広報PR活動に欠かせないプレスリリース。しかし、初めて発表する際は緊張したり、何から始めればよいか迷ったりする方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、初めてでも安心して取り組めるよう、プレスリリースを発表する際の基本的な手順や方法、押さえておきたいポイントなどをわかりやすく解説します。
プレスリリースを発表する3つの方法
プレスリリースを発表する方法には、目的やリソースに応じていくつかの選択肢があります。配信サービスを活用して広く届ける方法から、自社メディアを使った発信、メディア個別へのアプローチまで、それぞれにメリットと注意点が考えられます。
ここでは、代表的な3つの方法について詳しく紹介します。
1.プレスリリース配信サービスを利用する
「PR TIMES」などの配信サービスを利用することで、複数のメディア関係者に一斉に情報を届けることができます。配信サービスは、短時間で広範囲に配信できるのが大きな魅力のひとつではないでしょうか。
ただし、掲載は保証されておらず、内容によってはメディアに取り上げられないことも。プレスリリースの構成や話題性が問われるため、見出しや本文の書き方にも工夫が必要です。
2.自社メディア・ブログで公開する
自社のWebサイトやブログでプレスリリースを発表すれば、自社のファンや既存顧客に直接情報を届けることができます。ブランドや商品への関心が高い層に伝えられるのが強みです。
ただし、自社メディアのアクセス数が少ない場合、情報の拡散力には限界があります。より多くの人に届けたい場合は、たとえばSNSの活用など他の方法と併用するのがおすすめです。
以下の記事では、プレスリリースをホームページに掲載している事例を紹介していますので、自社メディアを活用されたい方はぜひご覧ください。
3.メディアリストを使って個別送付する
自社で整備したメディアリストをもとに、記者や編集部にメールや電話で個別にアプローチする方法です。情報の魅力や取材意図を直接伝えられるため、メディアに取り上げられる確率が高まります。
一方で、リストの整備や媒体ごとにカスタマイズした丁寧な対応が求められるため、工数がかかる点には注意が必要です。
そのほかSNSで発信、記者発表会・説明会の開催
自社のSNSアカウントでプレスリリースを発信することで、フォロワーや生活者に直接情報を届けることができます。ただし、フォロワー数が少ないと拡散力が限定的です。
一方、新商品や経営方針など、重要な発表の場合は、記者発表会や説明会の開催も有効です。記者との関係構築や、詳しい情報を直接伝えられるメリットがある反面、準備や会場設営などに時間とコストがかかる点には注意しましょう。
プレスリリースを発表するまでの5つの手順
プレスリリースは、ただ配信すればメディアに取り上げられるわけではありません。効果的に発表するためには、事前準備から配信後のフォローまで、戦略的に進めることが重要なポイント。
ここでは、初めての方でも安心して取り組めるよう、プレスリリースを発表するまでの5つの基本的なステップと、それぞれのポイントを解説します。

STEP1.目的と対象者を明確にする
まず最初に行うべきは、「誰に」「何を」伝えるのかという対象者と目的明確化です。
たとえば、新商品・サービスの認知拡大、イベントの集客、メディア取材の獲得など、目的によって発信内容や配信先が変わります。一般的にはメディア関係者が主な対象ですが、業界関係者や生活者など、情報を届けたい層をより具体的にイメージしましょう。
プレスリリースの発表は「誰に向けて何を伝えるか」で、大きく変わります。以下の記事では、プレスリリースを配信する目的と使い方を解説していますので、ご参照ください。
STEP2.プレスリリースの内容を整理・企画する
次に、伝えたい情報にニュース性があるかを確認し、伝え方を企画していきます。
内容は「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやって)」もしくは、5W2H(+展望)の観点で整理すると、読み手に伝わりやすくなります。
記事として成立するように、プレスリリースで何を伝えたいかを明確にすることが大切です。また、写真・図・グラフ・データ資料などの補足素材を用意しておくことで、よりわかりやすく、メディアに取り上げられやすくなるでしょう。
STEP3.プレスリリースの原稿を作成する
原稿作成では、「誰が読んでも正確に伝わる構成」が求められます。
タイトルはひと目で魅力が伝わるキャッチーなコピーを意識し、リード文では要点を簡潔にまとめましょう。本文では背景や詳細な情報、企業の想いや問い合わせ先などを丁寧に記載します。記者がそのまま記事化できるほどの正確さと完成度を意識するとより効果的。
読みやすさや論理的な構成も意識し、何度か読み返してブラッシュアップすることが大切です。
また、「業界別」×「配信機会別」のおすすめテンプレートも用意しています。プレスリリースの原稿を作成する際の参考にしてみてください。
STEP4.配信方法・タイミングを決める
プレスリリースの原稿が完成したら、配信方法とタイミングを検討します。
「PR TIMES」などの配信サービスを利用すれば、効率的にメディアへ情報を届けられますし、SNS発信や個別送付など、目的に応じた手法も併用できます。
