自社の新情報に関するプレスリリースは、新規情報をまとめるだけでなく、時節やトレンド情報をうまくかけ合わせることで、よりニュースバリューが高まります。トレンドキーワードをフックにプレスリリースを配信することで、商品・サービスの情報は、メディア関係者だけでなく、生活者にも届きやすくなります。
本記事では「文化の日」をピックアップ。「文化」と一口に言っても、その意味合いはさまざまです。そのため、商品やサービスなど自社の情報に関するプレスリリースを「文化の日」に合わせて配信することを検討してもよいかもしれません。
芸術関連団体はもちろん、イベント業界や飲食業など幅広い業界の方にとって活用しやすいトレンドのため、ぜひ参考にしてみてください。
「文化の日」をプレスリリースに活用するSTEP
11月3日は国民の祝日「文化の日」として広く知られていますが、どのように過ごす日なのかがいまいちよくわからず、プレスリリースへの落とし込み方に悩む広報PR担当者も少なくないと思います。
本記事では、トレンドキーワードをプレスリリースに活用する基本の8ステップをベースに、「文化の日」を絡めたプレスリリースの作成から配信する方法をご紹介。8つのSTEPの中でも、特に役立つポイントを事例とともに解説していきます。
基本となるステップについてはこちらの記事をご確認ください。
画像素材にこだわる
高尚な、いわゆるハイカルチャーに限らず、どんな文化を発信するのであれ、画像素材にこだわったプレスリリースを作成するのは重要です。画像素材を活用することで、テキストだけでは伝えにくい魅力も存分に伝えることができます。
芸術系の場合、作品の画像や演技の画像・映像を掲載するのが有効です。どのような作品が見られるのか、どのような公演が見られるのかを、予告編としてメディアや生活者に伝えましょう。
例えば以下は、動画配信サイトで開催される美術館特別展の放送告知です。長野県立美術館で実際に公開される展示の一部を、簡単な概要とともに写真で紹介しています。文字だけではイメージしづらい展示物を複数ピックアップし、視覚にアプローチすることで企画内容が具体化されたプレスリリースです。
参考:【放送告知】長野県立美術館特別展「葛飾北斎と3つの信濃-小布施・諏訪・松本-」ニコニコ美術館の生放送が決定しました。
また、ほかの業種の場合でも、画像へのこだわりは大切です。例えば飲食業界で料理の画像を通して「食文化」を伝えるのであれば、メニューを美味しそうに見せたり、味わいを想起させる工夫が求められます。なおイチオシの画像は、ファーストビューを意識して序盤に挿入するのがおすすめです。
以下は「文化の日」にちなんだプレスリリースではありませんが、郷土料理作りの体験イベントについてプレスリリースで紹介。宇治茶の生産地として知られる地域の様子や、茶そばの写真を記事冒頭に掲載しています。
参考:【フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト】和束町の豊かな食文化に触れる、郷土料理作り体験イベントを開催。
業界を問わず、魅力的な写真を掲載することはもちろん重要ですが、加えて多様な素材を準備することも重要です。これによって、メディアにとっての取り上げやすさは向上し、さらに生活者にとっても抽象的な「文化」が、具体的にどのようなものなのかのイメージも湧きやすくなります。
なお、PR TIMESではプレスリリースの本文に利用しない画像もアップロードすることができます。豊富に用意した素材はなるべく多くアップロードすることをおすすめします。
プレスリリースにおける画像については以下の記事なども参考にしてみてください。
情報収集して傾向をチェック
「文化の日」は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という意義の下、1948年に法律で定められた国民の祝日です。「文化の日」は秋の叙勲などが授与され、皇居では「文化の発達に関して顕著な功績のあった」人に対して文化勲章の親授式が開かれます。また、美術館や博物館などの無料開放や文化祭、野外イベントなども多く行われています。
「文化」というキーワードから、美術・音楽・文芸などをイメージし、「自社には関係がなさそう」と考えている広報PR担当者もいるかもしれません。しかし「文化」という言葉は非常に広義でありとても複雑です。文化庁の組織図(※)から、大きなカテゴリーを見てみると、以下のようなものを「文化」として捉えることができそうです。
- 国際文化
- 日本語
- 著作物(文芸・芸術・学術・音楽など)
- 有形文化財・無形文化財
- 宗教
- 生活文化
- 芸術文化・映画
- 食文化
これらからもわかるように、文化にはさまざまな側面があるのです。どのようなプロダクト・サービスであっても、上記のいずれかの文化に当てはめることはできるかもしれません。自社でもなにかしらの文化を持っていないか、また促進しようとしていないか、改めてチェックしてみると新たな切り口が見つかるはずです。
さまざまな催し物が開かれることの多い「文化の日」は、実はここ数年で生活者の関心が高まっています。Googleトレンドで過去5年間の「文化の日」の検索数を調べてみると、2019年以降毎年検索数が増えていることがわかります。
せっかく世間の注目度が上昇しつつある「文化の日」を効果的に広報PR活動に活かすには、その年ごとの傾向を捉えることが大切です。
今年の「文化の日」の傾向を把握するには、生活者の意識を調べるのが近道です。プレスリリースの配信スケジュールに余裕があれば、自社の顧客を対象にアンケートを実施してみてはいかがでしょうか。
「文化の日」に関する生活者の意識やニーズが把握できるのでアプローチの方法も明確になるでしょう。さらに、結果を数字で表すことができればプレスリリースにも説得力が加わります。
<アンケート項目の例>
- 「文化の日」の意味や由来を知っていますか
- 「文化の日」はどのように過ごしますか
- 「文化」というキーワードで連想するものはなんですか
