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広報PRの種類とは?6つの専門領域や特化型広報の種類を解説

「広報PR」と一言でいっても業務領域は多岐にわたります。企業活動において欠かせない広報PRですが、その種類や役割について明確に把握している人は少ないのではないでしょうか。

本記事では、広報PRの主な種類や役割と、特化型広報や広報PRの専門担当領域の種類について紹介します。広報PRという仕事に興味を持った方や企業で新たに広報PRに関する部署を新設するなどといった体制作りが必要な方は、参考にしてみてください。

広報の主な種類と役割

広報PRには大きく分けて「社外広報」「社内広報」の2種類があり、中でも、社外広報は「コーポレート広報」「サービス広報」に分けられます。広報PRは全ステークホルダーを対象とする活動ですが、種類によって主なコミュニケーション先や業務内容が異なりますので、まずはそれぞれの違いを見ていきましょう。

社外広報

社外広報の役割は、株主や顧客、取引先などを対象に行う広報PR活動です。企業・商品・サービスの認知度を高め、売上拡大に貢献することを目的としています。

社外広報は、広報PR活動を行う対象に応じてさらに「コーポレート広報」と「サービス広報」に分けることができます。

引用:広報の役割とは?企業の広報部・広報担当者の5つの役割・必要な理由・重要性を解説

上記のように、社外広報はさらに2種類に分類され、同じ社外広報でも役割は異なります。次に、種類によって異なるコミュニケーションの対象者や目的の違いを掘り下げていきます。

コーポレート広報

企業ブランドをはじめ、企業自体の認知の確立や企業文化の醸成を目指すのがコーポレート広報です。望ましい企業イメージを築き、それをより強固なものにしていくために、長期的なスパンで株主・投資家、取引先、生活者、国際市場、政府、国際機関など、幅広いステークホルダーとコミュニケーションを取ります。

商品・サービスの広報PRが中心ではなく、企業全体についての情報をプレスリリースなどを通じて社内外に向けて発信する役割を担います。企業全体のイメージの向上や認知を高めることが目的とされているため、採用活動への影響が大きいのも特徴のひとつです。

コーポレート広報について、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

サービス広報

プレスリリースの作成やメディアへのアプローチなど、業務内容はコーポレート広報と同じです。サービス広報は、自社の商品・サービスへの認知拡大や理解を深めてもらうことを目的としているところがコーポレート広報との大きな違いです。商品・サービスに関する情報を発信し、興味喚起やイメージ形成を行うことで購入や導入を促します。事業数が多い規模の大きな企業の場合は、事業ごとにサービス広報として担当者がいる場合があります。

サービス広報について、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

社内広報

社内広報の役割は、社内外の情報を経営陣や従業員に伝達し、社内コミュニケーションの促進を図ることです。

社内やグループ企業など、同一の組織内における広報PR活動で、社内報や社内イベントなどを通して、社内におけるコミュニケーションを活性化する活動全般を指します。

具体的には、社内報の作成、社内イベントの企画運営・実施、会社案内・パンフレット・プレゼン資料などの制作・チェックが社内広報の業務です。ほかにも、経営理念やビジョンを社内やグループ企業内に浸透させたり、社会で起こっていることを共有したり、自社のメディアにおける掲載内容を報告したりすることで、情報のハブとしての役割を果たします。

詳細はこちらの記事で解説しています。

特化型広報の種類と役割

ここからは広報PRの特化型や専門領域について、種類別に解説していきます。規模の大きな企業は広報PRの種類ごとに担当者が分かれていることが多くあります。それぞれ担当が分かれている場合でも互いの業務は関連していることが多いので、互いの役割を理解し、連携することが大切です。

危機管理広報(クライシスマネジメント)

企業が予想外の危機的な状況に直面した際に、その影響を最小限に抑え、組織の信頼性を守っていくのが危機管理広報の役割です。緊急時に迅速な対応ができるように、リスクの洗い出しや緊急時の対応マニュアル作成など、日ごろから準備を行うことが重要です。

実際に危機的な状況に陥った際は、危機管理広報の担当者は社会動向を把握し、準備していたマニュアルをもとに経営層と密にコミュニケーションを取りながら適切な対応を進めていきます。

詳細はこちらの記事で解説しています。

グローバル広報

グローバル広報では、企業が海外進出する際、その進出先の国に向けて広報PR活動を行います。企業として伝えたい内容は国内の広報と変わりませんが、それを「どのように伝えるか」が変わってきます。進出先の国での企業や商品の認知度合い、競合など、その国の情報収集を行い、独自の戦略を立てることが大切です。

企業活動のグローバル化、ボーダーレス化は進んでおり、いまは海外展開していない企業でも、今後海外展開を視野に入れていたり、突然海外との取り引きが活発化したりする可能性もあります。ご自身の広報PRのノウハウ蓄積や今後の備えという意味でも、グローバル広報の基礎知識を把握しておきましょう。

詳細はこちらの記事で解説しています。

CSR広報

CSRとは、企業が行う組織活動の社会的責任のことを指します。特に上場企業がCSRを掲げ、活動することは、自社のイメージアップやステークホルダーからの信用獲得などに効果があります。

企業がCSR活動の効果を高めるために、自社の活動を企業ブランディングに絡め、情報発信することが重要です。

CSRについてはこちらの記事で解説しています。

パブリック・アフェアーズ広報

パブリック・アフェアーズとは、特に行政へ向けたコミュニケーションと捉えられがちですが、実際にはさらに広のな意味合いがあります。パブリック・アフェアーズの活動では、情報を政府関係のステークホルダーに伝えることで公共政策影響を与え、企業や組織の目標達成に貢献するためのコミュニケーションという形を取ります。