また、プレスリリースの効果を高めるには、配信日時の設定も重要。火曜〜木曜の午前中など、記者の目にとまりやすい時間帯に配信することで、掲載率が向上しやすくなります。
以下の記事では、記者の目にとまりやすいプレスリリースの配信タイミングについてまとめています。
STEP5.配信・フォローを行う
配信後は、ただ反響を待つだけでなく積極的なフォローも実施するとよいでしょう。
SNSや自社メディアでの告知投稿に加え、個別にメディアへ連絡を入れたり、必要に応じて記者のもとへ直接出向く「メディアキャラバン」などを行ったりするのも有効です。
フォローの際は、プレスリリースの補足説明や取材依頼を行い、接点を深めるチャンスでもあります。メディアキャラバンなどで直接持ち込むのもよいでしょう。さらに、掲載状況や反応をチェックし、効果測定を行うことで、次回以降の施策に活かすことができます。
メディアキャラバンについては、以下の記事を参照ください。
効果測定は、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
プレスリリースを発表するときの5つのポイント
企業や団体が情報発信を行ううえで、プレスリリースは欠かせない手段のひとつです。しかし、ただ情報を届けるだけでは、メディアや生活者の関心を引くことはできません。伝えたい相手に確実に届き、記事化や拡散へとつなげるには、いくつかの重要な工夫が求められます。
ここでは、プレスリリースを効果的に発信するために押さえておきたい5つのポイントを解説します。

ポイント1.メディアフックを意識する
プレスリリースには、「ニュース性」や「新規性」といった「報道価値」が不可欠です。単なるお知らせにとどまらず、メディア関係者が「取り上げたくなるネタ」であるかどうかを意識する必要があります。
たとえば、社会的なトレンドとの関係性や、既存の常識を覆す要素があるかどうかは重要なポイントのひとつ。報道側の視点に立ち、「この情報は今、どんな意義があるのか」を明確に伝えることで、注目度を高めることができます。
メディアフックに関する詳細は、下記からご確認ください。
ポイント2.ひと目で内容が伝わる「タイトル」をつける
タイトルは、プレスリリースの第一印象を決定づける非常に重要な要素です。誰にとって、何の情報なのかがひと目でわかるように心がけましょう。
注目を集めるには、数字や固有名詞を活用したり、「初」「限定」「無料」などの言葉を入れるのも有効です。また、タイトルだけで話題性や意義が伝わるかをチェックするのもポイント。忙しい記者や、読み手の目に留まる工夫が求められます。
以下の記事では、プレスリリースのタイトル事例を紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
ポイント3.メディア関係者・生活者の目線を入れた構成にする
記者や生活者がストレスなく内容を理解できるよう、構成には十分な配慮が必要です。プレスリリースには、要点を簡潔に伝えるリード文、背景や詳細を説明する本文、会社情報や問い合わせ先などを適切に盛り込みましょう。
特に記者にとっては「そのまま記事にしやすいかどうか」が重要視されるため、読みやすく、情報が整理された構成を心がけることが、採用されやすさにつながります。
以下の記事では、プレスリリースの基本構成を解説しています。
ポイント4.画像や動画などのビジュアルを添える
文章だけでは伝えきれない情報も、画像や動画を活用することで、視覚的に訴求できます。
たとえば、商品の写真や使用シーン、インフォグラフィック、関係者の表情がわかる写真などは、読み手の理解を助け、印象にも残りやすくなるでしょう。動画を加えることで、さらに情報量や臨場感を高めることも可能です。
ビジュアルは、リリースの内容を補強する重要な要素として活用しましょう。
プレスリリースにおすすめの画像は、以下の記事を参考にご覧ください。
動画については、以下の記事を参照ください。
ポイント5.発表後のフォローアップも丁寧に行う
プレスリリースは「出して終わり」ではありません。配信後の反応をチェックし、関心を示したメディアには優先的に個別連絡を行いましょう。
メールや電話で補足情報を伝えたり、取材の機会を案内したりすることが、掲載につながることもあります。また、自社SNSやメルマガ、営業資料などへの転用によって、情報の波及効果をさらに広げることも可能です。丁寧なフォローが、継続的な広報PRの成果を生むカギにもなるでしょう。
プレスリリース配信後の活用に関しては、下記の記事も参照ください。
初めてPR TIMESでプレスリリースを発表するときの手順
プレスリリース配信サービス「PR TIMES」は、企業の広報活動を強力にサポートしてくれるツールです。しかし、初めての利用では「何から始めればいいのか」「どのように進めればよいのか」と戸惑うこともあるでしょう。
ここでは、PR TIMESを使って初めてプレスリリースを配信する方に向けて、登録から公開までの基本的な流れを5つのステップに分けてご紹介します。
STEP1.PR TIMESに企業本登録・配信プランを選ぶ
プレスリリースを配信するには、まずPR TIMESで企業の本登録を行う必要があります。企業情報や代表者名などを入力し、審査を経てアカウントが承認されると利用が可能になります。