- どのような文化に興味がありますか
自社で調査を行う場合は以下の記事も参考にしてみてください。
またインターネットの検索結果、SNSなどから情報収集するのもおすすめです。情報収集の時点では、自社商品やサービスとの関連性はあまり気にしなくて構いません。広く市場の傾向を掴む糸口として一般的なワードで検索してみましょう。毎年多くの人が検索しそうな複数のキーワードで情報を集めてみてください。
多くの人が気になっている情報はメディア関係者も注目しています。そこから、今年ならではの切り口が生まれるかもしれません。
<検索キーワード例>
「文化の日 トレンド」「文化の日 2024」
「文化の日 イメージ」「文化の日 過ごし方」
「文化の日 イベント」「文化の日 おでかけ」など
世間の注目度の上昇もあることから、今年も文化を感じられるさまざまなイベントが開催されることが予想されます。しかし、悪天候や災害の発生、開催場所や出演者の事情などによって中止や延期・開催方法の変更といった判断をせざるを得ないこともあるでしょう。
由来を調べる
11月3日の「文化の日」は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という意義の下、1948年に法律で定められた国民の祝日です。
しかし実は、明治天皇の誕生日であることから、文化の日が制定される以前の明治時代から祝日とされていました。戦前は元旦(新年節)と並ぶ四大祝日(四大節)のひとつとして広くお祝いされていたのです。
終戦後の1946年の11月3日に平和憲法で知られる日本国憲法が公布されると、その2年後、憲法の公布日として「文化の日」になりました。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」が意義とされているのは、この日が平和主義を国内外へ宣言した日であることと関連しています。
由来や本来の意味などを調べることで意外な側面を知ることも多いものです。また、時代の変化とともに、まったく新しい形で親しまれるようになっているケースもあります。
地道なリサーチではありますが、本来の意味や由来、新たな側面を見いだすことは、トレンドを活用した情報を発信するうえで、土台となる基礎知識となります。
調べた情報を箇条書きで整理
文化の日がさまざまな側面を持つことはわかりましたが、製品やサービスの情報発信に活用するためにも関連性を見つけていきましょう。
ここで重要になるのが、調べた情報と自社製品やサービスの魅力の整理です。さまざまな情報整理方法がありますが、今回はシンプルでわかりやすい、箇条書きを使った整理方法をご紹介します。
<飲食業界の例>
- 文化には「食文化」も含まれている
→真新しい新メニューの発表で、新たな「食文化」を作る - 「国際文化」もまた文化である
→世界各国のご当地料理アレンジメニューを提供し、文化体験を促す - 「言語文化」の観点では、現在〇〇語が絶滅するといわれている
→絶滅が危惧されている〇〇語を語源とする地名を巡る旅行プランを提案
このようにポイントを整理し、どのような関連性があるのか今一度整理しましょう。考えたポイントをすべて用いる必要はありません。無理やり結びつけてしまっていないか、周りの方の意見も聞きながら、納得感のあるポイントを選びましょう。
細かな配信設定を活用してプレスリリースを配信
プレスリリース配信サービスのなかには、細かな設定が行えるものもあるでしょう。プレスリリースは、さまざまな設定を活用して配信することも大切です。PR TIMESから配信する場合は、「文化の日」「文化」といったキーワードを設定しましょう。そうすることで、自社の情報が文化の日に関連しているものであることがわかりやすくなります。
また、実際に体感するような企画が多いことから、地域性もポイントになってきます。PR TIMESでの発信であれば、位置情報設定を活用することで、地元のメディアや生活者に届きやすくなります。誰に届けたいのかペルソナ像もイメージしながら、配信設定を最大限活用しましょう。
PR TIMESでは、配信するプレスリリースに関連するURLを自由に設定することができます。プレスリリースで発表する製品やサービス、イベントなどに関する特設サイトや参考資料などがある場合はプレスリリース配信設定画面の一番下(キーワード設定の直後)に「関連URL」を記載しておきましょう。プレスリリースだけでは伝えきれなかったより詳しい情報を届けることができるでしょう。
設定機能をうまく活用することで、メディアだけでなく、主体的に情報を探す生活者にも届きやすくなります。自社が利用するプレスリリース配信サービスでできることを今一度チェックしてみましょう。
<参考:PR TIMES MAGAZINEノウハウ記事>
【PR TIMESノウハウ】キーワードの表示先と設定するときの5つのポイント
【PR TIMESノウハウ】プレスリリース配信のための入稿方法は?基本の7ステップを紹介
【PR TIMESノウハウ】関連URLの表示場所・設定するべきURLとは?
情報の整理とこだわりの画像で自社らしい文化を発信しよう
「文化の日」は、美術や音楽といった芸術系の業界が盛り上がるイメージが強くありますが、実は幅広い業界で活用できるトレンドです。
文化というものは漠然としているため、多くの方に活用できるチャンスがある一方、取り扱いが難しく関連のプレスリリースも多くありません。情報を整理して、自社との関連性を分かりやすく示すことが重要です。
画像や配信設定も活用し、より効果のあるプレスリリースに仕上げましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE>
文化の日のプレスリリースの書き方に関するQ&A
PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法と料金プランをあわせてご確認ください。
PR TIMESの企業登録申請をするPR TIMESをご利用希望の方はこちら企業登録申請をする