支援プログラムは、応募型研修*、英語力強化*、eラーニング、通信教育通学費補助制度の4つに分かれています。応募型研修では、従業員自らが描くキャリアプランを実現していくために、約40種のコースから必要なビジネススキルの習得ができるものを選ぶことができます。

*本人の意思に基づく任意参加制であり、研修費用の一部を会社が負担します。

参考: サントリーグループ 人材育成

事例2.株式会社ミクシィ

デジタルエンターテインメント事業を展開するミクシィでは、自己研鑽を支援するスキルアップとして4つのメニューを用意しています。

費用を全額ミクシィが負担する「選択型研修」は、社外の教育機関が開催するビジネス研修を自分で選択して受講できます。自分が学びたい、身につけたいと思う内容に合った講座を選択できます。

このほかにも、英語学習やプログラミング学習など、業務成果につながるようなパートナー企業のサービスを特別優待で利用が可能な「パートナーシッププラン(法人特別優待)」もあります。ビジネス書・自己啓発本・技術書など書籍の購入を支援する「書籍支援制度」のようなユニークなものもあります。

参考: 人財育成|サステナビリティ|株式会社ミクシィ

事例3.サイボウズ株式会社

さまざまなクラウドサービスを提供するサイボウズは、テレワークが広がる前の2010年から在宅勤務制度を始めるなど、ワークスタイル変革に早くから取り組んでいます。

2012年に導入した「育自分休暇制度」では、退職後も最長6年間はサイボウズへの復帰が可能で、リカレント教育や海外ボランティアなどにも利用されています。「働き方宣言制度」も、リカレント教育、育児、介護、副業や復業など個人の事情に応じて、勤務時間や場所を決めることができる制度となっています。

どちらもリカレント教育に特化したものではありませんが、「離職して学び終わった後に、もとのように仕事を行うことができるか」「学ぶための時間を確保できるか」という教育を受ける際の障害を取り除くことができ、注目を集めています。

参考: ワークスタイル | サイボウズ株式会社

人材の育成や定着、企業の成長にもつながるリカレント教育

人生100年時代やワークスタイルの多様化、AIやロボットなどデジタル技術の発達など、ビジネスを取り巻く環境の大きな変化に対応するためには、既存のものより効果の高い人材教育が必要となってきます。諸外国で広まっているリカレント教育は、グローバル化が進む日本でも必要な人材教育になるでしょう。

リカレント教育には制度の整備や、企業と従業員の意識や理解が必要であり、コストなど課題もありますが、従業員の能力が上がることで、業務の改善や効率化が進み、自社の競争力の向上も期待できます。

日本にもリカレント教育を広げようと、省庁も連携して取り組んでいます。今こそ、企業価値の向上と組織の活性化を目指して、リカレント教育の導入を検討してみませんか。

リカレント教育に関するQ&A

リカレント教育とは?
リカレント教育とは、社会に出た後も必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことを指します。リカレント(recurrent)は「循環する」「再発する」という意味です。
社会や労働環境の変化、副業の普及など働き方の多様化、技術の進歩により、リカレント教育が重要視されるようになっています。
リカレント教育とリスキリングの違いは?
リスキリングとは、新たに発生もしくは変化した職業・業務に対応できるよう、知識やスキルをあらためて習得することを指します。
・リカレント教育が就労と教育を繰り返すのに対し、リスキリングは就労しながら教育を受ける
・リスキリングはDXのため企業が従業員に実施するのに対し、リカレント教育の内容はDXに限られていない
という2点が異なります。
企業がリカレント教育をサポートするメリットは?
・従業員が高度なスキルや知識を身につけることで、自社への理解が浅い外部人材を採用するよりコストが削減できます。
・従業員の能力が高まることで、業務の改善や効率化が進んで生産性の向上が期待できます。
・キャリアアップのための離職を防ぎ、人材の定着率向上が期待できます。
企業がリカレント教育を取り入れるときの注意点は?
・休職や復職、時短勤務についてや、教育の成果を評価する人事制度の整備が必要です。
・スキルを身につけた従業員が他社に流出しないよう、教育成果が発揮できる環境を用意しましょう。
・発生するさまざまなコストに対し、国や行政から補助金が出ることもあるので確認しましょう。

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この記事のライター

松本由紀子

PR会社にて広報戦略の立案、ニュースリリースの作成、記者発表会の企画・運営、メディアキャラバン、取材誘致やインタビューアレンジなど広報・PR全般に従事。出産を経て、現在はフリーランスで広報・PR、ライター業務を行う。食品、化粧品、飲食店、情報家電、その他多くの業種での経験を生かして、広報パーソンの皆様に有用なコンテンツ提供を目指します。

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