企業登録を申請する方法の詳細は、以下の記事をご覧ください。
登録完了後のデフォルト設定は「従量課金プラン」となります。企業登録を申請する時点ではプランを選択できず、企業登録完了後はデフォルトで従量課金プランが設定されています。料金プランの変更は、管理画面にログイン後「設定」>「料金プラン」から行います。自社の配信頻度や予算に応じて適切な料金プランを選択しましょう。
プランについては、以下の記事を参照ください。
STEP2.企業ページ・プレスキットの登録をする
企業ページとは、PR TIMESを通じて発信されたプレスリリース(およびPR TIMES STORY)を、アカウントごとに一覧で確認できるページのことです。
企業ページの設定は、管理画面の左メニューで「企業ページ」を選択>「企業ページ」の項目から行います。
プレスリリース配信までの流れ「STEP2.企業ページの設定をする」より
企業ページでは基本的な企業情報、カバー画像やアイコン(ロゴ画像)、企業説明文、公式SNSへのリンク、プレスキットなども設定できます。
企業ページで設定できるもの
- 企業説明文
- ロゴ画像
- カバー画像
- フォロワー機能(後述)の使用有無
- SNS(Facebook、X(旧Twitter)、YouTube)アカウントへのリンク表示の有無
画面上部の「プレスキット」タブを選択すると、プレスキットとして表示させたい画像や資料のアップロードも可能です。
企業ページの設定方法の詳細は、以下の記事を参照ください。
プレスキットの活用メリットについては、こちらをご覧ください。
STEP3.メディアリストの作成
プレスリリース配信に欠かせない「メディアリスト」。
PR TIMESのメディアリストは、管理画面の左側にあるメニューから「メディアリスト」>「メディアリスト新規登録」を選択し、作成できます。メディアは、「配信方法」「メディア」「業種」「エリア」「発行部数/PV」「その他」の項目から絞り込みが可能です。
メディアリストの作成・設定方法は、下記の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、メディアリストの抜け漏れを防ぐためには、PR TIMESの「メディアリスト機能」を活用いただくのもおすすめです。あわせて、メディアを選定・ピックアップするときのポイントもご覧ください。
STEP4.プレスリリースの原稿作成・管理画面から入稿
プレスリリースの内容が固まったら、管理画面から原稿を作成・入稿します。タイトル、リード文、本文、画像、動画など、必要な項目を順に入力。
PR TIMESの入稿画面からは、プレスリリースを新規作成する際に、業種別のテンプレートも活用できます。事例やガイドを参考にしながら進めれば、伝えたい情報を過不足なく整理しながら、見やすい原稿に仕上げることが可能ですので、ぜひ活用ください。
以下の記事から、作成・入稿方法をご確認いただけます。
原稿の入力が完了したら、配信設定をする前に内容の最終チェックを行いましょう。誤字脱字はもちろん、情報の正確性、構成のわかりやすさに加え、公開タイミングや画像の表示確認もチェックポイントのひとつです。
また、社内の関係部署と情報共有し、掲載前に必要な承認を得ることも忘れずに。慎重な確認プロセスを経ることで、信頼性の高いリリースとして送り出せます。
プレスリリースを配信する前に最終チェックは、以下の記事を参考にしてください。
プレスリリースの配信前後に確認したいチェックポイントは、以下からご覧いただけます。
STEP5.配信予約・公開
すべての確認が済んだら、配信日時を設定してリリースを公開します。ニュース性やメディアの稼働状況を考慮し、平日午前中などの「読まれやすい時間帯」に予約配信を設定するのが効果的とされています。
配信後は、SNSやメールマガジン、自社サイトなどでも積極的にシェアし、情報の拡散を後押ししましょう。戦略的な公開タイミングと多面的な拡散が、リーチの最大化につながります。
配信タイミングについては、以下の記事を参照ください。
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まとめ|プレスリリースは発表だけでなく、フォローアップや拡散施策も重要
初めてプレスリリースを発表する際は、媒体に掲載されやすく、読み手に伝わりやすい工夫が欠かせません。重要なのは、「ニュース性」や「新規性」を意識した内容にすること。タイトルや構成、画像・動画の活用にも配慮し、記者や生活者の視点で情報を整理しましょう。
また、PR TIMESを活用する場合は、企業登録から原稿作成、配信予約までの基本的なステップを押さえておくと安心です。配信後のフォローアップや拡散施策も成果を左右する大切な要素。準備から発信、そしてその後のアクションまでを丁寧に行うことで、より効果的な情報発信が実現できます。
PR TIMESのご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。登録申請方法と料金プランをあわせてご確認ください。
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