特に社会に新たな価値を提供したり、社会の仕組みを変えるべく事業を展開したりしている企業は、社会的なルールの改訂など世の中の動きを把握し、施策を検討していく必要があります。

パブリック・アフェアーズについてはこちらの記事で解説しています。

採用広報

採用広報の役割は、企業が求める人物像や人材に、採用候補者になってもらうための関係構築を行うことです。採用広報のターゲットには就職や転職を希望している人材だけではなく、潜在的な採用候補者も含まれます。採用広報は、企業としての採用のために、どのフェーズの、どのターゲットにアプローチをするか、人事と対話をしながら進めていくことが大切です。

詳細はこちらの記事で解説しています。

シティプロモーション

シティプロモーションとは、地域の住民や地域外の方に向けて地域の魅力を発信し、地域のイメージを高めて地域経済を活性化させる広報PR活動のことです。

主に自治体の広報PR活動として行い、地域住民にその土地の情報を伝えたり、地域外の方やメディアの方に地域や自治体の魅力を伝えたりするものです。観光客や移住者、企業の誘致のために積極的にプロモーション活動をするケースが増えていますが、そのほかにも、ステークホルダー同士をつなぐといったシビックプライドの醸成につながるシティプロモーションを行っているのも自治体の広報PR活動の特徴です。

詳細はこちらの記事で解説しています。

6つの専門領域:種類と役割

1.プレスリリース担当

プレスリリースとは、企業が発表する情報をメディアなどに提供するための公式文書です。メディア担当者が記事の制作をしやすいように、企業の情報や画像・動画などの素材をまとめます。

社内から情報収集を行い、企画を立て、メディア関係者などに興味を持ってもらえるテーマや素材の選定を行いプレスリリースを作成し、もっとも反響が大きくなるタイミングを図りプレスリリースの配信を実施します。プレスリリースの配信後は、より多くの方に情報を届けられるように、メディアへのアプローチやSNS担当者との連携を図ります。

プレスリリースについては、以下の記事もご覧ください。

2.SNS担当

企業がSNSを活用することで、プレスリリースやオウンドメディアの記事を企業自ら拡散したり、ユーザーと直接コミュニケーションが取れたりします。理想の企業イメージや運用の目的に合わせて投稿のトーン&マナーを統一し、運用していきます。

企業自体や商品・サービスのファンを獲得できるのも、企業アカウントとしてのSNS運用のメリットです。SNSの運用に際しては、ファンを獲得していくため、日々情報収集を行いながら、定期的な情報発信を行いましょう。SNS運用の際は、目的に合ったプラットフォームを選び、継続的に運用できる体制を整えることが大事です。

SNSの運用については、以下の記事もご参照ください。

3.データ分析担当(効果検証担当)

広報PRにおいては、施策を実施するだけでなく、その効果を定量的に評価することが重要です。定量データをもとに広報PR施策の方向性を確かめ、問題がある場合は改善を行います。

企業によって効果測定の方法はさまざまですが、メディア掲載数、広告換算値、記事の論調分析、SNSのリアクション件数などが主な指標として多く用いられます。

広報PRにおける効果測定については、以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。

4.イベント・セミナー担当

メディア関係者向けのイベントや展示会、セミナーなど、参加対象者にどんな行動を起こしてほしいか、目的に沿ってイベントの種類や内容を決めていきます。イベントを実施する際は、集客がイベント成功の鍵を握ります。コンテンツ内容やゲストなど、どこを集客のポイントとするのか、担当者同士で認識を合わせておきましょう。

また、集客という点では、プレスリリース担当やSNS担当とも連携し、情報を拡散していくことも重要です。さらに、イベントを実施するにはお金も時間もかかりますので、施策が無駄にならないよう、実施の成果をどこにおくのか、ゴール設定についても社内で認識を合わせておきましょう。

以下の記事では、イベントの種類と事例を紹介しています。

5.オウンドメディア担当

オウンドメディアとは、自社で保有するメディアの総称です。企画から取材、執筆まですべて社内で完結するか、取材や執筆は社外のライターに依頼するかの体制は、企業によって異なります。

SNS担当者と同様に継続的な記事作成を行うためには社内の情報に常にアンテナを張り、ネタをたくさん集めることが必要です。オウンドメディアの記事もプレスリリース同様、公開後にSNS担当者と連携して情報を拡散していくことが大切です。

オウンドメディアについては、以下の記事で解説しています。

6.社内報担当

社内の情報共有を円滑にしたり、コミュニケーションを促進したりと、社内報は企業活動を行うための土台を形作るためのツールです。企業の規模感や社内コミュニケーションの課題に沿ってコンテンツや配信形式を決めていきます。

社内報の作成では担当者のみが施策を進めるのではなく、事業部紹介の原稿をその部署の方に書いてもらうなど、従業員を巻き込んでいくことでよりよいコンテンツを作っていきましょう。

以下の記事で、社内報の役割について紹介しています。合わせてご覧ください。

まとめ:業務の役割を理解し、よりよい広報PR活動を

広報PR担当者は自社と社会をつなぐ存在です。広報PRの仕事は多岐にわたり、全社視点で物事を見ながら、さまざまなステークホルダーとの関わりが求められます。

広報PRの種類や役割を理解することで、ご自身の業務を迷わず効率的に進めることができます。また、ご自身が理解するだけでなく、社内の関係者など他者へ説明することで理解者を増やし、より早く、より大きく業務を進めていくことが可能です。

広報PR担当者としてスキルが網羅できているか、会社の体制として不足がないかこの記事を見ながら確認し、自社がよりよい企業活動を行えるようにしていきましょう。

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この記事のライター

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『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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